尾木俊平『喪服の下はすごくいやらしい四人の未亡人』

尾木俊平『喪服の下はすごくいやらしい四人の未亡人』
(フランス書院文庫、2020年2月、表紙イラスト:二見敬之)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

大学生で家庭教師の祐輔は教え子の母親・花穂に求められ童貞を卒業したが、彼女との関係をきっかけに何故か未亡人にばかりモテるようになり…。


【登場人物】

稲本佑輔
19歳の大学生。花穂が営む弁当屋の常連でその延長上から、彼女の息子の家庭教師を務めることになった。登山サークルに所属し、早紀のゼミに出席する平凡な青年だが、女性経験は無い。人一倍感受性が強くて優しく、それが「未亡人殺し」とも言える利点をまだ熟知していない様子である。

森嶋花穂
42歳で6年前に夫を亡くしており、中学に通うひとり息子がいる。佑輔に家庭教師を頼んているが、実は亡き夫に雰囲気が似ており密かに彼に好意を抱いていた。弁当屋を営み息子も手が掛からなくなったのもあり、女としての幸せも考え始めている。おっぱいの大きさは小玉すいかくらい。

別所真依子
34歳。とある県の山奥で老舗旅館の円馬亭の若女将で、夫は亡くなっている。身長150㎝台で小柄だが乳房とお尻は適度に熟肉が付いた魅力的な身体付きである。夫亡き後旅館を切り盛りしてきたが、慣れない環境に年内で旅館を畳もうと思い悩んでいた。

柴崎奈美絵
29歳。2年前に夫を失ったが彼の趣味である登山に興味を持ち、折りを見ては単独で山に登っているらしい。ボブカットの愛くるしい笑顔の持ち主で、夫と知り合うまではかなりモテていたらしい。直感的で猪突猛進なところもあり、未亡人たちとの関係に悩む佑輔を元気付ける役割を担うことになる。

一ノ瀬早紀
39歳。佑輔の所属する考古学のゼミを主宰する准教授で、相手の考えを熟知した上で論破してしまう理知的な性格だけに、「氷の女王」というありがたくないあだ名が付けられている。学生結婚した夫も考古学の研究者だったが、旅行中に帰らぬ人となっていた。


【展開】

亡き夫の七回忌もあり花穂は佑輔に家庭教師の授業を休みにすると伝えると、驚いたことに彼も参列すると言う。法要を済ませ息子が野球の練習で出掛けたのを見計らい、花穂は形見のスーツを取り出し佑輔に着させると、亡き夫を想い泣き出してしまう。抱きしめてくれた佑輔から思わぬ告白を受けた花穂は身体を委ね、初心な家庭教師に跨がって絶頂を迎えたが、あくまでも一度きりのつもりでいた。佑輔は次に会った時の素っ気ない態度に消沈するが、敢えて教え子が遠征試合で不在の日に呼び寄せてくれたのを嬉しく思い、花穂と親しい関係を結び始める。

まさか花穂と親しくなるとは思わず、佑輔は一時の別れを惜しむかのように免許合宿に向かう直前まで彼女と激しい交わりをしてしまう。それが仇となり電車で山奥の終着駅まで寝過ごしたが、待合室で真依子に声を掛けられ一泊ならと応じてくれる。一宿の恩義に報おうと厨房で手伝うが、接客のプロなだけに仕事での真依子は容赦がなかった。そして従業員用の浴室で疲れを癒していたが、どうやら真依子は佑輔の入浴中なのを失念したらしく、佑輔もギリギリまで湯に潜ってやり過ごそうとしてのぼせてしまう。真依子が介抱してくれたが少し涙ぐんでいて、夫を脳溢血で亡くしたからと後で知る。
別れ際にキスをしてくれたのは脈ありとみた佑輔は二週間の合宿を終えて、今度は飛び込み客として再び円馬亭を訪れる。旅館の仕事も一段落したところで佑輔の部屋を訪ねた真依子は、この間の宿泊代だとあまりにも真っ正直な彼の性格と旅館を続けて欲しいという言葉に、押し倒される形で受け入れてしまう。そして翌朝チェックアウトの際にはお代は要らない、それがまた来る口実になるでしょうと送り出すのであった。

サークルの登山の前夜に三たび花穂に求められた佑輔は性欲の赴くままに抱いてしまうが、一方で真依子と過ごした夜は浮気ではないかと悩みを抱えてもいた。そんな矢先の登山で一人遅れを取ってしまうが、通り掛かった奈美絵の靴ヒモがほどけていると声を掛けたことから、意気投合してその山を踏破したのである。しかしその二日後またも奈美絵に誘われて泊まり掛けで登山をすることになり、思わぬ事態に佑輔も少しだけ期待を抱き始める。そして山頂でテントを張り奈美絵と並んで横になったが、元々直感で生きてきた彼女からすれば千載一遇のチャンスだったようで、亡くなった夫のことは忘れることはないが、次の人生に向けて前向きに生きようと佑輔を求めていく。

奈美絵とも親しくなったことで一層思い悩む佑輔の元に、考古学ゼミのOBが亡くなったという報せが届く。他人との別れが苦手な佑輔は葬儀を中座して雨に濡れながら帰るが、その様子が尋常ではないと早紀が傘を差し出し、居酒屋へと連れていく。酒も入って饒舌になった佑輔の悩みを聞くうちに、早紀は自分だけでなく三人も青年がダイヤの原石だと見抜いたということに気付いたのだと感嘆する。と同時に佑輔があまりにも女性を神聖視し過ぎているのも分かり、自らが淫らに振る舞いセラピーをしなくてはと決意を固める。自室に連れ込むと佑輔からしたくなるように仕向け、その神聖視を打ち砕くようにオナニーまでしてみせるが、やはり早紀も男の力には敵わぬとその魅力に溺れていってしまう。

早紀のセラピーが効いたのか佑輔は奈美絵にメールを送り、早紀との一部始終を打ち明ける。奈美絵もそのばか正直さに呆れつつもラブホテルに誘うと、佑輔に抱かれた後できちんと告白しなくてはいけない相手がのでは?と決断を促す。そして数日後…森嶋家にスーツ姿でやって来た佑輔を見て、花穂は別れを自ら切り出そうとして実は真逆だったと知り、嬉しさのあまり青年に身を委ねていく。情事を終えて安堵したのも束の間奈美絵が待ちかねており、さあ次とばかりに佑輔を乗せて車を走らせる。もちろん行く先は円馬亭である。


【レビュー】

19歳の大学生・佑輔が家庭教師を務める教え子の母親・花穂と結ばれたのをきっかけに、次々と未亡人たちと親しい関係に陥る話。

旅館の女将・真依子34歳→夫が登山趣味だった奈美絵29歳→ゼミの担当教員である早紀39歳と全員が未亡人で揃えた形。

ヒロインたちとすれば主人公の頼りなさが母性をくすぐるようで、抱かれたことで未亡人というくびきから解放され、積極的に主人公を求めるという点はほぼ同じかもしれない。 欲を言えばヒロインの人数を減らし、お互いに接点を持たせた方が流れとしてはスムーズなのかもしれない。






以下、読書メーターからの追記です。


デビュー作品『古風でいやらしい三人の未亡人』のテイストを受け継ぐ形というのが、本作のポイントなのかもしれませんね。




本作も対象となるヒロインは四人で、主人公の優しい性格とヒロインの隠された淫らさを十分に描いていると思います。奈美絵の言葉を借りれば「後家殺し」という主人公は優しくもあり、不器用なまでに真っ直ぐなのかもしれませんね。管理人の好きな弓月誠作品もまたそんな主人公が多いのですが、尾木俊平作品の主人公の方がもう少ししっかりとしているのかなと(苦笑)

あくまでも個人的な意見と断っておきますが、弓月誠さんと同時期に現れた神瀬知巳さんの場合は主人公の性格が優等生過ぎるという点で、いまいち共感が持ちにくいなとも思いましたけど…。主人公は恵まれない境遇で頑張りやさんな割には、ヤることは結構エグいねという印象もありました。(もちろん作品を重ねる毎にその印象は薄れてしまっています)後は結論をズバッと出してしまう(妊娠エンド)のも、当初は馴染めなかったところでもありました。

未亡人縛りなのも悪くはないけれど、そろそろ違った切り口も見てみたい、尾木俊平さんの今後の作品にも期待したいところです。
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tag : 大学生主人公 童貞 未亡人 4人以上ヒロイン

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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