三鬼谷徹『息子の嫁と全裸登山』

三鬼谷徹『息子の嫁と全裸登山』
(フランス書院文庫、2019年5月、表紙イラスト:川島健太郎)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

定年退職して息子夫婦と暮らす隆三だったが、家事をこなす嫁の麻衣を見ているうちに、現役時代に登山部と称して若い女性社員に夜這いを掛けていたことを思い出す。元部下の松尾に頼み息子へゴルフ接待を命じ遠ざけると、隆三は麻衣を連れて貸し切りのキャンプ場へ向かう。そして夜になってから無防備な麻衣に迫り…。


【登場人物】

井神隆三
62歳。長年勤めていた不動産会社を定年退職し、5年前に妻を亡くしたこともあり、現在は息子夫婦と3人で暮らしている。登山が趣味で会社の登山部長もしていたが、実際のところは若い女性社員を勧誘しては登山に誘い、夜這いを掛けるためというのが本音である。隠居生活を送ってはいるが、下卑た本性は未だに変わらずにおり、隙あらば麻衣を狙っている。

井神麻衣
24歳。隆三の勤めていた会社の元部下で、昨年彼の息子と結婚している。子どもはいない。いわゆる社内結婚だが、実は隆三の企みで「息子の嫁」にすることにより手を出しやすいと考えてのことであった。社員だった時はまだ未経験で隆三も手を出しにくかったようである。巨乳。

松尾理沙
28歳。隆三の勤めていた会社の元部下で、松尾に酔わされて関係を迫られた際に自らの被虐性に気付いたようで、その後松尾と籍を入れて専業主婦となっている。子どもはいない。やはり隆三が現役時代に目を付けてはいたが、同じ夜這い趣味を持つ後輩の松尾に先んじられて複雑な感情を抱いている。


【展開】

自宅で甲斐甲斐しく家事を行う麻衣に対して秘かに邪な想いを抱いていた隆三だったが、ふとカレンダーを見て山登りシーズンが始まっていることに気付く。麻衣に声を掛けると夫に相談しますと返され、何とか二人きりの状況を作り出そうと考え、息子の上司でもある松尾にキャンプの日にゴルフ接待があるとドタキャンさせるように依頼する。こうして麻衣は夫が来れないことに残念がるものの、義父の企みには気付かぬままキャンプ場へと二人で向かう。夜になりテントで寝袋にくるまって麻衣が眠りに就いたのを見届けるや、隆三は麻衣の身体をまさぐり始めるも、異変に気付いた麻衣は不用意にも四つん這いで逃げ出そうとする。なおも麻衣は服を脱がされたまま外へ逃げ出すも、車の近くで隆三に捕まりボンネットに身体を横たわらせられ、正常位で中出し凌辱されてしまう。

次の日息子が何も不審には思わずに出勤したのを見届けるや、隆三はキッチンで麻衣に迫りセクハラ紛いの言葉を吐きながら彼女の下着を脱がせ、ねちっこく指ピストンでイカせてしまう。麻衣は裸エプロンで家事をさせられ、手伝ってと頼むとすぐにジジイと言って年寄り振る義父に苛立ちながらも、二階のベランダに洗濯物を干そうとして固まる。こんな恥ずかしい格好ではと躊躇うが隆三は容赦などせず、ベランダに立たせた麻衣をバックにさせて性交に及ぶ。途中で寝坊した松尾に声を掛けられるも洗濯物が死角になっており、隆三は行為を中断することなく攻め続け、彼がいなくなると抵抗する麻衣のエプロンを剥ぎ取って裸体を晒してしまう。さすがに噂話の好きな婦人の姿を見てまずいと室内に逃げたが、隆三は性交を中断された代わりに指で麻衣を潮吹きさせるほどに愛撫するのであった。

隆三の性欲は留まることを知らず夫婦の寝室に向かわせ、わざと息子のベッドで麻衣を抱きたいと命令する。連続絶頂で正常な判断が出来なくなりつつあった麻衣は横たわった義父の肉竿を丹念に奉仕すると、今度は自分が濃厚な愛撫を加えられて激しくイカされてしまう。休む間など与えられずに正常位、対面座位、騎乗位と体位を変えさせられ、漸く隆三が射精した頃には麻衣の疲労もピークに達していた。

一晩経てば隆三の精力も回復するのか、今日は麻衣に一日全裸になるように命じ、まずは庭を掃いて来いと外に出させてしまう。全裸露出で心許ない上に登校中の高校生の卑猥な会話に、麻衣は身を震わせたものの、幸いにも自分には気付かなかったようである。緊張を強いられ家に入ろうとして物音にビク付き思わずお漏らししてしまった麻衣に対し、隆三はねちっこく清拭してあげるがそれは愛撫に他ならない。この男は夕方まで彼女にまとわり付き何度もボディタッチするものの、決して性交をしようとはせず、入浴させられる頃には麻衣がすっかりへたってしまっていた。それでもパイズリを強制させ美貌に白濁を浴びせたその時、何と息子が体調不良で早退して来たようである。麻衣は初めて服を着て夫を出迎えると、二階の寝室に向かったまま眠りに就いたようである。隆三は全裸になり息子が熟睡したのを確かめると、麻衣のベッドに忍び込み抵抗する彼女を寝バックで犯すのであった。

数日後隆三は松尾の家に招待され理沙の手料理を振る舞われるが、どうやら隆三を嘱託として復帰させたいようである。麻衣と二人きりの生活が良いと興味を持たなかったのを見ると、松尾は妻がいなくなったのを見計らい以前のように猥談を始め、妻に極太バイブを使っていると見せびらかす。それには興味を持った隆三はバイブを借りると、その十日後に息子は出張でいないのを良いことに街中のラブホテルへと連れ込む。オフィスを模したイメージプレイができるようで、隆三は自分が社長で麻衣がOLだという設定を望むが、麻衣はコスプレ制服が嫌なようで現役の肩書きだった「課長」と呼びプレイには非協力的である。それでも入れたお茶がぬるいと難癖を付け、お仕置きに極太バイブを使う隆三。バイブに気を遣る麻衣をベッドに押し倒し、開脚させての正常位で中出し性交に及んでしまう。

ところがホテルから出て来た二人をたまたま後輩との飲み会に参加していた理沙が見付けてしまい、彼女は散々迷った挙げ句に井神家を訪れる。さすがに極太バイブを返してとは言いよどむが、人の心を読むのに長けた老獪な隆三は隙を見逃さず、隠し持っていた登山用ロープで理沙を拘束してしまう。松尾の言う通り極太バイブへの反応は抜群で、しかもドMの理沙は夫よりもねっとりとした責めにお漏らしするほどで、隆三のペニスで犯されて絶頂してしまう…。そこへ買い物に出掛けていたはずの麻衣が帰って来ており、恐い顔をして義父を睨み付けていたと知ることになる。

その週末再び松尾家に招待された隆三は息子夫婦を伴い訪ねると、現役復帰してやっても良いが、条件として麻衣と理沙も復帰させると提示する。取引先はOL接待に弱い、いざとなれば弱みを掴んでいると告げると、それぞれの夫たちは「時代遅れ」だと反論するも、隆三はこう豪語するのである。

「しょせん人間の本性なんて、昭和が平成に、平成が令和になったからって、変わるもんじゃない。」

女たち二人も同意したところで隆三は、週末に五人でキャンプ場にやって来るが、虚弱な息子は青い顔をし松尾は膝に来ているようである。夫を寝かし付けた麻衣と理沙は隆三のテントに逆夜這いを掛け、ともすれば女たちに主従逆転されそうな勢いだが、隆三は何とか示しを付けようと人妻たちと交わるのであった。


【レビュー】

本作は詳細こそ不明だが官能大賞の応募作品ではなく、既存の作家がペンネームを変えて出した新作の可能性が高いと思われる。というのは定年退職した60代の男が主人公で、やたらに「昭和生まれ」を意識した表現が多用されている。「息子のような平成◯◯◯とは鍛え方が違う」ともある。令和に改元されて間もないこのタイミングで、いち新人がそう都合よく作品に盛り込みデビューできるのであろうかという疑問がある。企画あっての5月に合わせたデビューであれば、既存の作家の方がスケジュールも立てやすいのではと考えたのだが…。作中には「しょせん人間の本性なんて、(中略)平成から令和になったからって、変わるもんじゃない」とある。まさにタイミングを狙って刊行したものだと思われる。

主人公は62歳で不動産会社を定年退職したものの、わざわざ職場に「登山部」まで作ったとは言え、実際は若い女子社員を勧誘しては夜這いを掛けるというのが目的である。定年で家でじっとしているのにも飽きたのか、始めに息子の嫁【麻衣】(24歳)に手を出してしまう。
タイトルにある『全裸登山』はまさにこの部分で、嫁を山に連れていき抵抗を受けながらも関係を迫る流れである。60代男らしく前戯がねちっこく、いざ交合を果たしてもなかなか絶頂に向かわないだけに、開発されていない嫁が「悔しい、感じさせられて」という描写が目白押しとなっている。

麻衣への調教は家に帰っても続き、人目を気にすることなく白昼のベランダで交わったり、果てには眠る息子の側で迫ったりとやりたい放題の主人公である。性欲旺盛だが時には「年寄り」と訴える義父に対し、麻衣も与えられる羞恥に思わぬ反応を見せつつも何処かでは期待している一面もある。このままヒロイン一人で押し切るかと思いきや、元部下の妻【理沙】(28歳)にまで主人公は手を出してしまう。彼女は主人公と同じような趣味を持つ男に開花させられ、結婚までしてしまうが本質的にマゾと自覚しているだけに、あくまでもサブヒロイン的な扱いだが…。

登場人物は全て主人公の元勤務先ということで、クライマックスはやはり登山が舞台で、露悪な言動を繰り返す主人公に対して20代の人妻二人が夜這いを掛けてくる。熟れ頃の彼女たちに主人公の身体は持つのか、ちょっとだけ心配にもなってくるが…。惜しむらくは理沙の夫が主人公と同じような趣味を持つのだから、「背徳のエグい味が壊れてしまう」と勿体ぶらずに、スワップという形で参戦させてあげても良かったのかもしれない。







Amazonに投稿したレビューの初めで余計なことを書きすぎたような気もしますが…。管理人のスタンスとしてはペンネームが複数ある作家さんは、どのジャンルでもいらっしゃいますし、多数の目に触れるところでどなたと断定しない限りは問題ないと考えています。

(指摘が合っていても、間違っていてもリスクはありますので…。)

フランス書院文庫の場合「官能大賞」の応募作品でのデビューは、基本的に「第◯回フランス書院文庫官能大賞××賞受賞作」、「ワイルドカード」などの表記をなさっています。これは宣伝効果も考えてのことでしょう。

近年では応募数も順調に増えている?ようですし、何より受賞作として「お手本」を見せることで、志望する方からすれば「これなら自分の方がもっとエロく書ける」などのモチベーションに繋がるでしょう。

一方で官能大賞関連の表記のない新人さんは、かなりの確率で既存作家さんの別名義という線が強いのかもしれません。(これはフランス書院のレーベル内に関わらず、あらゆる既存の作家さんということです。色々と表には出せないご事情があるのかもしれません。)

ということで管理人はこの「三鬼谷徹」さんも別名義だろうという前提で読み進めて来ましたが、分かったような、違っているような…。具体的にどなたとは挙げませんが、多分あの方では?と思います。こういう読み方が正道では無いとは思いますが、私は考えながら読むのが好きなタイプですから、今後も変えるつもりはございません。
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tag : デビュー作品 壮年主人公 凌辱作品 人妻

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
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