堂条伊織『チアリーダー姉妹、完堕ち』

堂条伊織『チアリーダー姉妹、完堕ち』
(フランス書院文庫、2019年2月、表紙イラスト:川島健太郎)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

高校時代の先輩である美咲に一方的に好意を抱き、身体を鍛えて男らしくなり求愛しようとしていた康介は、美咲が長らく付き合っていた別の男と結婚したと知り怒りを覚える。衝動的に美咲を犯したものの反応がイマイチだったと気付き、彼女の妹の絵里香が好意を抱いていると知り何とか美咲に触れる機会を作ろうと目論む。


【登場人物】

沢尻康介
22歳。教員採用試験を受けたばかりの大学4年生で、プールで監視員のバイトをしているだけに逞しい身体付き。両親は離婚したらしく、現在は母親と二人暮らし。かつては絵里香の家庭教師を務めていたこともある。高校時代から憧れていた美咲が結婚したと知り、彼女を手中に納めようと凌辱行為へと走るが…。絵里香が自分のことを好きだと知り、好意を利用して美咲を完堕ちさせようと試みる。童貞。

美咲
24歳。1年前に長らく付き合っていたゼネコン勤務の男性と結婚したが、新婚生活を楽しむ間もないまま夫は海外赴任となってしまう。結婚を機に両親が絵里香を連れて隣町で暮らし始め、現在は寿退社したため実家に一人で暮らしている。康介に対しては妹の絵里香の家庭教師ということと、後輩という認識でしかなく特別な感情はない。高校時代はチアリーダー部の花形として活躍していて、当時から胸やお尻はそれなりに発達していたが、結婚してからは一層熟れた身体付きになっている。

村西絵里香
18歳の大学1年生。美咲に憧れを抱きチアリーダー部に入っているが、何かとちやほやされてきた姉に対してコンプレックスを抱いてもいる。康介への好意を利用されたとは知らずに純潔を捧げたものの、彼がまだ姉が好きだと知り対抗心を露わにし始める。


【展開】

一方的に美咲に想いを寄せていた康介は彼女が結婚したと知り、憤怒に駆られながらも母親にお祝いの品を届けるように頼まれて美咲の自宅を訪ねる。入籍してすぐに夫が単身赴任となり寂しさを募らせていただけに美咲は康介を歓待するが、トイレで離席した際に飲み物に催淫剤を仕込まれたらしく、身体が思うように動かなくなる。康介はお姫様抱っこで美咲をベッドへ連れていくと、すぐさま衣服を脱がして匂いの染み付いたパンティを嗅いで恍惚に浸り、自慢の巨根を口元に押し付ける。悪ぶってはみたものの康介は童貞で余裕がなく、せっかちに挿入を試みて力任せにピストンを始めてしまう。

感じている姿を撮影したと凄んではみたものの、康介は立て続けに五度も射精したにも関わらず、美咲の反応が鈍く通報されるのではないかと不安と失意を感じていた。しかし美咲を犯してから四日後のバイトの帰りに絵里香に声を掛けられ、久し振りなのに人懐っこい笑顔で先生と慕われると、彼女を使ってもう一度美咲に迫れないかと考えを切り替える。そこで話があるとボイラー室に絵里香を誘い付き合ってと告白するが、昔から康介を見ていた絵里香は姉の代わりでしかないのならば嫌だと突っぱねる。劣等感の強い絵里香を何とか宥めすかし唇を奪うと、アンスコとパンティを引き下げて秘所を愛撫し始めるが、やはり経験がないだけに嫌がり始める。とにかく結合だけは果たそうと康介は処女穴に挿入すると、二度目のセックスの余裕などなくぺニスを引き抜き、美貌に掛かるほどの放精をするのであった。

翌日絵里香にチアリーダー姿でバイト先に来て欲しいと約束させた康介は体育館の男子更衣室へ連れていき、わざと腹が痛いと嘘をつき勃起に触らせる。さすがに処女喪失の痛みが残っていたようでセックスは嫌だと拒まれるが、性的好奇心は旺盛なようで口唇奉仕はすんなりと受け入れてくれる。思っていた通り秘所は濡れていて、ぺニスは入れないからと約束しつつも背後から抱き付き、素股で射精してしまう。
姉妹と交わったことで康介は妙な自信が沸いたようで、美咲が警察に訴える様子がないと知ると、数日後に自宅に押し掛けて中で話をしようと傲岸な態度を見せる。美咲に口唇奉仕を迫るが何やら様子がおかしく、どうやら尿意を覚えているらしくバットを持ってきて排尿を強制させると、お嬢様育ちの美咲は観念した様子で用を足す。既に秘所は濡れていたが念のため媚薬を塗り込むと効果はてきめんで、ピストンされてヨガる姿を楽しむと盛大に顔射してしまう。

九月を迎えたある日康介は美咲に連絡して高校時代に着用していたチアコスチュームを自宅に届けて欲しいと告げるが、本当に届けるだけのつもりだった美咲を部屋に招くと今すぐコスチュームを着ろと命じる。女らしく熟れた身体にはキツキツなのは丸分かりで、しかも直穿きのアンスコからは既に愛液が滲み出していた。康介は用意したロープで美咲の身体に巻き付けると、ピンクローターとバイブで二穴責めにし、絶叫する美咲の口からぺニスを入れて欲しいと言わせることに成功する。アナルに玩具を突っ込まれたまま激しいピストンを受けた美咲は、中出しされたことの罪悪感を抱く間も与えられず快楽に溺れていく。実は美咲を呼び寄せる前に康介は絵里香を呼び、自宅の二階の部屋に閉じ込めていた。まだ美咲は絵里香との関係を知らない。ここで姉妹を対面させたら…康介の計画は総仕上げの段階に入ったのである。

康介は再び拘束した美咲の二穴にバイブを入れ、パソコンの画面を開いて二階の部屋へと向かう。二階では姉同様に二穴にバイブを入れられた絵里香が散々焦らされて縛られており、ウェブカメラをオンにするとバイブを抜いてアナルセックスを始める。もちろん縛られた美咲はその様子をモニターでただ見ているしか術はなく、しかも絵里香が康介の用意したマイクロミニのチアコスチュームを着て言いなりになっていると知り、騙されたと憤りながらも性具により意識を失うほどの絶頂に導かれていく。その間に康介は絵里香を階下に連れていくと姉と対面させ、口から出任せにセックスを迫られて困っている、絵里香が頑張ってくれたらもう一度してあげるからとわざと煽るようなことを言い始める。ギャグホールを咥えさせられた美咲は一切反論が出来ぬまま、取り憑かれたかのように康介の陰嚢や尻穴まで舐める姿に絶望するしかない。

やっとギャグホールを外された美咲は康介を詰るが連続絶頂を味わされて反撃も出来ず、絵里香は早く続きをしてとおねだりする始末である。そこで康介はバイブを入れたままで音楽に合わせてチアダンスを上手く踊れた方に先に入れてやると命じると、勝った美咲と再びセックスをする。我慢できないと絵里香も絡んでの3Pは圧倒的な快感を康介に与えたのであった。


【レビュー】

具体的に触れていないため明言は避けるが、恐らく昨秋に発表された「第21回フランス書院文庫官能大賞」の最終選考作品においてチアリーダー姉妹を題材としたものがあったため、本作はその応募作をブラッシュアップさせたものと思われる。

選考の講評において指摘された点を引用すると、「姉妹を狙う男のキャラクタ造形が素晴らしい」、「(亡くなった弟の)復讐という題材にしては明るい終わり方」とのことである。そこを踏まえてか本作では憧れを抱いていた女性が結婚したと知り、我が物としようとする主人公像に転換されている。(本作では弟の存在はカットされたシンプルな形)

・人妻で元チアリーダー【美咲】(24歳)
・美咲の実妹で現役チアリーダー【絵里香】(18歳)※大学生

主人公は美咲より2つ下の教員を目指す大学生だが、フランス書院文庫で頻繁に見られる手練れの凌辱者ではなく、彼女が結婚したと聞かされて衝動的に行為へ及んでしまうまだチェリーな青年である。故に見せ場は早い段階で訪れるが、美咲の心を手に入れた訳ではない。

そこで妹の絵里香が自分に好意を抱いているのを利用してというのが次のステップであるが、彼女からすれば元々好きな相手と結ばれたのだから凌辱的な要素はほぼ無いが、主人公と絵里香との思惑の違いは終盤にまで引きずる形となる。

絵里香を教材として美咲を完堕ちさせてやろうと目論む主人公は一応の切り札を持つだけに彼女を調教していくが、終盤の対面儀式によって絵里香の対抗心を煽り美咲を従わせることには成功する。しかし…というのが個人的に読み終えた感想である。

凌辱的な方向に持っていきたいと書き手が考えたのか、若干首を傾げざるを得ない描写も散見される。主人公のキャラクタ造形を生かすのならば、断りを入れるように随所でワルぶらせなくても良かったのではないかと感じられた。女性の扱い方を知らなかった僕がこんなワルになりましたというのは、フランス書院文庫的な青年主人公ではあれど、イマイチ釈然としないところでもある。評価としては迷ったものの今後の伸び代に期待して星4つとしたい。




何度か触れてきていますが本作の元となったのは、第21回フランス書院文庫官能大賞の最終選考まで残ったこの応募作品だと思われます。

「マッスル男の不器用美姉妹狩り」

弟がかつて愛した女は人妻となって幸せな人生を送っていた――自殺した弟の復讐のため、人妻を凌辱、さらにはチアリーディング部の妹までも、凌辱の毒牙にかけていく。
構成は粗く、読者サービスという面では物足りない部分は多かったが、(「未挿入の濡れ場が連続していた」「3Pシーンを予感して終わらせている」など)、姉妹を狙う男のキャラクタ造形がすばらしく、一気に読了させる力に満ちていた。
ただ、「自殺した男の復讐」というテーマは、すごく「重い」。本来ならば、凌辱小説らしい「バッドエンディング」――姉妹を完全に牝奴隷に堕とすといった――になりそうなところだが、誘惑小説のような明るい終わり方で正直拍子抜けした部分もあった。
「作者が書きたい作品」と、「完成した作品」で方向性が異なってしまい、結果、「カテゴリーエラー」が発生しているように思われ、受賞までには推しきれなかった。
ただ、もしかしたらこれが凌辱でも誘惑でもない「新しい官能小説」なのかもしれないという思いも同時に抱かせる、選考が非常に難しい作品のひとつだった。


フランス書院公式ホームページ「編集部発」より




講評を踏まえて感想を述べますと、「思っていた以上に暴走系だった(新味を感じさせない)」ということです。ここでいう「暴走系」とは自分の欲望を優先させる身勝手な主人公像と言いましょうか。フランス書院文庫の凌辱作品の過半を占めているこうした作風にわざわざしなくても良かったのでは?と思いました。美咲が本命で絵里香は好意を利用しただけなのかもしれませんが、終盤を見ていると愛情よりも肉欲ばかりで何か違うなという気がします。

話としては片想いの美咲に相応しい男になろうと身体を鍛え、ぺニス増大(ここは官能小説らしいですね)までした童貞主人公が衝動のままに彼女を犯したものの、小説のようにヨガり狂うほどまでにはいかず悩むというキャラクターが面白いと感じました。処女の絵里香に対しても初めは経験者としての優位性を発揮できずにいた訳ですが、いつの間にか次から次へと調教道具を繰り出しての「手練れ」になっていたのです。

絵里香の後ろは終盤では経験済みとなっており先を急ぎ過ぎた感もしますし、鍛え上げたマッチョな身体と巨根の「生身」を重視した描写だったらまた違った印象になったのかもしれません。やたらにバイブを多用していてはその身体が勿体ない(苦笑)は言い過ぎかもしれないのですが、そこは非常に気になった点でした。「キャラクタ造形がすばらしい」のなら、没個性化した暴走系主人公にしなくても良かったのではないでしょうか…。
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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