日向弓弦『したくなったら来て 下宿先の美母娘と未亡人』

日向弓弦『したくなったら来て 下宿先の美母娘と未亡人』
(フランス書院文庫、2018年12月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

亡くなった兄と同じ大学へ進学した利弘は、兄嫁の江美子が管理人をしている古びた下宿で暮らすことになるが、来て早々におはようのフェラチオ奉仕を受け欲情を覚える。しかも同居人にはいつも淫らな格好の未亡人・嘉代や、江美子の娘・かすみまでもが利弘に興味津々のようで?


【登場人物】

矢花利弘
19歳の大学1年生。21歳離れた兄と同じ大学に合格し、兄嫁の江美子が管理人を務める「玉山荘」のある寂れた郊外の街で下宿生活を送り始めた。性的欲求の強い年頃で流されやすい性格だが、女の子と付き合った経験はない。童貞。

矢花江美子
40歳で古びた学生向け下宿の「玉山荘」の管理人。かつて利弘の兄・貴利も下宿人でその縁もあって結婚するに至ったが、6年前に亡くなっている。Iカップの巨乳で利弘もその胸の大きさに目を見張るほどだが、江美子もまた亡き夫を利弘に重ねて見てしまい…。

成嶋嘉代
30歳。「玉山荘」のもう一人の住人で、普段は利弘の目など気にせずにベビードール姿で下宿内をうろうろすることが多い。実は利弘の通う大学の職員で、勤務先ではきっちりとしていて隙を見せないほどのやり手だと後に知る。かつて貴利の元で働いており秘かに恋愛感情を抱き、叶わぬと知って別の男と結婚したものの、死別して「玉山荘」に押し掛けている。

矢花かすみ
19歳?貴利と江美子のひとり娘で、父の葬儀で会った利弘にずっと想いを寄せていた。母親が利弘にぞっこんなのを知って身を退くつもりでいたが、嘉代まで加わっての破廉恥さに遂に堪忍袋の緒が切れてしまい…。万事気が利きすぎるほど生真面目なCカップの処女。

※かすみの年齢は公式に従いましたが、作中では主人公よりは年下と思わせる記述が何ヵ所も見られるので、実際は高校生だと思われます。


【展開】

江美子は管理人を務める学生向け下宿の「玉山荘」へ利弘を迎え入れるが、6年間男性と縁が無かっただけに娘のかすみが呆れてしまうほどに甲斐甲斐しく世話をしたがり、数週間が経ったある日の朝に部屋にいき起こそうとする。ふと朝勃ちが目に入りおずおずと膨らみに触れてしまうと、歯止めを失ったかのようにペニスを露わに口唇奉仕の果てに飲精までしてしまうが、何気ない風を装い起こしに来たのだと微笑む。
実は江美子は利弘の目覚めに気付いたが後には退けぬと行き過ぎた奉仕をしてしまい、欲情を燻らせたまま利弘を想いながら台所でオナニーをする。それでも物足りぬと夕飯のために用意したとうもろこしを目にすると、奥まで欲しいと先細の部分を出し入れしていたが、迫り来る快感に尻餅をついた拍子に極太の部分まで入ってしまい快感絶頂を味わってしまう。

淫汁まみれの食材は焼くしかなく、間の悪いことに利弘が早く帰宅して来て見付かってしまい、知らずに頬張るのを見て江美子の恥じらいは最高潮に達してしまう。顔を合わせるのもつらいと先に入浴していると、何やら浴室の外で利弘と嘉代の話し声がするが、どうやら彼女は利弘が覗きをしようとしていたと早合点したらしい。嘉代は利弘をからかいながら江美子のパンティを洗濯物から取り出すと、勃起しているのを見るや悪戯をエスカレートさせ、ペニスを取り出すと手扱きで焦らし下着へ精を放出させる。その情けない様を見て嘉代は初恋の人である利弘の兄を思い出し、わざと浴室の江美子に聞こえるように利弘を誘い童貞を奪ってしまう。

翌朝明らかに江美子の機嫌は悪く話があるから管理人室でと告げられるが、嘉代は素知らぬ顔で出掛けてしまい言い訳の余地も無さそうである。江美子を見るなり利弘はパンティを汚したことを詫びると、彼女は嘉代への嫉妬を見せまいと振る舞いつつも、これからは私が射精管理するからと口にする。Iカップバストを露わにし、しかも精液で汚したパンティを穿くほどの江美子の淫らさに利弘の興奮も高まると、彼女はそのままで良いからと利弘を押し倒し騎乗位で交わるのであった。

その日からオナニーすら禁じられた利弘はそれでも溜まっていた精液を自分で吐き出したのが江美子に露呈し、一週間近くも奉仕をご無沙汰にされていた。そんななか利弘はキャンパスで猫を相手にしていた美女に声を掛けると、何と普段とは違ってきちんとした格好をしていただけにすぐに嘉代だと気付けなかった。しかも江美子との密戯まで看破されており、利弘は誘われるまま講義棟の非常階段へと連れられると、人目につきにくいのを良いことに立ちバックでの性交を求められる。早射ち気味の利弘に呆れながらも嘉代が屈み込んで口唇奉仕していると、タイミングの悪いことに准教授が向かいの建物から自分を探していると利弘に話し掛けてくる。もちろん死角になっていて嘉代自体は見えないが要らぬ過去のことまでペラペラ喋られ、利弘が興味津々なのを見ると尻穴に指を挿し入れ、前立腺を刺激しながら精を吸い取ってしまう。

嘉代との情事はすぐに江美子にも見破られ怒るどころか、寧ろ奉仕を積極的に迫りますます彼女への対抗意識を強めているようである。そして迎えた兄の法要の日、前夜に散々交わったのにも拘わらず江美子は合間を見て利弘を物置部屋に誘い、喪服をはだけて乳房でパイズリ射精をさせてしまう。江美子が痕跡を隠そうと部屋に戻ると、入れ違いに嘉代がやって来てセックスを求め中出しした瞬間江美子が戻ってきて乱入し、嘉代は騎乗位で射精を強いて、江美子はもう勃たないという利弘に跨がって四度目を吐き出させてしまう。まるで利弘の気持ちを無視したかのような二人の淫業に、これまで見て見ぬ振りをして我慢していたかすみは部屋に乗り込み二人を叱り付けるのであった。

荒淫の果てに意識を失った利弘を女性たちはかすみの部屋に連れていき、あとはかすみに任せようと江美子と嘉代は退散する。目を覚ました利弘はかすみが知らぬ振りをしていたくれたことに気付き、彼女を傷付けたことを恥じながらも純潔をもらって欲しいと言われペニスは現金なまでに反応し始める。どこまでもしっかり者のかすみは破瓜の痛みを顔には出さず、早漏気味な利弘に二度中出しされて同時絶頂を迎えていく。

部屋の外から利弘とかすみを覗いていた江美子は隣にいる嘉代がまるで姉のように喜ぶのを見て、もういがみ合うのではなく共犯者のようなものだと開き直り、娘に呼ばれて部屋に入っていく。娘に諭されたようなものだと思いながらも、汚れたペニスを嘉代と二人で清めた後で再び利弘に抱かれていく。かすみは嘉代にも幸せになって欲しいとシェアを受け入れたようで、疑似姉妹プレイで口付けをした後で睦み合い、それぞれに快楽の果てに向けてひた走るのであった。


【レビュー】

試行錯誤の段階でのラブコメ的な作風

2018年デビューで早くも年内3冊目の刊行となる作者は、今回「未亡人管理人のいる下宿生活」を題材としている。しかもベビードール姿でうろつく住人まで用意したのだから、おおよそどの作品からのオマージュなのかはお分かりかと思うが、亡き兄を彷彿とさせる主人公を巡る二人の未亡人の争いが本作の主題である。

・主人公の兄嫁で管理人・【江美子】(40歳)
・下宿の住人で未亡人・【嘉代】(30歳)
・江美子の娘・【かすみ】(19歳)

実は19歳の大学生主人公には21歳年上の兄がおり、妻となった江美子はともかくとして嘉代も片想いをしていた…という設定であり、かすみに関しても終盤になるまで官能的な出番はないというのはある種のテンプレとも言える。序盤からおはようの口唇奉仕や、主人公を想っての野菜を使ったひとり遊びをしてしまう江美子のぶっ飛んだ性格をどう捉えるかだが、本作がラブコメ的な路線なだけにそこは素直に面白いと感じた方が良いのかもしれない。

嘉代は普段のだらしなさと職場であるキャンパスとのギャップがあるとは言え、とかく主人公を手玉に取る描写が多めである。かねてから江美子に対して潜在的な対抗心を持つだけに、情交がバレても構わないと開き直られると、気付かれることに怯える主人公にはなす術もない。さすがに連続射精や寸止めを繰り返されるのには同情したくもなるが…。
江美子もまた一歩も退くつもりなどなく、夫の法要日ですら嘉代と張り合うのだが、さすがにこの辺りでブレーキ役としてのかすみが登場する。自分のことを見てくれているとは確信しつつも、若い娘の方が主人公との釣り合いが取れているのは明らかで、当のかすみも思慮深いところがあるだけに最後はハーレムで落ち着くのである。

まだデビュー3冊目ということもあり作風としては試行錯誤の段階で、お手本となる先輩作家の作品のオマージュ的な意味合いも見られる。変わりつつある黒本の作品群の中で、これからどういう立ち位置となるのか期待したい作家さんの一人である。






本作のレビューでもまた「オマージュ」を使っていますが、七海優さんが神瀬知巳さんの「リスペクト」ならば、日向弓弦さんはさながら弓月誠さんを目標にしたといったところでしょうか。

今年デビューしたばかりでまだ作風としてはどの方向へもチャレンジ出来るだけに、次の作品ではよりエロく言わせてみよう、弾けすぎて笑っちゃうくらいにしてみようなどと考えられるのかなと思います。先に挙げた神瀬さんや弓月さんは既にデビューから10年以上が経ち、「○○と言えばこういう路線」像が確立されている時期に入っています。マンネリと言われても構わない、自分の書きたいものを書くまでだと言えれば、必然的に作品数も安定するでしょう。実際のところは刊行のペースが落ちて来ていることを考えれば、やはり試行錯誤で悩んでいる段階なのかなと推察いたします。

そういった方の替わりと言っては失礼だとは思いますが、現状のフランス書院文庫のスタンスとしてはそこが安定した売上を確保しつつ、新人を育てていこうということなのかもしれません。日向さんに限らず2017年にデビューされたなぎさ薫さんや水沢亜生さんも比較的早く刊行ペースを上げているのも、かつての「3冊までに重刷」と大事に育ててきた方針からの転換と言えるのでしょう。

2019年も新人さんがデビューしますが、既存の作家さんとともにより官能小説らしさを目指していって欲しいと思います。
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tag : 大学生主人公 童貞 母娘丼 未亡人

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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