FC2ブログ

鏡龍樹『ねっとり熟女 未亡人義母、未亡人兄嫁、未亡人女教師』

鏡龍樹『ねっとり熟女 未亡人義母、未亡人兄嫁、未亡人女教師』
(フランス書院文庫、2018年8月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

兄の急逝を受けて長年想いを寄せてきた有希乃に告白するも、あえなく拒絶されて傷付いた圭祐。その様子を見届けた綾子は残されたひとり息子のために身体を捧げることを決意し結ばれるが、それで自信を付けた圭祐は次に高校時代の担任だったのぞみにアタックする。そして…。


【登場人物】

北條圭祐
19歳の浪人生で現在は予備校に通っている。産まれて間もなく母を失い、5年前には父を亡くしている。更に今度は兄の俊弥まで亡くなるが、有希乃の憔悴振りを見て長年募らせていた想いを告げて失敗する。童貞。

北條綾子
38歳。圭祐とその兄で北條商事の社長である俊弥の義母で、10年前に北條の後妻となったが、夫を5年前に亡くしてからは副社長として支えてきた。圭祐が自分や有希乃に対して女性としての欲情を抱いているのを知り、自ら積極的に関係を結ぼうとする。

北條有希乃
28歳。俊弥と恋愛結婚し二年間北條家で同居してきたが、不慮の事故に遭って夫を失ってしまう。圭祐の気持ちには気付いていたものの、簡単には俊弥のことを忘れられるはずもなく告白を拒絶するが…。

小嶋のぞみ
32歳。圭祐が高校1年生の時の担任で、その年に夫を失ってから現在も独り身である。圭祐が慰めてくれたことに恩を感じ、大人になったらと期待している節が窺える。


【展開】

俊弥の通夜を終えた綾子は控え室から泣きながら飛び出して来た圭祐と、部屋に残って打ちひしがれた表情の有希乃を見て二人の間に何かあったと悟る。同じように夫を亡くした身として有希乃の悲しみは時が癒してくれるはずだと、まずは圭祐を慰めようと夜遅く寝室を訪ねると、参列したままの格好でベッドに横になっているのを見て優しく声を掛ける。何でもしてあげるからと自ら股間の膨らみに触れると、俊弥が早くも欲情の兆しを見せ始め、求めに応じて口唇で精を受け止めてしまう。更に自ら秘所を露わにしシックスナインで高ぶると、正常位で俊弥を招き中出しされてまだまだ出来るでしょと誘い、二度目の絶頂に向かっていくのであった。

数日後香典返しを渡そうと圭祐は一人でのぞみの部屋を訪ねると、三年前に告げた「大人になったら守ってあげる」という言葉が救いになったと聞かされ、綾子と同じように欲情を抱いていると確信し口付けを求める。のぞみがボクサーブリーフの前開きからぺニスを取り出し手で扱き始めたのを見るや、腰を突き出して口腔を犯すように射精すると、寝室に導かれバックでしたいと告げる。のぞみをいっぱいイカせてあげると圭祐は口にし、中出ししたいと了承を得ると彼女の絶頂に合わせるかのように膣奥へ精を吐き出してしまう。

圭祐が綾子やのぞみと密交を重ねていく内に有希乃も流石に何かおかしいと疑いを持つようになり、寝室でのぞみとの関係を知らされた綾子は歓迎した様子で、もっと有希乃を焦らしなさいとことを急がないようアドバイスし圭祐と交わる。しかしその行為を有希乃に知られてしまい、夜遅く圭祐の部屋を訪ねて問い質されるが、彼はことを急ごうと半ば強引に兄嫁の秘所を露わにしてしまう。セックスはしても良いけどもう姿を現さないでとあからさまに拒絶の態度を見せられ、圭祐は謝罪して有希乃を見送るが、残された純白のパンティを見てぺニスに巻き付けながら劣情を吐き出すのであった。

それから二週間後北條家で俊弥の四十九日法要が執り行われ、唯一近親者ではないのぞみを招いた綾子はすっかりギクシャクした有希乃と圭祐との関係改善に繋がればと、圭祐にのぞみと部屋で話をするように勧める。かねてから圭祐には他の女がいると疑いを抱いていたのぞみは綾子を見て確信し、敢えて疑似母子プレイがしたいと提案して積極的に立ちバックでの交わりを誘うと、やはり圭祐と綾子は肉体関係にあるのだと知らされる。そこへ喪服姿の綾子が現れ交わっている二人に手を出して絶頂を見届けると、汚れた肉竿を口に含んで綺麗にし騎乗位で交わる。興奮の極みに達した圭祐は二人を並べて交互に貫き、何度も精を膣奥深く注ぎ込んでいく…。

綾子は圭祐の部屋に来る前に有希乃に30分経ったら呼びに来てと告げており、間違いなく彼女がそのやり取りを聞いていたはずだと聞かされ、圭祐は今日しかないと有希乃に夜這いを掛けることを決断する。圭祐の来訪を受けた有希乃は複雑な表情を浮かべながらも、自分が好きになったら綾子やのぞみとの関係は諦められるかと問い、義弟の望むままに奉仕し騎乗位で受け入れてしまう。中出しされて今度は四つん這いで貫かれ絶頂を迎えた時、有希乃の心のなかで新たな人生を踏み出す覚悟を決めたようで、身体の奥深くで放たれた精液の熱さを実感するのであった。

翌春志望校の合格発表を見て帰宅した圭祐は合格祝いの食事会の準備をする綾子と有希乃に出迎えられ、すっかり北條商事の役員としての貫禄が出てきたと綾子に褒められて有希乃が恥じらう様子なのを見て微笑ましく感じる。相変わらず見られて性交することには慣れていないようで、それでも綾子に促され浴室に向かい一緒に奉仕していると、ちょうどのぞみがやって来たようで短時間で圭祐に貫かれただけで絶妙に導かれてしまう。まだ三人同時でのプレイは未体験なだけに圭祐は食事もそこそこにいつのぞみを抱こうか機を窺っていると、のぞみは悪戯な表情を浮かべここでしましょうかと挑発する始末である。対面立位から駅弁を求める女教師が果てるも、一度出している圭祐はまだまだ余裕そうで有希乃をバックで貫き、最後は綾子へと雪崩れ込んでいく。


【レビュー】

キャリア20年を超える作者の鏡龍樹氏が得意とするヒロイン3人体制はもうお馴染みなのだが、円熟した描写が背徳感を煽り独特の存在を確立している。昨年復活してから既に作品は4作となり、安定して刊行を続けていることから、今後もそれが続けばと願う次第である。

兄嫁の【有希乃】(28歳)に想いを寄せていた浪人生の主人公だったが、兄の急逝に伴い告白したものの時期が悪く拒まれて、それのやり取りの一部を義母の【綾子】(38歳)に見られてしまう。綾子は後妻としてやって来て主人公兄弟や有希乃と良好な関係を築いており、同じ未亡人として有希乃へは時が痛みを和らげると判断し、まずは傷付いた主人公を癒すことを決意する。

綾子としては残る息子を優先した形であり、綾子に促されて主人公は初体験を済ませると、次は高校時代の担任であった【のぞみ】(32歳)にアタックする。主人公の憧れの人は初めは綾子、次にのぞみ、現在は有希乃と変わっており、有希乃にはまだ時期尚早だと綾子からアドバイスを受け、のぞみの自宅を訪ねる。やはり未亡人であるのぞみにも大人になったら守ってあげると言って告白していただけに、当ののぞみも悪い気はしておらずあっさりと受け入れるのだが…。

本命である有希乃とも関係を望む綾子の本意はあまり多く描かれていないため、どうしてもミステリアスな存在に映ってしまう。(これが鏡龍樹作品らしいと言えるのだが)綾子はわざと有希乃のいる前で義理の息子と睦まじいところを見せ付け焦燥に駆らせようとするが、まだ早いと言われたにも関わらず主人公が実力行使に打って出て却って有希乃の失望を得る結果となる。それでも時が痛みを和らげると言うのか、夫の四十九日の晩に漸く結ばれることになり、端から三股を歓迎していた綾子も積極的に絡む結ばれ方である。

ベテランの熟達した筆致というのか、綾子は全体的に本人の心情は抑え目にしてミステリアスさを出し、のぞみや有希乃の場面ではヒロイン寄りの描写としてそれぞれの違いを見せているのはさすがだと思われる。







1995年6月に『熟姉と弟・魔性の血淫』でデビューした鏡龍樹さんですが、一貫しているのは「背徳と倒錯」を題材とした物語性の高い官能作品を提供し続けていることではないでしょうか。









◎まだ誘惑と凌辱のジャンル分けが明確ではなかった1990年代










凌辱作品を手掛けたり、少年愛を題材とした倒錯性の強い作品を出したりとバラエティー豊かでしたね。






◎「三人もの」が定着し始めた2000年代




三人の義姉 (フランス書院文庫)
鏡 龍樹
フランス書院
2012-08-17






「三人もの」の集大成が『三人の女家庭教師【密室授業】』になりますが、編集部発(2007年9月7日付け)でも明かされているように同じ路線が続くことに書き手が別の路線を志望しているのが分かるかと思います。

そして2009年にこの作品で一旦「鏡龍樹としての休業」に入ることとなります。









ここからは管理人の推測込みでの話となりますが、筆が早いことで知られる作者なだけにこれまでにも複数の変名を用いて作品を並行して出されているようです。




若妻【償い】 (フランス書院文庫)
星野 聖
フランス書院
2012-08-17









2000年代初半にデビューした黒澤禅さんは高竜也さんや牧村僚さんとともに、誘惑路線(当時はロマンス路線という方が適切でしょうか)の新書版レーベル「ロマンZ図書館」のラインナップに含まれた新人という触れ込みでした。(ハードXノベルズのロマンス版という立ち位置でしょうか)
2000年代に入り次第に鏡龍樹としては倒錯性を薄めつつあった時期だけに、その倒錯性を受け継いだのがこの名義なのかもしれません。この名義では黒本(フランス書院文庫)でも3冊刊行なさっていますがフェードアウトし、その路線は2005年の町村月(まちむら・ゆい)名義に繋がっていきます。

町村月名義では1冊だけの刊行で、とかく新人の輩出数を競っていた時代だったのもあり、全てが既存作家の変名だとは思いませんが不自然なほどに「1冊だけ」が多かったのは間違いありません。
この頃に「フランス書院文庫~パラダイス~」という黄色い背表紙のレーベルが出た時期でもあります。8冊で何故か新人さんばかり5人というのは…。




※稜だからといって上原稜さんとは関係はございません。
管理人はヒロインの言動から巽飛呂彦さんの変名だと推測します。


その後誘惑路線では新堂麗太さん・巽飛呂彦さん・鏡龍樹さん、弓月誠さん・神瀬知巳さん・秋月耕太さんと二世代体制が確立されたのもあり、新人多産時代は収束へと向かいますが…。

町村月名義のこの作品は女課長の江梨子が部下である主人公に対し、身体というご褒美をぶら下げて徹底的にペットとして焦らしていくのが前半の展開です。但し口や胸や脚を使って射精に導いてあげるものの、必ず自分が出したものだから綺麗になさいと白濁を飲まされることには拒絶反応があるかもしれませんね…。
童焦らした果てに入院先のナースに童貞を奪われてからの江梨子には余裕が失われ、終盤では主従逆転というカタルシスを得られるのが本作の肝ではありますが、この持っていき方がいかにも「らしい背徳と倒錯」なのだと思います。

この二つの名義は明らかに鏡龍樹さんが書いたという筆致であり、「秘所をねぶる」、「六センチくらいのクレヴァス(淫裂)」などが分かりやすいとは思います。多分隠すつもりではなかったとは感じましたが…。

星野聖さんと相馬哲生さんはちょうど作風が裏表の関係であり、星野さんが短編集だと相馬さんが長編、星野さんが誘惑に転じると相馬さんがハードな「力ずく」路線といった具合に展開しています。星野さんが誘惑に転じたのは相馬さんとの住み分けに苦慮した故だと思われますが、誘惑第三世代(弓月・神瀬・秋月世代)や美少女文庫作家世代を意識した作風にしているのが興味深いですね。




【初体験指導】四人の女教師
上原 稜
フランス書院
2014-08-12



刊行時期としては上原さんが後ですが、この両作品とも受ける印象はよく似ています。

「官能の哲人」と称される相馬哲生さんは「力ずく」のタイトルが非常に多いのですが、歪んだ倒錯性としてはやはり1990年代の作風を意識されているような気がします。




「力ずく」のタイトルはここで一旦終了となります。




ジャンルとしては凌辱扱いですが、主人公が言葉巧みに年上女性を口説き落とし関係を結ぶという流れは決して無理やりというものではなく、相馬作品としての新たな方向性を示したのかなと思います。






◎復活に向けて

2013年10月にデビューなさった葉川慎司さんについても、管理人は鏡龍樹さんの変名ではないかと思います。
息子のいる男性と結婚したヒロインが家政婦の瑞穂に家事を依頼し、主人公である少年が瑞穂による筆下ろしを経て、なさぬ仲である義母との交わりを勧めるという流れです。




作品紹介(公式ホームページ)での本文抜粋を見ただけで、「秘所(恥所)」、「(秘裂の)谷間の長さは六センチくらい」、「十五センチくらいのぺニス」など鏡龍樹作品の筆致を感じさせます。

※根拠がイマイチ弱いと思われるかもしれませんが、鏡龍樹作品では主人公の年齢によって一物の長さの描写が「十五センチ」(10代の少年)、「十八センチ」(20代の青年)、「二十センチ」(大人)といった使い分けをされています。余談ですが新刊の主人公は「十五センチ」(18歳)です。淫裂の長さもヒロインの年齢によって違っていますので、これはご本人の拘りだと思います。






とまぁ長くなりましたが、「○年振りの復活」と言いつつも書くことに全く携わらないことはないであろう、だとすればという仮定の話です。仮に相馬さんと葉川さんが並行した変名なのであれば年1作品程度は出しそうな気はしますし、鏡龍樹一本でいくということならばそれも良いのだと思います。作風や名前が違っても好みの表現や展開を用いる方がいて、そこを見い出すことが出来れば読み手としては嬉しい限りですね。
関連記事

tag : 浪人生主人公 童貞 近親相姦(義) 女教師

コメント

非公開コメント

プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

〈リンク・トラックバック〉
基本的にフリーですし、特にお知らせ頂かなくて構いません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
管理人のTwitter