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なぎさ薫『北国の未亡人兄嫁【喪服と雪肌】』

なぎさ薫『北国の未亡人兄嫁【喪服と雪肌】』
(フランス書院文庫、2018年8月、表紙イラスト:丹野忍)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

兄の訃報を受けて帰郷した康介は兄嫁の春香に想いをぶつけるが、そうすんなりとはいかずもう一人の兄嫁の弥生からも誘われるが、初体験に失敗してしまう。やはり初めては春香だと思っていた時、春香も康介の男振りに陥落寸前となっていて二人は結ばれる。


【登場人物】

吉田康介
17歳の高校3年生。中学の日本記録も持つ水泳選手で、現在は都内の大学付属高校に上京し一人暮らしをしており、翌春から大学進学も決まっている。兄の許嫁である春香とは幼い頃からの顔見知りであり、秘かに想いを寄せていた。実家は老舗旅館を営んでおり長男・大介が後を継ぐはずだったが、不慮の事故で亡くなり一時帰郷する。童貞。

吉田春香
35歳。大介と結婚したが、海外で不慮の事故に遭って亡くなっている。実家は地元の名家で呉服店を営んでおり、年下ながらも許嫁という間柄であった。3年前に娘をもうけた際に夫が心因性の勃起不全となり、それ以来セックスレスとなり熟れた身体を持て余す。クリスチャンであり、ミッション系の女子高で英語を教えている。

吉田弥生
23歳。半年前に吉田家の次男・雄介と結婚したばかり。雄介は若くしてIT業界の雄と呼ばれ友人と興した会社を経営し財をなしていたが、遊び相手の一人であった弥生を身籠らせたこともあり結婚に至っている。子どもは死産してしまい、それ以降別の女も囲っていると知り気持ちは離れつつあるが…。雄介と結婚する前はそれなりに男性経験は豊富だったらしい。高校の時まで新体操をしていたこともあり、スレンダーながらも十分すぎるくらいの巨乳でもある。


【展開】

兄の訃報を受けて水泳コーチが渋るのを押し切って帰郷した康介は久し振りに春香や姪と再会するが、何処か誘う態度に挑発されて酔って眠った春香の唇を奪い、目覚めた兄嫁に迫り乳房を見せてもらったところで彼女が理性を取り戻しそれっきりになってしまう。下戸な康介は次の晩も春香にワインを飲まされ眠ってしまい、夢うつつのなかで彼女の口唇奉仕で射精するが、目覚めると夢精の痕跡がなく疑問を抱き始める。

康介は春香に頼まれ暫く実家にいることになるが、淫夢を見た翌日から姪の面倒を見てあげたものの夜になりグズり出し、手に終えぬと弥生に連絡し彼女の家に向かう。やはりお酒を飲まされて良い雰囲気となり、誘われて相互愛撫からいざ合体に挑むも萎えてしまい、初体験を捧げたい誰かがいるのねと慰められる。一方前夜に康介を酔い潰してフェラチオした春香は仕事で徹夜となり、抱いて欲しいと堪らなくなり体調不良を口実に家に帰ると、康介の方から求めるように仕向けてしまう。おしゃぶりの感覚で康介も気付いたらしく呆気なく射精するが、シックスナインで高ぶった果てに正常位で結ばれ中出しする。

翌日姪を保育園に送り出した康介は弥生に待ち伏せされ、彼女の運転する車で高級ジムへ連れて行かれる。康介の振る舞いからどうやら念願が叶ったのだと気付いており、ヨガの授業で鍛えられた身体を見せ付けると、案の定レッスンを終えて多目的トイレに連れ込まれてしまう。今日こそは抱いてくれるのねと念を押しバックで交わると、帰りの道中で夫に別の女がいると告白し意趣返しのつもりだと康介を誘い、コインパーキングに車を停めてカーセックスに及んでいく。

ある日春香が授業参観で使う資料の手直しでどうやら帰れそうもなく、連絡を受けた康介は電話でのやり取りでテレフォンセックスに興じたものの、またも姪がグズり出して再び次兄夫婦の家を訪ねる。今日は次兄もいるようで早々に部屋に引き上げ鼾をかいて寝る始末だが、康介は浮気性の兄に対して苛立ちを感じつつ、客間に通されると弥生の誘いに応じてしまう。新体操の経験のある弥生はY字バランスでの立位での交合を望み夫の存在を意識しながら喘ぐが、翌朝も夫のいるダイニングテーブルの下で康介を足指で挑発し、そのスリルを存分に楽しむのであった。

その後弥生とともに姪を保育園へ連れていったものの、徹夜明けの春香と出くわす形となり、二人の関係に疑いを抱いているのが丸分かりである。それでもラブホテルに連れていってと誘われ、弥生との関係を問い質されシラを切るしかなく、失神させるほどの激しい突き上げをする他にない。姑に頼まれ週末だけ女将としてデビューした春香だったが、男の友人と車中にいたところを康介に見られていたとは知らず、その晩に夫が持っていたセックス指南書のページの内容でプレイしようと誘われる。アイマスクを着けさせられ尻を突き出す格好にさせられると、いきなりヒップに打擲を受けて驚くが、示されたプレイは「スパンキング」であった。康介が嫉妬していると知り不用意だったと恥じつつも、与えられる快感に溺れていく。

康介は次第に弥生と距離を置こうとするが、彼女がそれを許すはずがなくある日の日中に康介を車に連れ込み、会員制の古民家ホテルへ誘うことに。浴室でぺニスを貪り精を吸飲すると、寝室に舞台を移しハチミツまみれになりながらのシックスナイン、バックでの交わりへ発展する。しかし弥生からいずれ康介が東京に帰らねばならないと告げられ、同じことを春香も考えていたらしく、山奥の別荘に泊まりで出掛けることに。他の男に渡したくないと秘毛を剃らせてと康介がねだると、春香も同じようにしたいと康介の陰毛を刈り上げ、互いに無毛となった性器を交わらせていく。

大学へ進学した康介は水泳のトレーニングに身が入るはずもなく、コーチに叱られて部屋に戻ると玄関にハイヒールが並べられているのを見て春香だと喜ぶが、待っていたのは弥生で隠していたAVの性癖を見抜かれてしまう。弥生は次兄の浮気を雑誌にスクープさせ慰謝料をふんだくったようで、AVと同じことをしてあげると求められ無毛のぺニスを晒され何とか言い繕う。ビデオのプレイと同じように四つん這いで前立腺を穿たれ何度も空撃ちを繰り返し、犯されるように跨がられ連続射精を強いられると、賢者タイムが訪れたようで不意に涙を流しながら弥生さんも好きなんだと告白する。二股に苦しんでいる康介を見た弥生は妙案が浮かんだようで、転勤で上京の準備のためにやって来た春香を部屋に招くと…。


【レビュー】

昨秋デビューした作者はまだ1年に満たない内に三作品目の刊行となり、世代交代の著しいフランス書院文庫において新たな核を担う一人として、期待のほどが窺えるように感じられる。これまでの二作が練られた設定に基づくドラマチックな展開と、ヒロインに他の男がいる(その情交描写もある)というところで変化球的なアプローチだったが、本作では主人公の長兄でもある夫を亡くしたばかりの熟兄嫁と、次兄と結婚したばかりの若兄嫁とのシンプルな誘惑官能作品となっている。

・熟兄嫁【春香】(35歳)
年下ながらも主人公の長兄が産まれた時からの許嫁である春香は主人公が幼いときから面識があり、主人公がスポーツ留学していたため夫の通夜が久々の再会となるが、彼女の喪服姿にムラムラと来て…というきっかけはありきたりなものの、春香の方もしばらく没交渉な上に主人公に夫の面影を見付けただけに受け入れる余地は存在する。一度受け入れてしまうと後はなし崩しとは言え、娘のいる母親でかつミッション系女子高の教師という立場もあり、背徳性や恥じらいという面である程度の裏付けとなっている。

・若兄嫁【弥生】(23歳)
若くして成功者となり財をなした主人公の次兄の妻であるが、元々が遊び人体質なせいか弥生自身ハイスペックな美女であるにも関わらず、結婚半年にして既に危ういものとなっている。とは言え弥生も経験豊富なのもあり主人公の持ち物が立派だと分かり、自らリードする形で情交に及ぼうとするが、主人公の想い人が春香だと知って本人の意思を尊重してあげることになる。春香と結ばれてから弥生も関係を持つが、やはり自分が主導権を握りたいというのもあり、夫のいる家での交わりや主人公の後ろを開発するなど基本的には肉食系である。

話の約七割が情交場面であるとともに、節ごとに見せ場を作る方法が得意なのもあるのか、作品全体での雰囲気を味わうという点でデビュー二作よりは若干の物足りなさはある。ドラマチックな設定や捻った展開を敢えて避け、正攻法での誘惑作品を目指した点を評価したいと思うが春香と弥生との対比という点では、もう少し差異を付けると終盤での対面描写がより映えるのかもしれない。
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tag : 高校生主人公 童貞 誘惑作品 未亡人 人妻

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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