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天崎僚介『未亡人兄嫁と未亡人女教師 熟れざかり、みだらざかり』

天崎僚介『未亡人兄嫁と未亡人女教師 熟れざかり、みだらざかり』
(フランス書院文庫、2018年7月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

両親を不慮の事故で失った和輝は兄嫁の桃香を頼り、暫くの間同居してくれることになったのだが、添い寝してくれただけで勃起してしまい手で射精に導いてくれた。次の日には担任教師の亜希子も心配してくれて、家で夕飯をご馳走してくれたが、甘えさせてくれた衝動で抱き付こうとしてしまい…。


【登場人物】

春沢和輝
高校2年生。両親を交通事故で亡くしたばかりで、親戚は北海道にいるため約5年間一緒に暮らしていた兄嫁の桃香を頼り、世話になることに。一年前には会計士の卵である兄も亡くし、兄嫁の桃香も実家に戻っていた。童貞。

春沢桃香
28歳。和輝の兄・将輝の妻で、都内の公立病院の看護師として働いており、昨年夫を亡くしてからは実家に戻っていた。身長162㎝で量感溢れる88㎝Eカップのバストが特徴的。亡き夫である和輝の兄は元々病弱で、入院した折に桃香と出逢い結婚に至ったが子どもはいない。

南條亜希子
33歳。和輝の担任で英語を教えており、生活指導も担当しているためかイマイチ華やかさに欠け、銀縁メガネを掛けていてより厳格そうに見える。元来生真面目な性格で過去に生徒といさかいを起こしたことから、敢えて華美に見せまいと振る舞っているだけで、実際は優しく美しい女性である。二年前に亡くなった夫はラガーマンで精力に溢れた男性だっただけに、性生活はかなり淫らなものであった様子。


【展開】

和輝から両親の急逝の報せを受けて桃香は彼の待つ警察病院へ向かうと、やはり憔悴し切った様子で葬儀一切が終わっても相変わらず危うい状態であることから、一緒に春沢家の実家で暮らすことに決める。しかしそう長くは仕事を休む訳にはいかず、夜勤の前夜に浴室で和輝の背中を流すと、添い寝してあげることになる。息苦しさで目覚めた和輝は桃香の豊乳に抱き締められていることを知り、乳房だけでなく太ももにも指を這わせようとするが、桃香に気付かれそれはダメだと制される。しかし彼女に取っては悪い気分ではなく、甘えて来る顔付きが亡き夫を思わせ、可愛いと思う気持ちを抑えられずに手扱きで射精に導いてしまう。

翌日から登校し始めた和輝はサッカー部の練習を終えると亜希子に呼び止められ、今晩は桃香がいないから外食で夕飯を済ませると言うと自分の家に来なさいと誘われ、普段から恐いと思っていた女教師の優しい一面を知る。桃香が葬儀で見掛けた亜希子を「美人」だと評していた通り素の彼女は女らしく、それが却って和輝の劣情を誘いつつ、ふと亡くなった両親の話に涙を見せてしまい抱き寄せられてしまう。衝動的な行動に出た和輝を拒み気まずくなって帰ろうとしたのを見て、外は大雨で亡き夫との別れの夜を思い出し、押し問答の末に亜希子は引き留める。そして和輝を受け入れる覚悟を決め、早射ちながらも約三年ぶりの情交で彼女も絶頂する。

亜希子の部屋に泊まりそのまま学校に向かい、自宅に帰った和輝は家に桃香がいて驚いたものの、何とか言い訳をして外泊したことを誤魔化そうとする。長らく頼りにされてきたという自負があるだけに、桃香は一夜にして和輝が女の身体に臆することがないと微妙な変化に気付き、背中を流してもらうと膝枕してと甘えて来た瞬間を絶好の機会と捉える。太ももや乳房に好きなだけ甘えさせると、次第に和輝も図々しくなりぺニスにキスしてくれたから、今日は口で愛して欲しいとまで要求して来る。まさか女教師と…というのがどうしても現実的には思えず、和輝のぺニスに奉仕するとお返しに秘所を愛撫してくれるが、その巧拙さ加減にすっかり翻弄されてしまう。和輝は童貞だと信じ込みながら桃香は義弟を跨ぎ、若茎を受け入れていくのであった。

亜希子が自分を避けるようになったのを訝った和輝は、土曜日の放課後に校門で待ち伏せし声を掛けると、流石に観念したようで夕食をご馳走するからと誘われる。途中で買い物に付き合うとそれまでとは一変し、腕を絡ませる仕草を見せてきたためにまた抱けるチャンスはあると期待して亜希子の家に向かう。彼女もまた和輝の性体験は自分だけだと思い込み、キスを迫られて始めてのつもりで交わしたが、やけに手慣れた様子なのに疑問を抱きつつも少年に身を委ねていく。シックスナインの最中にふと和輝はすぼまりに興味を抱き触れると、思っていた以上にヨガってしかもアナルセックスの経験まであると知り、自分もしたいと激しいピストンでイかせた後に後ろでも交わってしまう。
しかし亜希子は近所の住人に和輝を見られたことを気にしてお泊まりは許してくれず、和輝はそのまま一人の家には変えれないと夜勤中の桃香に連絡を取り勤務先の病院に向かうと、桃香は空き病室に招いてくれた。流石にセックスは出来ないと拒む桃香に拝み倒した果てに、何とか立ちバックで交わった和輝はありがとうとお礼を言い、兄嫁を絶頂に導いたことに満足するのであった。

月曜日の下校時に再び亜希子にアタックし今度は和輝の家に招き、思い付くままに対面立位や駅弁、果てには屈曲位で女教師を絶頂へ導いたが、和輝のそんな二股生活も長くは続かない。次の日に桃香が亜希子が作ってくれた夕飯の残りが冷蔵庫にあるのを不審に感じ、緊急の呼び出しがあるからと情事の途中でお預けにし明日も夜勤だからと罠を仕掛けて立ち去る。予想していた通り欲求不満の和輝は水曜日に亜希子を部屋に連れ込んでおり、桃香はこうも罠に掛かってくれるとはと二人の行為をドアの隙間から見守っていたが、和輝の口からアナル性交の話が出ると驚いた拍子に部屋に飛び込んでしまう。
糾弾されると身構え謝罪した亜希子をよそに、桃香は意外にも二人で面倒を見ましょうと提案し、和輝も叱られると覚悟していただけに安堵するだけならまだしも調子に乗り始める。桃香がシャワーを浴びたいと浴室に向かうと和輝は亜希子の手を引いて誘い、桃香には対面立位、亜希子へは立ちバックと経験したことのないスタイルで交わり二人を絶頂させる。二人も調子に乗り過ぎだと玉舐めと竿舐めで反撃するが、性欲に駆られた少年はまたしても桃香と亜希子を貫き中出しすると、満足したようで疲れに委ね女体に並んで横たわるのであった。


【レビュー】

交通事故で両親を失ったばかりの主人公は甘えん坊で高校に通う次男という設定だが、親戚筋が離れた地域に住んでいて兄嫁の【桃香】(28歳の看護師)に頼ることになる。桃香もまた一年前に夫(主人公の兄)を病気で亡くしており、死別をきっかけに主人公の家を出て実家に戻っている。かつて同居生活をしていた折に桃香を心の拠り所としていただけに、両親の葬儀の晩に甘え手での慰めを得るところから話は始まっている。

もう一人のヒロインである【亜希子】(33歳)もまた夫を二年前に失っているが、元来の生真面目さもあって生活指導を担当しており、主人公からすれば恐い先生のように映っている。しかし女の勘というものなのか葬儀で初めて顔を合わせた桃香は「綺麗な人」だと評し、その予感が的中し主人公と結ばれることになる。主人公も含め近しい人を失っての悲しみがフラッシュバックし情交に溺れていくのは、確固たる理由があってのもので近年の誘惑作風とは一線を画すかのようである。

桃香は病弱な夫との慎ましやかな情交、ラガーマンの夫がいた亜希子は激しい肉交とそれぞれの性体験を対比させる描写となっており、主人公からの「おねだり」の果てに結ばれるプロセスを丁寧に綴られていて好感を持てる。主人公もまだまだ甘えん坊そのもので、初心な振りをして二人と交互に結ばれていくが、最後には露呈し大人にやり込められる流れである。本作では「ふともも作家」の作風を意識なさったようで、「膝枕」に拘った場面も少なくなく、現在のオールオーケーなハーレムとはまた一味違う懐かしさを感じさせる作品となっている。




7月のフランス書院文庫の誘惑作品のレビューはひとまず終わりです。まだレビューしていない作品のレビュー記事はもう少しお待ちください。


7月のラインナップが天崎僚介さん、水沢亜生さん、日向弓弦さんとまだキャリアの浅い方であり、それぞれが読者として影響を受けてきた作家さんの作風に沿った作品を書かれているような印象です。

「十年一昔」とはよく言ったもので、ちょうど十年前の2008年のフランス書院文庫だと、誘惑系は神瀬知巳さん、弓月誠さん、秋月耕太さん、巽飛呂彦さんなどが活躍されていた時期です。(されていたは不適切かもしれません。現在もそれぞれの分野で活躍されていますよね。)

天崎僚介さんの作品はデビュー当時から読んでおり、「西門京さんの作風を思わせる」とレビューしたように思います。フランス書院公式で偶然にも「西門京、牧村僚がお好きな読者におすすめ」と紹介されており、意識的に復古路線を進み続けているのかもしれません。

そこで管理人が感じたのは「変わらない部分」をアピールすることも大事だけど、やはり「変わっていく部分」も見たいよねということです。天崎さんは恐らくこのお二方ではないでしょうし、懐かしいだけでなくこういう引き出しもあるのだよというのも見てみたいです。再生産なだけではいつか飽きてしまいそうというのは私の勝手な意見ですし、「○○さんみたい」はあまり良い褒め方ではないのかもしれませんね。

最近のフランス書院文庫作品を読んでいて、もやもやと感じていたことを書いてみました。売り手も書き手も読者を意識し過ぎずに、「これだ!」という尖ったものも是非見せていただきたいというのが私の本音です。
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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