FC2ブログ

西条麗『部下の若妻と美熟妻 単身赴任の蜜夜』

西条麗『部下の若妻と美熟妻 単身赴任の蜜夜』
(フランス書院文庫、2004年4月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

支店の営業部長に昇任したものの実質的には左遷された丹藤は、単身赴任生活を始めてから一度も妻が訪ねて来ないことに寂しさを感じ、ホテトル嬢の美紅と情事を繰り返していた。しかし美紅は部下の妻だと知り一度は関係を清算しようとするが、ズルズルと引き摺ってしまう。そんななか地元の熟妻・真紀や女子大生の瞳美とも親しくなっていき…。


【登場人物】

丹藤和也
45歳。東京が本社の食品会社の営業課長だったが、社内闘争には興味がないのに常務の誘いを断ったために金沢支店の営業部長になり、実質的には左遷された形である。学生結婚した妻と息子と娘がいるが、ワンルームマンションで単身赴任となっており、一度も訪ねて来ないのを寂しく感じている。

岸本真紀
39歳。金沢にある水産会社で働いていたが、職場結婚した夫は東京支社に赴任しており、しかも東京出身の夫はマザコン気味で実家で母親と暮らしているのを楽しんでいるらしく同伴を断ったらしい。子どもはいない。たまたま視察で訪れたデパートで真紀とぶつかり、持っていたワインを割ったことがきっかけで親しい間柄となる。

美紅(小谷久美子)
29歳。身長158㎝の体重46㎏のスリムな身体付きで、美紅と名乗りホテトル嬢(今でいうデリヘル嬢)のバイトをしていたが、実は丹藤の部下の小谷課長の妻である。小谷が社内の若手社員と浮気をしていた腹いせに自らも男を求めていたのだが、丹藤のことは全く知らずに逢瀬を繰り返していた。子どもはいない。

結城瞳美
20歳の女子大生。実は小谷を左遷させた常務の娘で、お金で娘の歓心を買うことにしか能のない父に幻滅し、わざと一人暮らしを始めたようである。暴漢に襲われそうになり助けてくれた丹藤を父親のように慕い処女を捧げたが、美紅同様に丹藤の素性を知らぬまま親しい関係となっていく。


【展開】

美紅とラブホテルで逢瀬を繰り返していた丹藤は、ある日視察に訪れたデパートの地下売り場で真紀と肩がぶつかってしまい、持っていたワインを割ったお詫びに別のものを買い与えて謝罪する。しかし数日後同じデパートにやって来ると、真紀が待ち伏せしていたようで、いただいたワインは高級すぎるから差額をお返ししたいと申し出を受ける。丹藤は固辞するもならば夕食をご馳走しますと一歩も退かないのをみて、こんな美人とともにするならばと応諾し、まだ不馴れな北陸の街を案内してくれることまで約束させられる。そして迎えた休日に真紀が白川郷まで車で走らせると、見知らぬ観光客から夫婦に間違えられ満更でもないと思いつつ、昼食で彼女の境遇を聞かされ自分と似た者同士だと意気投合する。

数日後残業で夜遅く退社した丹藤は駐車場で暴漢に拉致されそうになっていた若い女を見掛け助けてあげるが、偶然にも娘と同じ「瞳美」と聞かされ親近感を覚えるも、助けてくれたお礼をしたいと部屋に招かれそうになり危機感がないと声を荒らげて叱り別れる。翌日目の前で小谷が過労で倒れ丹藤が業務を代行するも三日で音をあげてオフィスを抜け出し、美紅を呼ぼうとしたが彼女は祖母が危篤でいないらしく、別の女とのセックスで満足してしまう自分に美紅への愛情とは何だったのかと自信が揺らぐ。そして小谷から明日から出社すると聞いて安心したものの、その帰りに妻を連れた小谷に声を掛けられると、何と美紅は小谷の妻・久美子であった…。
なに食わぬ顔で夕食に誘う美紅に丹藤はしどろもどろになりながら断るが、翌日美紅から逢いたいと連絡を受けて約束の場所へ向かうと、さすがに小谷に悪いと関係の解消を申し出ようとする。しかし美紅より女の勘だけれども夫には別の女がいるはずだから気にしないでと告げられ、丹藤も端から断る気などなく再びセックスに溺れていく。相変わらず真紀とはプラトニックな関係のままデートを重ねていくが、ある日仕事を終えた丹藤の目の前に瞳美が現れ一緒にお酒を飲もうと誘われ、酒量が多かったのか彼女が酔い潰れ部屋まで送る羽目になる。悪い予感が的中し瞳美に誘われ純潔を奪うこととなるが、実は酒豪だからこの程度で酔い潰れることはないのと告げた瞳美の小悪魔ぶりに、丹藤は引き返すことは出来ないと腹を決めるのであった。

瞳美と関係を持ったことで一応は罪悪感を抱きつつも、丹藤は香林坊のシティホテルに部屋を取ると、エッチなことに興味津々な瞳美とシックスナインになり中年男のねちっこい愛撫を堪能させる。そして小谷が東京出張となったある週末、丹藤は美紅に誘われ片山津温泉に泊まりに来るが、瞳美から携帯メールの打ち方を教わったことを思い出し、アナログ女だと自嘲する美紅を見て小谷はデジタル男なのではと想いに耽る。容姿や気立ての良さでは美紅に劣るはずなのに、若い部下に溺れる小谷を意識しながらも、丹藤は美紅ともしっぽり情事に浸っていく。

初秋を迎えたある日真紀とともに料亭に入ろうとした丹藤だが、支店長の案内で店に来ていた結城常務とバッタリ出会してしまい、更に瞳美の姿を見て彼女の父が常務だと知る。さりげなく丹藤の妻ですと切り返した真紀の気遣いに感謝しつつも、やはり丹藤も戸惑いを隠せずにいたが、食事を済ませて街に出ると今度は小谷夫妻とも顔を合わせてしまう。関係する女たちに妻だと紹介する心苦しさもありながらも、どうせ女房は金沢には来ないのだからと丹藤はニヤニヤし、現地妻である真紀とカラオケを楽しむ。
瞳美に探りを入れようと誘いに応じると案の定彼女はそれほど気にしている様子でもなく、寧ろパパが嫌いな者同士で気が合うねと疑似父娘プレイを求められるが、丹藤は嫌いな常務の娘を犯していると考えると興奮に駆られいつもより激しく腰を遣ってしまう。翌晩美紅からも誘われ綺麗な奥さんなのにと言われるが、丹藤は美紅に軍配があがると答え彼女の激しい口戯で果てたものの、時間を置いてから二回戦へと突入する。
美紅との情事を済ませると何と娘から連絡があり、週末を一緒に過ごしたいと金沢に来ることを告げられるが、仕事を終えた丹藤が部屋に帰ると瞳美が二人もいていつの間にか仲良くなっていたことに驚きを隠せない。娘がお姉さんと呼んで瞳美を慕うのを見て、丹藤は真紀を妻と偽ったのがバレるのを恐れて妻と会ったことは言わないでと出任せを言いながら口封じには成功したが、当の娘は母親のいる前では味方になれなかったけど…としおらしい態度を見せ甘えられてしまう。

結局年末年始も丹藤は自宅に帰る気になれず、山中温泉に宿を取ると瞳美とともに年を越すことになった。瞳美も帰省しないようで常務夫妻を心配したが本人は気にも留めていないようで、コタツの中で脚を絡められて姦り納めのつもりで抱くが、瞳美はもっと淫らなことを企んでいるらしい。年越しまであと15分という折りになって突然瞳美から家族風呂に誘われ、萎えたままの陰茎をしゃぶって奮い立たせると、窓枠に手をついて二年越しのセックスを求めて来る。無事新年一発目の発射を済ませたものの、瞳美は姫初めは布団でね…となおも淫らな誘いを仕掛けて来るのであった。

金沢赴任から一年が経ちようやく約束していた能登旅行を真紀とすることになったが、丹藤はこのところ彼女が浮かぬ表情を浮かべていたことが気掛かりでならない。輪島まで車を走らせると真紀の同級生と再会し、彼女の夫が営む寿司屋で昼食を済ませて更に北端に向かうと、真紀から夫に他の女が出来たらしいと告げられる。しかも妊娠していて義母も喜んでいるようだが、真紀に悲壮な様子はなく吹っ切れたように窺えた。その晩宿に泊まると丹藤は真紀との情事を期待していたが、案の定彼女の方からモーションを掛けられる。互いに連れ合いがいるのに…と念を押すが、真紀は会社の部下や常務の娘とは違って…と丹藤の浮気を承知している様子。やっと二人が結ばれたが真紀は呼び捨てにはしないで欲しいとあくまでも一線を守るつもりで、そんな彼女の気遣いに丹藤は感謝する他にない。

真紀と結ばれてから他の女との逢瀬を控えて来たものの、ある晩瞳美に誘われ部屋を訪ねると、いつもより激しく求められ騎乗位で果ててしまう。美紅との逢瀬も久し振りで何で連絡が付かなかったのと詰られるが、小谷の浮気を確信しても別れるつもりはない、今のままで良いと告げられる。そんなある日娘から連絡があり瞳美が上京して母親の手料理を味わったと聞かされ愕然とするが、賢い瞳美だけに逢瀬の時には何も言わなかったのだから真紀の存在を黙認してくれたのだと納得する。通い妻のように丹藤の部屋を訪ねて来る真紀から激しく求められ、その愛撫に思わず美紅のようだと錯覚するが、やはり真紀もすぐに離婚には踏み切らない様子である。丹藤は三分の一ずつの愛をどう表現したものか迷ったが、今だけは目の前の女を一生懸命愛するまでだと開き直り真紀を抱くのであった。


【レビュー】

2004年の作品というのもあり誘惑的なアプローチながらも、情交描写自体はあっさり目という仕上がりである。左遷される形で地方に単身赴任生活を始めた主人公は45歳の男で、ホテトル嬢と繰り返し逢瀬を続けていたが、地元の熟妻や一人暮らしの女子大生とも関係を持ってしまう。しかもホテトル嬢は部下の妻で、女子大生は常務の娘というのを始めは知らない状況であり、これが物語に良い意味でのスパイスを与えている。

熟妻の真紀と部下の若妻である美紅(久美子)には夫がおり、瞳美には確執を持つ父親の存在がある。それぞれに自分に近い男性に複雑な感情を抱いている。主人公に取っては真紀の夫とは直接の絡みこそ無いものの、美紅の夫は直属の部下で瞳美の父親は上司という立場であり、職場の社員との浮気を知るのと左遷においやった憎しみの両方が存在する。こうした絡み合った人間感情を読み取っていけば、本作の官能面での不足を補うのには十分なものではないかと思う。
関連記事

tag : 壮年主人公 人妻 処女

コメント

非公開コメント

プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

〈リンク・トラックバック〉
基本的にフリーですし、特にお知らせ頂かなくて構いません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
管理人のTwitter