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一柳和也『理性崩壊 兄嫁と姪姉妹』

一柳和也『理性崩壊 兄嫁と姪姉妹』
(フランス書院文庫、2017年8月、表紙イラスト:川島健太郎)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

妾の子として苦汁を飲まされて来た経験のある和志は、義理の兄の後を継いで父の会社を継いだ彩奈に支援を行うのと引き換えに、自分の婚約者になることを要求する。和志の目的は義兄や父親が大事にしてきた彩奈とその娘の優奈や絆奈を汚すことで、あらゆる手段を使って凌辱し孕ませていく。


【登場人物】

和志
30代?父から義兄へ継がれた上場企業の苦境に付け込み、現在の代表である彩奈に身体の提供と代償に支援に応じると不謹慎な関係を強いることに。同業の会社を経営し手を回して兄嫁の会社を追い込んでおり性格も相当に歪んでいるが、その原因は妾の子ということから兄やその母親から苛められ、見て見ぬふりをした父親にも複雑な感情を抱いていたからである。190㎝100㎏の巨漢で体臭もきついが、いわゆる巨根の性豪で女の扱いには長けている。

彩奈
38歳。和志の義理の兄と20歳そこそこで知り合い結婚し二人の娘をもうけている。夫を亡くしたばかりで会社を引き継ぐことになるものの、経営の素人でしかも社内はワンマン社長のイエスマンばかりでたちまち経営に行き詰まってしまう。和志の妻になることと引き換えに会社の経営権と株式を手離す。

優奈
21歳の大学4年生で学業優秀だが、父のコネだけは避けようと就職活動に励んでいる。彩奈の長女。引っ込み思案で人見知りするようで正直就職活動自体は上手くいっていないが、そこに目を付けた和志がインターンとして招き入れ慰み者にされてしまう。処女。

絆奈
高校1年生。彩奈の次女で姉ほどは頭が良くないことにコンプレックスを抱いており、甘えの表現として反発する態度を見せることになる。寄宿舎のある学校のため母や姉が和志の毒牙に掛かったと知るのは夏休みになってからである。処女。

麻理子
和志の秘書でインターンからアルバイトとなった優奈の教育を担当するが、和志の愛人の一人で後々子を宿すことになる。和志を満足させるだけでなく、後輩の秘書たちをレズプレイで手なづける術も心得ている。


【展開】

1000億円の手形決済が焦げ付きそうになり、社長に就任したばかりの彩奈は夫の通夜の晩にすがる思いで控え室に泊まった義弟の和志に助けを求めるが、ならば自分の婚約者になれと厳しい態度を崩さない。夫の会社の優秀な社員を引き抜きじわじわと締め付けを図った企みが成功した晩だったが、和志はここぞとばかりに彩奈を躾けてやると告げ、少々手荒ながらも兄嫁を犯すことにする。剥き出した陰核に媚薬を打ち自慢の巨根で貫き中出しすると、汚れたベニスを口で清めろとイラマチオさせ、翌日の告別式では喪服姿の彩奈を襲い、今晩から自分の家で寝泊まりするように告げる。

和志の目的は亡くなった兄や病に倒れた父親に復讐するために彩奈と二人の姪をメチャクチャにすることで、初七日のころには彩奈が犯されることにすっかり従順になり満足するが、それでも貞淑であろうとすることから堕とすことだと決め兄の仏壇の前で犯し抜く。四十九日を迎えたその日の晩妊娠の兆候を迎えた彩奈に亡き夫との想い出を黄金聖水で汚させ、念のため妊娠検査薬で受胎を知らせると、再び仏壇の前で彼女を押し倒し後ろの処女も奪ってしまう。

就職活動中の優奈は紹介されたインターン先が叔父の会社で、教育係の先輩たちと飲んでいて酔い潰れたらしく、目を覚ますと教育係と叔父がいてモニターで母が犯されている姿を見て愕然とする。母を助けたかったらと関係を迫られるが、躊躇している間に教育係が鞭打たれるのを見ると恐怖で逆らう気にもなれず、拘束され薬を塗られて秘書たちが和志に犯されるのを見させられた後に純潔を奪われる。即決で優奈を秘書室配属に決めた和志は、その翌日彼女の秘所に淫具を仕込み、更に浣腸のお仕置きをして目の前で排泄させ理性を奪っていく。その仕上げとして出張先で後ろの処女も奪われた優奈だったが、いつも性交の時には麻理子も一緒で、「お姉さま」が孕まされると夢想しながら和志に跨がり受胎願望を露わにする。

彩奈は相変わらず和志に抱かれる日々を送っていたが、二人の娘にだけはこの関係を知られてはならないと怯えていたものの、優奈との対面を果たして一時的に理性を取り戻す。こんな男から離れなさいと告げるが既に娘も和志の子を宿しているらしく、二人で競い合うように奉仕をするうちに絆奈も捧げることを決意する。夏休みで帰省した絆奈もまた睡眠薬を仕込まれ、目を覚ますと和志の手先となっていた母の妊娠を知り、しかも遅れて帰宅した優奈までも子を宿していると聞かされる。媚薬を塗られて絆奈もまた処女を失うが、流されるままに母や姉と共に和志に犯される日々を重ねていくうちに次第に理性を保てる時間が短くなっていき…。

彩奈をモノにしてから1年が経ち娘が産まれたが、優奈や絆奈と父親の違う姉たちもまた和志の子を孕んでおり、お腹の子に響いてはと膣内セックスを自重していた。亡き兄の家が取り壊されていくのを見届けた和志は自宅に帰ると、三人がレズプレイに明け暮れていたことを看破し、優奈に続き絆奈の後ろの処女も奪うのであった。


【レビュー】

フランス書院官能大賞の最終選考からデビューに至った作者による三作目は、これまでの暴走少年によるスピード感溢れた作風とは異なり、兄嫁に対する執着を持った大人の主人公による凌辱作品である。亡くなった兄や病で第一線から退いた父親に対する復讐を誓い、大事にしてきたもの(兄嫁やその娘たち)を手折ることで満足感を得ようとする分かりやすい構図であるが、別の作品でも触れたように既にこの世に無き者(義理の兄)に対し復讐を果たしたところで充足を得られるとは思えない。だからこその父親の存在ではあるが、終盤で数行触れただけであり、結局は主人公の自己満足に過ぎないのであろうか。

兄嫁彩奈に対する調教が本作の前半で占められており、会社の資金繰り難に付け込んだという一面はあるにせよ、官能描写の濃さは評価したいところである。ただ彩奈に対する偏愛ぶりが示されたかというとそうではなく、結局は満たされることのない亡き義兄や父親への復讐のための道具としての扱われているようだし、しきりに「孕ませる」ことに拘るその理由がはっきりと示されていないので評価を落とさざるを得ない。

優奈・彩奈に関しても元々毛嫌いされていたので致し方ないところだが、女たちと媚薬を使ったプレイが似てしまっており、やはり手段の一つに過ぎないのだと感じてしまう。(主人公の容貌が巨漢で体臭もきついという点、性格が歪んでいる点で共感は得にくいとは思うが)嫌いな男に性的な虜にされ堕ちていくという点は彩奈と酷似しており、一人くらいは主人公に好意を抱くヒロインにしても良かったのかもしれない。

これまでの二作品と比べると文体がやや硬めであり、もしかすると一昔前の凌辱作品のテイストを意識したのかなと感じさせた。2017年デビューの千賀忠輔氏もそこを意識したいとのインタビュー記事があったので、今後はこうしたハードボイルドな凌辱作風を目指していくのかなと思われる。作中で時間の経過や状況の変化が食い違う部分が見られたが、出だしより続く大言壮語な描写からも分かるように、「細かいことは良いから、流れに身を委ねなさい」という意気込みを評価したい。





本作を読み終わったのは少し前となりますが、レビューがすっかり後回しとなってしまっており、この時期にアップしたのはちょうど良いかなと思うことが続いたからです。




レビュー記事はこちらです。

柊悠哉『理性瓦解 兄嫁と姪三姉妹』
(2018年5月、表紙イラスト:赤尾真代)

柊悠哉さんの方は単に「攻略対象を一人増やした」というだけではなく、主人公を高校に通う少年にしたことも大きな違いです。どちらも凌辱作品であり勢い重視なところもありますが、管理人の個人的な好みとしては柊さんの方に軍配をあげたいところで、ヒロインの心理描写を深く掘り下げているからです。題名が似てしまったところで(というよりは似せてきたというフランス書院側の意図を感じさせますが…。)、後に刊行されただけに少々割を食ってしまったような印象です。


一柳和也さんの以前の作品のレビュー記事でも触れたように、現在のフランス書院文庫の売れっ子の一人である榊原澪央さんの作風を模倣し過ぎなのではと指摘しました。管理人が榊原さんの過去作品にちょうど興味を持った時期でもあり、「貞操を捧げた夫が浮気していると知り、ヒロインたちが主人公に溺れることへ前向きになる」点や、「疑似産卵プレイ」などの調教描写が用いられていたことが気になったからです。

本作を読んでからはこうした疑念は薄れてきており、ご自身の作風を確立しつつある段階なのかなと感じた次第であります…が、ここに来てちょっと気になることが起こり始めています。

榊原澪央『高慢女上司【全裸勤務】』
(2017年11月、表紙イラスト:赤尾真代)




「偉ぶる女ほど、すぐ濡れるってのは本当だな」
デスクに手をつき、開いた股間を覗かれる美咲。
顎でこき使い、パワハラを繰り返す女上司に、
男の面子を潰された部下が牙を剥いた!
オフィスで裸身を晒し、ピストンによがる27歳。
人妻課長、女社長、秘書……三匹の淫らな社畜!




一柳和也『全裸出張【高慢美人上司】』
(2018年7月、表紙イラスト:赤尾真代)




「出張の間、あんたは私の性奴隷になってもらう」
女上司の頭を押さえつけ、フェラ奉仕させる悪魔部下。
宿泊先のホテルで、高速バス内で、取引先との接待中に、
性調教され、理性とプライドを砕かれる女たち。
逆転した主従関係、目覚めはじめる隷従する悦び。
女社長、美人課長、優秀社員……恥辱の全裸勤務!



余談ですが…

榊原澪央『高慢女上司を奴隷メイドにした七日間』

※2018年8月刊行予定

ここ最近何度も繰り返していますがタイトルの「使い回し感」が窺える実例の一つであり、これは作者さんに非のあることではないとは言え、もう少し何とかならんものか…そう感じた次第です。2,000冊も刊行されているとなかなかこれはというのが見付けにくいのも分かりますが、「使い回し」による既視感で「これは読んだね」とスルーされてせっかくの商機を失う可能性があるかもしれないとは思いますね。
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tag : 社会人主人公 母娘丼 姉妹丼 凌辱作品

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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