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望月薫『溺れ母・溺れ姉・溺れ女教師』

望月薫『溺れ母・溺れ姉・溺れ女教師』
(フランス書院文庫、2018年6月、表紙イラスト:佐藤ヒロシ)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

父と再婚した朋香に惹かれていた亮介は、ある日朋香が和室で拭き掃除をしながらオナニーしているのを見付けてしまい、自分に気があるのだと知って淫らな命令を出した末に親しい関係となる。亮介に対して同じように被虐願望を抱いていたのは副担任の奈緒も同じで、二人を牝犬呼ばわりし愛玩していたが、ある日実姉の麻衣までも彼女たちと同種だと知り…。


【登場人物】

結城亮介
16歳の高校1年生。10年前に実母を亡くして以来父と姉の麻衣と暮らしていたが、朋香を新しい母に迎えるのに伴い、新居に建て替えたばかり。身長175cmで痩身だが肩幅が広く鍛えた身体付きに、中性的な魅力を秘めた美少年。オナニーは覚えているが女性経験はないが、朋香に対して強い性的欲望を抱いている。

結城朋香
32歳。5年前から結城と付き合っており、結婚を機に亮介や麻衣と同居を始めることになった。両親は既に亡くなっており、これといった身寄りもないのでここが居場所だとすがっている節も窺える。身長163cmでDカップのバストでスタイルが良いが、夫とのセックスにイマイチ馴染めずにいた。

中川奈緒
22歳の新米教師で亮介のクラス副担任で、結城姉弟が所属する剣道部の顧問。実務的には老師匠がおり、未経験者の奈緒は名ばかりの存在である。身長158cmにバスト88cmの巨乳で、値踏みするような男性教諭からの好奇の視線に嫌悪を抱いている。男性経験はない。

結城麻衣
18歳の高校3年生。亮介の実姉で女子剣道部のキャプテンでもある。身長は朋香より低く胸も控えめだが、実母に似た黒目で整った容貌の美少女で後輩からの信頼も厚い。朋香が新たな母になることには抵抗もなく、寧ろ大人の女性としての憧れすら覚えている。弟を男として見ていないせいか家ではノーブラで過ごし、亮介の欲情を誘っているとは気付かない。処女。


【展開】

新居に移り子どもたちとの同居生活を始めたばかりの朋香は、息子の亮介が時折見せる牡の視線に決して嫌な気持ちを持てずにいた。夏休みも近付いたある昼下がりに亮介が期末考査を終えて帰宅したのを知り、朋香は和室の掃除を口実にして庭で竹刀の素振りをしていた息子の視線を感じている内に高ぶり、遂にはオナニーで絶頂気絶するほどだった。
ある日朋香は下着一式が無くなっているのを知り亮介の部屋を探ると、机の下に隠していたのを知ってからより一層彼を意識するようになり、リビングで出会い頭にぶつかりそうになりめくれたスカートの中を覗かれたと思い拒絶の態度を見せる。亮介から和室で痛めた足の手当てをするからと申し出があり連れていかれるが、スマホで撮影した動画を差し出し誘っているのと言われ、なす術もなく女体を露わにした末に自ら陰核に触れ絶頂気絶する。

意識を取り戻すと亮介が濡れタオルを持って来ていて汗ばんだ身体を拭いてくれたが、発情した身体の火照りは収まらずに女性上位のシックスナインで亮介のぺニスを含んで飲精し、タオルで股間を綺麗にすると早くも一物は復活し始める。行き着くところまでいかねば身体の疼きは止められぬと朋香は自ら亮介に跨がり、近親相姦を冒してしまう。
亮介の残した書き置きには牝犬呼ばわりされた上に下着着用禁止としたためられており、朋香は拒めるはずなのにそれを受け入れてしまう自分に羞じらいながらも、亮介と共にデパートへ買い物に付き合わされる。屋上の立体駐車場からエレベーターで下っただけで他の客に見られていると火照り出し、ひと気のない階段の踊り場で露出命令に屈し、更にペット用の首輪を与えられて期待を抱き始める始末である。そして駐車場へ戻ると早速と言わんばかりに首輪を付けられ、車の後部座席でご褒美という性交に応じてしまうのであった。

この春から剣道部の顧問になった奈緒はかねてからクラスの教え子である亮介を気に掛けていたが、夏休みに入ったある日姉の麻衣との生活はどうなのかと興味本位で結城家に向かって自転車を走らせる。しかし激しい夕立に遭い亮介にバッタリ出会し、結局雨宿りさせてもらい朋香と話をしていて亮介が心を奪われるのも分かると納得するが、次の日にお礼に改めて伺うと何とリビングに面した窓から亮介が朋香を貫いているのを見てしまい、自宅に引き返すと自分が亮介に犯されているのを想像しながらオナニー漬けの週末を過ごす。
月曜日に剣道部の練習が終わった後で奈緒はお礼の品を渡したいと進路指導室に来るよう亮介に告げたが、込み入った話があるからと人のいない教室で会いたいと返され、約束の時間になって訪れる。朋香からだという手紙を渡され読んでみると相姦を認める内容で、用件は済んだからと退出しようとして亮介から誘っていると指摘され、話をするうちに罠に絡め取られていく。奈緒は教え子に言われるがままに乳房や秘所を露わにし、外で練習している運動部の生徒に見られそうな状況でオナニーアクメしてしまう。

並べられた机の上に横たわり処女を失った奈緒だったが、剣道部の合宿が終わる翌週の火曜日にコンビニで逢おうと言われて拒めないどころか、何をされるのだろうと甘い期待を抱く。待ち合わせ場所から夜の公園に車を走らせるとそこはデートスポットで、イチャイチャしているカップルたちを尻目に、暗がりに連れ込まれ秘所を晒しながら亮介の一物を口唇奉仕する。回りには見物客がおり賑やかになってきたので駐車場へ戻ると、ベンチで後ろの穴をくじられた上にアナルセックスにまで応じ、すっかり亮介の牝犬へと堕ちていく。

一方朋香は亮介に手紙を渡した日にワイシャツから奈緒の残り香を感じ取っていたが、先生も首輪を所望している、仲間が増えたねと言われて拒むことが出来ない。今日は何をしてくれるのと首輪を着けて亮介の元に向かうと、後ろ手に縛られ玄関で剥き出しの尻を付き出した格好でいるよう命令される。暫くして配達員が訪ねて来てロックを解除されたドアを隔てて居留守を強いられ、すっかり発情したのを見抜かれると、リビングでシェーバーを使って飾り毛を剃られてしまう。
そこへ訪ねて来た奈緒は全裸のままの朋香に招き入れられ、牝犬の証である首輪を亮介から受け取ると、朋香と同じようにと望み剃毛された後で用意した玩具を差し出す。朋香も加わっての前後の穴責めに奈緒はあられもない声を挙げ、朋香もご主人様にイラマチオを求められ、三者三様に絶頂を迎えるのであった。

ある日麻衣は自室でパソコンを使っていたがブラウザの具合が悪いようで、亮介のを使おうと部屋にやって来て端末を起動させたが、デスクトップに朋香と奈緒の名前が記されたフォルダを見付けてしまう。興味本位でファイルを開くと二人の狂態が動画に収められており、手早くUSBにコピーすると自室で眺めながら弟に犯される自分を想像しながらオナニーし気を失っていた。マスターキーを使って亮介が侵入していたことに気付いた時には既に遅く、被虐願望を見抜かれ秘所をねぶられながら肛穴を弄られてしまうが、亮介はお仕置きを受けたいと望むならばと書き置きを残していた。
夜になり麻衣は亮介が庭で竹刀を振っているのを見て果たし合いを申し込み、端から自分が勝つつもりなど無いことに気付き、弟の牝犬になることを決意する。それでも亮介はおねだりするまで何もしないつもりでいるらしく、麻衣に求められて庭で露出するよう命令し用意していた首輪を付けさせ、口唇奉仕で白濁を飲ませてしまう。尿意を催した姉を犬のように扱い用を足させると、粗相の始末も主人の役目だと告げ麻衣の純潔を奪うのであった。


【レビュー】

前作『午後2時の禁戯 隣人妻と叔母が溺れるとき』(2008年8月)より9年10ヵ月振りの復活であるが、復活するのにあたり作者の既刊を数作拝読した上でのレビューである。(それまでは残念ながら、望月作品を読んだことはない)
「約10年の沈黙」からの復活となった背景として、ここ近年フランス書院文庫にて鏡龍樹氏や夏月燐氏など2000年代に活躍なさった作家が相次いで復活されたこと、また最近デビューされた作家が影響を受けたのもほぼこの時代であることや、近年続いてきたハーレム路線に対する反動なども一因なのではと思われる。

望月作品の場合「恥ずかしい」を「羞かしい」で表記を統一していること、主人公の心理描写を一切排していること、ヒロインが辱しめを与えて欲しいという被虐願望を抱いていることが大きな特徴である。主人公は高校1年生で剣道部に所属し、2年上の実姉も女子剣道部のキャプテンで、名ばかりの顧問が新米教師という状況で父の後妻を迎えたところから話は始まる。
メインである義母【朋香】(32歳)は結婚を機に主人公や継娘の【麻衣】(18歳)と同居を始めたが、夫に抱かれることに満足しきれずにいたところ、義理の息子(主人公)から向けられる牡の視線に欲情を覚え始める。胸の谷間や太ももをちら見せするなどエスカレートしていく中で、遂に主人公からの凌辱を受けるのだが、一方的に犯され続ける訳ではなくあくまでもヒロインがマゾ性を認めてのものである。(ここが望月作品らしいところと言える)

主人公も初心な割には早い段階から朋香のマゾ性を見抜いており、以降も顧問教師の【奈緒】(22歳の処女)や実姉の麻衣に対してもほぼ同じスタンスで迫り、「牝犬」呼ばわりをしてペットのように愛玩していく。そのキーアイテムとして「首輪」が持ち出されており、愛玩するからには一方的に犯し抜くだけではなく、粗相をしてしまったペットの面倒もみてあげる一面もあって不思議な味わいである。

・朋香:ノーパン生活、デパートの立体駐車場でのカーセックス、奈緒に見せ付けてのリビングでの性交

・奈緒:夏休みの教室での性交、夜の公園での露出・後ろでの交わり

朋香と奈緒との対面儀式を経て、主人公が手出しをして来なかった麻衣が真相を知り、秘めていた弟への想いが露呈して自ら牝犬扱いを志願するのが第六章である。朋香や奈緒には二章ずつ、二人の対面儀式で一章分使ってということもあり、オマケ扱いの面も否めない。メインとサブで濃淡が付くのは致し方ないとはいえ、実姉弟という最も背徳要素の強いところなだけにちょっと勿体ないような印象を抱く。

・麻衣:弟の秘密を覗き見た「お仕置き」、牝犬志願の為に夜中の庭での性交

各章ページ数もほぼ同じで、調教要素の強い情交の手順もほぼ同じというところに、作者としては「変わらない部分」を強調したいのだと感じられた。しかし個人的には「約10年振りの復活」なのだからこそ、「変わっていった要素」をアピールして欲しかったのでそこは残念である。





以前の記事でも触れたように約10年振りとなる望月薫名義での「復活」な訳ですが、個人的な感想としては「望月薫であろうとする」ことに終始なさった印象が窺えました。10年前の作品の流れをそのまま踏襲しようというのが分かりましたし、「羞かしい」を多発する割にちっともそうは見えない感じで、興が削がれてしまったような気がします。主人公の亮介の心情に全く触れない、あくまでもヒロイン目線を貫こうとするのは分かりますが、「こなしているようで熱意が感じられない」ということです。






ここからは更に踏み込んだ話になります。望月薫名義での刊行が約10年振りとなる訳で、ではその間はどうなさっていたのかと考えますと、やはりフランス書院文庫での別名義でご活躍されていたのではと思います。

その可能性としては(前の記事をご覧の方ならお察しが付くとは思いますが)、「森一太朗」さんではないかと感じました。




2008年6月 森一太朗氏がデビュー





2008年8月 本作を最後に望月薫氏が休業





2017年2月 現状での森一太朗氏の新刊





2018年6月 望月薫氏復活




近年の森一太朗作品も何かを変えたい、でも結局はいつもの通りという葛藤が窺えて。ここでリセットしたいと考えてのことでしょうか。あるいはそういうオーダーなのかは正直分かりませんが、やたらに「牝奴隷」(望月作品ならば「牝犬」)と口にし暴君に豹変するナイーブな主人公像や、被虐願望を抱くヒロイン像は何処か被るものがあります。(くどいようですが、的外れな指摘かもしれません)望月薫名義を復活なさったのであれば、森一太朗名義ではまた誘惑作風でトライなさって欲しい、デビュー作品はそれだけのインパクトの強い作品でしたので期待したいです。
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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