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音梨はるか「全員“彼女”【クラスメイトの母娘と義母】」

音梨はるか「全員“彼女”【クラスメイトの母娘と義母】」
(フランス書院文庫、2018年4月、表紙イラスト:川島健太郎)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

クラスメイトの沙耶の自転車が壊れているのを助けた修也は部屋に招かれると、朝起きる前に見た淫夢に現れた女性が彼女の母親の円香と瓜二つであるのを知って驚く。更に娘のためにと手解きまでしてくれたのだが、彼女は同級生の母親めぐみまで巻き込み淫らな関係を繰り広げていく。


【登場人物】

修也
高校3年生。幼いときに産みの母親が亡くなり、公務員の父親と二人で暮らしている優しい性格の少年。クラスメイトの沙耶のことが前から好きだったが、帰り道で彼女と一緒になり部屋を訪ねた日に母親の円香と親しい関係に陥ってしまい…。

稲垣円香
42歳。沙耶の母親で夫と別れ娘と二人で安いアパートで暮らしていて、決して生活環境は豊かとは言えず、昼間のパートに夜は友人のスナックでのホステスと掛け持ちをしている。修也が沙耶を好きなのを見抜きつつも欲情を覚え、更に同い年の娘がいて店の常連でもあるめぐみを修也に紹介し、性的な関係に引きずり込むのだが…。

浜崎めぐみ
42歳。大学教授の夫とは再婚だが独占欲が強いようで、秘毛をパイパンにすることを強要させるなど、夫婦仲はそれほど良いとは言えない。また義理の娘である佐保里とも折り合いが悪いようで、それでも夫の収入でリッチな生活ができるからとかりそめの生活を送っている。後に離婚を決意し修也の父と再婚の意思を固めるが、その理由は…。

稲垣沙耶
修也のクラスメイトで学校一とも称される高校3年生の美少女。母娘二人の生活で家賃の安いアパートに引っ越して来たばかり。あけすけな言動の多い円香とは何だかんだ言いながらも仲は良く、自分のために忙しく働いているのを申し訳なく感じてはいる。修也のことが好きで抱かれても良いとは思っているが、両親のSMチックなセックスを見て以来性行為には恐れを抱いたまま。処女。

浜崎佐保里
修也や沙耶と同じクラスの高校3年生で、クラス委員を務めていて普段は生真面目でぶ厚いメガネを掛けた読書好きな目立たない少女。しかし家庭では父と再婚しためぐみに馴染めずに、夜毎金髪のウィッグに派手なメイクをして男遊びに励んでいるようだが、学校では常に優秀な成績を収めているので誰もその二面性には気付いていない。


【展開】

三学期が終わり下校する際に沙耶が乗っていた自転車が壊れたらしく、修也は家まで送っていくとアパートの前にやって来たが、お茶でもと誘われ彼女の部屋に入る。すると出迎えてくれた沙耶の母親の顔を見たなり、今朝見た淫夢に出て来た女性と瓜二つで、会ったことも無いのにと驚きを禁じ得ない。円香と名乗るその女性は沙耶にビールを勧めるほど仲が良いようで、酔って沙耶が寝てしまうと修也に迫り自分の顔を見て驚いた理由をしつこく尋ねてくる。そして奥の寝室に誘うといずれ娘の処女を奪うのだからと告げ、修也の勃起を晒すと口唇奉仕し、口に溜まった精液を見せ付けてから嚥下してしまう。

円香は娘の恋人の童貞を奪うことに若干の心の痛みを覚えたものの、沙耶にも自分と同じ淫らな血が流れていると言い聞かせ、次の日の午後に修也を部屋に呼ぶと乳房や秘所を露わにして女体レッスンを始めてしまう。秘所へのクンニが思った以上に上手いのをみて天性の才能だと感心し正常位でぺニスを受け入れると、早射ちを避けられたようで久し振りの性交に溺れてアクメを迎える。

春休みを終えて進級した修也は久し振りに会った沙耶の反応が素っ気ないことにがっかりしつつも、体育の授業を終えて机の中に「稲垣」と記された手紙を受け取り放課後の教室で待っていると、何と円香が女性を連れて現れる。見知らぬ女性が佐保里の母親のめぐみと知るが、円香がセックスの話を悪びれることなく話し始め嫌な予感を覚える。やはりめぐみも性に飢えているらしく、しかも義娘の佐保里と上手くいっていないと聞かされ、初めは渋々だった修也も立ちバックでの疑似母子プレイに溺れていく。数日後書店での買い物を終え修也は近道しようと夜の繁華街を歩いていて金髪の女性と衝突するが、実は佐保里で口止めと引き換えにラブホテルでセックスしてしまう。

目眩く体験を重ねても沙耶への想いが募るばかりで、修也は熟女二人に誘われ浜崎家へ向かうと、浴室でヌルヌルになりながら乳首と後ろの穴を弄られ射精してのぼせてしまう。そして寝室のベッドで小休止を取り体力を回復させると、円香が用意したアダルトグッズを使い未体験のめぐみにピンクローターで喘がせ、その隙にと円香に跨がられて二度目の射精を迎える。なおも熟女たちの淫欲は尽きないようでめぐみがアナル用のローションに興味を持ったのを見て、円香は修也に後ろでの性交もしたいでしょ?と唆す。アナルをローションでほぐし初めはコンドームを着けて交わったものの、修也も乗ってきたようで生での肛交に切り替えて中出しするが、二人はまだもの足りずぐったりする修也をよそに双頭バイブで交わってしまう。

そんな饗宴からひと月が過ぎたある日、修也は父親から突然再婚する予定だと聞かされ、しかも相手が浜崎との離婚を決めためぐみだと知って驚きを隠せない。実直な父親ではなく明らかに自分との性交が目的だと修也はおののくが、父親が用があって外出し二人きりになると、自室が見たいとめぐみに言われ部屋に入るなり大胆にも今日はどっちでしたい?と誘われる。めぐみの本性を知っただけに修也も拒むことは出来ず彼女をバックにして押し倒し、卑猥な言葉を次々と吐き出しながら彼女の反応を楽しみ中出しする。

めぐみの大胆さに感心しながらも円香はなかなか修也と逢うことが出来ず、夜の仕事を終えると沙耶が眠れずに横になっているのにも気付かずにオナニーを始める。数日後やっと修也と二人きりで逢える日を設定するとラブホテルへ連れていき、コートを脱ぎ捨てると娘のセーラー服を着た姿を披露する。めぐみに対抗するには沙耶をダシに使うしかないと考えたらしく、案の定修也は目を輝かせながら沙耶の体臭の染み付いた夏服姿のめぐみを抱き、馬乗りパイズリや凌辱さながらに荒々しく犯すなど都合四発も放ってしまう。

そして修也との逢瀬を何度か交わしたある日やっと少年から沙耶を抱きたいとの言葉を引き出すと、円香は自分との関係を継続させると約束させた上で再び自宅に修也を招くことにする。飲み過ぎた振りをして沙耶を挑発するような言動を繰り返した末に、円香は酒を買いにいくと告げ二人きりの状況を作ったものの、部屋に戻ると沙耶が痛がったようで失敗に終わったと知る。手の掛かる娘だとなじりつつも萎えた修也のぺニスを咥えて勃たせると、今度こそはと正常位での挿入に成功させ、安全日だから中出ししてもOKとまで告げた円香。その顔は最早母親ではなく一人の女として娘ですらライバルと見なしているようで、競い合うように口唇奉仕し騎乗位になって修也に跨がる。沙耶ももう処女ではなく果てた母親と替わりあられもない声を挙げているが、修也は今度めぐみも交えて三人でしたいと新たな欲望に目覚めるのであった。


【レビュー】

「第19回フランス書院文庫官能大賞」の最終選考に残った作品をブラッシュアップしたものが本作であり、そのタイトルの通りヒロイン全員が「淫ら」で高校に通う主人公に対してあけすけなまでに誘惑を仕掛けて来る展開がメジロ押しである。

・円香(42歳)
夫と離婚し高校に通うひとり娘がいるが、クラスメイトである主人公が自宅を訪ねて来たときに性欲を持て余しているのを見抜き、いずれは結ばれるであろう娘のために手解きをしてあげることに。とは言え別れた夫に開発された身体の疼きに堪えられず、主人公を巧みに導き淫らな展開へと持っていくのだが…。

・めぐみ(42歳)
スナックで働く円香に取っての常連客で同い年の娘がいる保護者として共感を抱く仲でもあるが、独占欲が強い夫の後妻で更に血の繋がりの無い義娘との関係に悩みを抱えている。円香の紹介もあり主人公と倒錯した義理の「母子プレイ」に興じるが、円香に取って誤算であったのは本当の「母子」になるためにめぐみが大胆とも言える行動に打って出たことである。

【クラスメイトの母娘と義母】というサブタイトルの通り二人の熟女ヒロインが主人公を巡って取り合いになるが、円香は娘(沙耶)のためという大義名分があり、表面的な家庭生活を送っているのに過ぎなかっためぐみは主人公の「義母」になるために行動に打って出てくる。いずれも欲望には忠実すぎるとも言えるくらい淫らな本音を次々と発するのだが、個人的には本作の少年主人公が見せたのと同じようにあまりにもオープン過ぎて「引く」ところも感じた次第である。(そんな熟女ヒロインたちの振る舞いを面白い!と思えた読者ならば星の数は増えると思う。)

円香には沙耶、めぐみには佐保里という娘がおり、前者は母親と仲の良いマドンナタイプ生娘で、後者は複雑な家庭環境に嫌気が差して学校での生真面目キャラとは全く別の一面を持っている。娘たちとの情交場面も勿論用意されていて、円香に付いては主人公の本命ポジションなだけに終盤で見せ場を持たせている一方で、佐保里とは一夜限りの刹那的なものとなっている(しかも唐突とも言える展開)。官能小説デビューの新人さんとして淫らな描写自体は及第点なのだが、そこを繋ぐ展開や心理描写としては結論ありきでややぎこちない部分も見られたので、この点に関してはもう少し熟考する余地があったのではなかろうか。






フランス書院文庫は新人発掘に積極的で、2018年も2月から5月まで連続して新人作家が誕生しています。

2月:霜月航
3月:日向弓弦(第19回官能大賞特別賞)
4月:音梨はるか
5月:九十九魁(第20回官能大賞新人賞)

※敬称略

マドンナメイト文庫も新人発掘に積極的な方ですが、どちらかというと既存作家の別名義の印象が強く、竹書房ラブロマン文庫は基本的に他社でも活躍されている作家の方が多いです。(5月にはフランス書院文庫で活躍されている梶怜紀さんの新刊が竹書房ラブロマン文庫で刊行されますね。)個々のレーベルの方針によるところですが、フランス書院文庫は作家さんの出入りが多いように感じます。3冊、10冊、20冊と節目に当たる数を刊行されると、次はないのではないか…、もう読めなくなるのではと危惧することが多いです。新陳代謝も良いのですが、好きな作家さんが長く活躍していただけることを望みます。

本作は第19回フランス書院文庫官能大賞の最終選考まで残った作品をブラッシュアップなさった作品のようです。

『マドンナ同級生と淫熟母』

王道の誘惑ものだが、〝王道〟とは何かをわかっていて、実際に描ける人はいそうでいない。特に少女・沙耶の母親が仕掛ける誘惑シーンはすばらしかった。キスをしながら少年に手コキをする描写は、五感をフルに使い、官能度を上げていた。少女以上に熟女描写が巧みなことは最大の武器になるだろう。
著者は凌辱と誘惑、どちらも書けるようだが、誘惑系を書くことをすすめる。ちなみに女性側の仕掛けのセリフが得意な人は誘惑小説が、ドSな男側の、女性をねちねちといやらしく責めるセリフが得意な人は凌辱小説が向いているようだ。
惜しむらくは、ほぼ少年視点だったことだ。言うまでもないが、三人称の魅力は視点を変換できることにある。女性側(特に熟女)の視点も読んでみたかった。心情(かっこを使った表現)自体も、終盤にいくに従ってどんどん減っていくのが気になった。


「第19回フランス書院文庫官能大賞、結果発表」(公式ホームページより引用)



講評で指摘された熟女の心情描写は確かに見られるのですが、ここまであけすけでなくても…というのがあり、管理人がAmazonレビューで星を減らした理由です。欲しいのは主人公のぺニスだけという違和感を抱いたのです。まぁ本音はそうだろうけど円香ならば沙耶の恋人を寝取る背徳感や、めぐみならば夫の息子と交わる倒錯性があって良かったかなとは思います。情交に至るまでを繋ぐ話もちょっとぎこちなく、そんな違和感を拭うまでには至らなかったと思います。その辺りを次の創作に繋げていただければと…。
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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