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相馬哲生「新妻狩り、隣人妻狩り、エリート妻狩り」

相馬哲生「新妻狩り、隣人妻狩り、エリート妻狩り」
(フランス書院文庫、2017年9月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

大学2年生の慎司はミスキャンパスの未玖に恋心を抱いていたが、友人から心理学講師の御子柴の裏ゼミを紹介され、教わったナンパ術を駆使して弁当店でパートしているみゆきを口説きベッドインする。続いてセレブ妻の優月とも楽しんだが、他のゼミ生はとっくに本命ゲットしていたと知り、遂に未玖と結ばれる。しかし真面目な慎司はゲーム感覚でナンパすることに疑問を抱き始め、卒業試験としてエリート官僚を夫に持つ講師の櫻子を標的にするが…。


【登場人物】

大守慎司
20歳。聖欧大学に通う2年生。何処にでもいる平凡な大学生だが女性経験はなく、友人に誘われて御子柴が主宰する裏ゼミに参加してナンパのテクニックを教わり実践に移していく。

小嶋みゆき
32歳。慎司がよく通う弁当店でパートをしている。システムエンジニアの夫と1年前に結婚したばかりで、家計の足しになればとパートを始めたらしい。若々しくて人懐っこい性格で、一見すると20代後半くらいに見える。

高森優月
30歳。大手企業で受付の仕事をしていたが、ベンチャー企業を経営する夫に口説き落とされ結婚、現在はひとり娘がいる。夫婦仲は良好だが現状に何処か物足りない様子で…。

真田未玖
22歳。聖欧大学のミスキャンパスに選ばれた美女で、自分が中心というわがままな所も窺えるが他の男たちと違い、慎司が自分に強い興味を抱かないことに対して意地になり交際を申し込んでくる。

橋本櫻子
34歳。聖欧大学でフランス語を教える非常勤講師。夫は外務省に務めるエリート官僚で忙しく、櫻子自身彼以外の男性経験はないために、愛情なのか単に人柄に尊敬しているのか分からなくなっている。校内ではミスパーフェクトと呼ばれ、ナンパ男たちを完膚なきまでに理詰めで叩きのめしている。

御子柴和馬
40~50代?の聖欧大学で心理学を教える非常勤講師。モテないと自認する学生たちを募り、心理学を応用した女性の口説き方をレクチャーしている。会話そのものをゲーム感覚で楽しんでいる節があり、性交自体はその延長上と考えているようで特に悪い人物ではなく、単に教え子たちを思ってのことらしい。また校内の女性たちに決して手を付けないことも自らのルールとしているようである。


【展開】

ミスキャンパスの会場で慎司は友人に思わず一度で良いからああいった美女としてみたいとぼやくと、待ってましたとばかりに友人は御子柴の名刺を取り出し、ナンパの裏ゼミが開かれるバーの場所を教えてくれる。非モテだと告白するみたいでと慎司は躊躇うが結局は付き合うことになり店に向かうと、参加している学生は本当に普通の学生っぽく、暫くして御子柴が遅れて到着しゼミが始まる。一同が彼の巧みな話術と人柄に引き込まれる中、御子柴は初見だからと断った上で論より証拠だと女性バーテンダーを15分以内に口説いてみせると豪語し、案の定携帯番号をゲットしてくる。学生たちは御子柴のゼミの受講を決め、与えられた課題をクリアすべく行動に移す。

慎司は身近にいる女性として弁当店でパートしているみゆきをターゲットに選び、近くで交通事故があったみたいと話のきっかけを作り、支払いの時に万札を千円札にすり替えるマジックを見せて興味を惹かせる。連絡先を教えてもらい頻繁に電話で話すようになると、最初のデートでは動物園に連れて行き、二回目はイタリアンレストランでランチを取った後にラブホテルへ向かう。ここまでは御子柴のアドバイス通りだが童貞の慎司はセックスの経験が無いことを悟られぬよう、敢えてみゆきに強気な態度を崩さずに気持ちよくしてあげると言葉巧みに迫っていく。シックスナインの後に正常位で交わりみゆきが中出しを認める返事を受けると、膣奥深くに白濁を注ぎ込みまだしたいと抽送を再開する。

御子柴の二度目のゼミで事の首尾を報告した慎司は自分が抜きん出ていると確信していたが、型に嵌まっているような違和感を拭えず疑問を口にすると、では次は高ランクの女性を口説いてみたらと新たな課題を与えられる。慎司が目を着けたのは近くの公園に娘を連れてよく出入りしている優月で、娘が興味を惹くようにシャボン玉を大きく膨らませる研究をしていると話し、さりげなく名前と連絡先を聞き出す。翌日公園で娘の見ていない隙に優月の唇を奪い次のデートの約束を取り付けると、ランチを済ませてからラブホテルへと連れ込むことに成功する。みゆきと同じように優月も火遊びくらいならと考えているようで、慎司はわざと彼女の夫を引き合いに出しながら口唇奉仕させ、シックスナインで高めた後に正常位で交わるが調子に乗って中出ししてしまう。

三度目のゼミではゼミ生全員が顔を揃えたが、御子柴から人妻に中出しするのはルール違反だと諭され、しかも他のゼミ生たちは既に目標の女をゲットしていると聞かされ焦りを覚える。未玖を落とす自信があるのならやってみなさいとアドバイスを受け、慎司は早速彼女たちのグループに家庭教師を探していると声を掛けるが、わざと未玖だけには興味がないような素振りを見せる。彼女が食らい付いたところでフォローの言葉を掛けてあげたり、からかったりと押し引きを繰り返したところで焼き肉デートへ誘い、その帰りにとっておきのワインがあるからと自室へ誘うことに成功する。気の強い性格の割にウブな反応を見せた未玖にも相互奉仕へ持ち込み、避妊具を装着しての性交で彼女を絶頂へ導くが、慎司は彼女を満足させねばと思いつつも空しさを感じずにはいられなかった。

御子柴の四度目のゼミで慎司はナンパ術がゲーム感覚で何かズルしているようだと疑念を抱き、そう感じたならばもう卒業して良いレベルに達したから、卒業試験は自分が最も苦手とする女を口説きなさいと課題を出される。慎司は感覚的に苦手な櫻子がナンパ男を叩きのめしているのを知っていただけに、ありったけの理論武装を整えてからフランス文学に付いて教えて欲しいと声を掛ける。案の定櫻子に好意的に迎えられて彼女と度々話すようになるが、ある日彼女が「夫を愛しているかは分からないけど尊敬はしている」と欲情のサインを口にしたのを逃さず、ならば自分で試してみますかと誘うと応諾してくれた。ラブホテルすら行ったことのない櫻子の反応を見てまずは岩盤浴を勧め、リラックスしたところで入浴衣を脱がせるように仕向けていき、クンニやフェラチオすら知らない櫻子に教え込む。櫻子から入れてと言わせて正常位で抱き今度は彼女を上にして騎乗位で絶頂へ導くと、慎司は正常位に戻し中出しの情動に駆られるが、寸前でぺニスを抜き白い下腹に発射する。

数日後御子柴と二人きりで会った慎司は、櫻子からたまに逢いたいとその気にさせて旦那さんに悪いかもと顛末を報告するが、御子柴は櫻子は大人なんだから都合が悪くなれば自分から身を退く筈だと返す。櫻子まで落とすなんてもう自分には教えることなどないと誉められるが、慎司は御子柴の領域に近付きたいからもっと教えて欲しいと頼み、次からは講師として裏ゼミに参加することを応諾するのであった。


【レビュー】

『力ずく』の題名でお馴染みの作者の最新刊はタイトルこそ「(人妻)狩り」で公式のジャンル付けも「凌辱」扱いなのだが、実際のところはモテない大学生の主人公が心理学の講師からナンパ術を教えてもらい、近所に住む人妻たちを誘い身体の関係を結んでいく流れなので明らかなジャンル違いである。凌辱作品にありがちな「イヤっ、ダメっ」というヒロインの叫びなどある筈もなく、新妻、セレブ妻、エリートの妻とミスキャンパスの女子大生の四人が主人公に興味を抱き、羞恥の言葉に恥じらいを感じながらも情交に及ぶので明らかに誘惑作品と言えよう。

相馬作品の前作『隣りの席の女【無理やり姦係】』とほぼ同様に各章に登場するヒロインたちは互いに面識はなく、終盤まで1章1ヒロインの体裁である。主人公は講師の教えに従い、新妻(みゆき・32歳)、夫がベンチャー企業の社長であるセレブ妻(優月・30歳)と与えられた課題に沿った人妻をナンパの対象として落としたが、その真面目さが災いして他のゼミ生たちはとっくに本命をゲットしてしまっていたのである。

出し抜かれた形の主人公はここで本命のミスキャンパスである未玖(22歳)を攻略するが、ここでも真面目な性格が出てしまい、ゲーム感覚でナンパを楽しむことに疑問を抱き始める。卒業試験として高嶺の華であるエリート妻(櫻子・非常勤講師の34歳)を標的に定めた主人公だが、意外なほどに性的な知識のない彼女に教え込んでいきながらも、最後は彼女の方がのめり込む結末が描かれている。

題材として面白いところに着眼したなと感じる一方で、残念なのはあまりヒロインの設定に作り込んだところがなく、しかも情交場面では「言葉で恥じらいを与えながらも」口唇奉仕→相互奉仕→性交というパターンが繰り返されているのが気になった。未玖を除いた三人の人妻をメインテーマにするのは分かるのだが、あらすじの「美しい人妻たちを、口説いて、奪って、堕として、手なずけ、操り、調教し、ベッドで服従を誓わせる!」に期待するとかなりの肩透かしを食らうかもしれない。現状の何処かで人妻たちはもの足りなさを感じていて、主人公の甘い言葉に魅せられて「火遊びくらいなら」と抱かれるからである。新妻なら抵抗が強いだろうから強気に、エリート妻ならプライドが高いので主人公が奉仕に徹するなど、もっとメリハリを付けた方が良かったのかもしれない。
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tag : 大学生主人公 童貞 人妻 不倫

コメント

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No title

90年代っぽい感じですね
他のレーベルの小説っぽい
むしろ御子柴に掘られそうな気がするw
寝取られとか托卵って教えられて出来るものじゃないようなw
20からだとちょっと遅い
エリートだと小学生からだからなぁ

Re: No title

はるさん

にゃらです。コメントいただきありがとうございます。

>90年代っぽい感じですね
>他のレーベルの小説っぽい

私も本作は90年代~00年代前半の黒本にありがちな背徳と倒錯を題材にしたのかなと感じました。一竿でヒロインを次々に抱いていく、そんなテイストは竹書房ラブロマン文庫やマドンナメイト文庫の匂いを思わせます。

これはあくまでも個人的な憶測の域を出ない話ですが、作者の相馬哲生さんは鏡龍樹作品の影響を強く受けているなと感じまして、至るところに鏡作品の雰囲気を思わせるのです。鏡作品はまさに背徳と倒錯を主題とされていますしね。


>むしろ御子柴に掘られそうな気がするw

作品の趣旨からすると御子柴は何かやりそうな人物ですね。ただナンパをゲームのように楽しむのを是としており、主人公が抱いた女性を寝取ることはしませんし、人妻に中出しはルール違反としている真っ当な人物のようです。これはフランス書院文庫での寝取られは、あまり人気にならないのを配慮したからなのかもしれませんね。
プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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