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葉月奏太「誘惑ショッピングモール」

葉月奏太「誘惑ショッピングモール」
(竹書房文庫、2017年5月、表紙イラスト:大柴宗平)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

地方から上京した大学生の幸太は彼女が欲しいと一念発起し、出逢いを求めてショッピングモールのたこ焼き屋でバイトを始めたばかり。早くも向かいのアパレルショップの店員である麻衣に一目惚れするが、そんな青年に性的な興味を抱いた熟妻の苑美に誘われ、未亡人の景子に求められ、若妻の姫香とまで関係を持ってしまう。そして麻衣に告白する機会が訪れたのだが…。


【登場人物】

吉成幸太
20歳の大学2年生で進学を機に東京都西部の比較的大きな街で暮らしているが、引っ越しのアルバイトで女性との出逢いを果たせずにこの夏休みからはショッピングモールのフードコートにあるたこ焼き屋で働き始めている。年上のお姉さんに憧れ筆下ろしをしてもらうのが夢だが、今のところその機会はなさそうである。童貞。

木谷麻衣
26歳でモール内のアパレルショップで売り子として働く綺麗なお姉さん。セミロングの黒髪にスラッとした体型で一見清楚そうに見えるのだが、独身生活を謳歌したいと敢えて恋人を作らずにセックスフレンドと倒錯的なエッチを求めている。幸太が一目惚れしてしまうが、勿論そんな一面は知る由もなく…。

杉下姫香
23歳の若妻でドーナツショップで働く溌剌とした明るい女性。童顔に巨乳というアンバランスさもあるが、気さくで幸太にも親しげに話し掛けて来るので異性というよりは歳の近い友人という関係である。夫は長距離トラックの運転手で不在がちなのもあり、苑美たちと組んで若いアルバイトの男の子と遊ぶことがある様子。

垣内苑美
30歳で寝具売り場を担当する肉感的な肢体をした人妻。幸太と入れ替わりで辞めていったバイトの先輩によると、若いアルバイトを相手に筆下ろしをしてくれる「童貞キラー」であり、事実仕事で不在なことが多い夫に隠れて浮気を楽しんでいるようである。

小岩井景子
34歳でショッピングモールで働く未亡人。商社勤めの夫を5年前に亡くし保険金で裕福な生活を送るが、もて余した時間(と熟れた身体)を満たすために働いているらしい。苑美を通じて幸太をつまみ食いしようと自宅へ誘い、大人の関係を楽しむことになる。


【展開】

バイトを終えた幸太は姫香に誘われて大衆居酒屋でご馳走になるが、そこで苑美がいたことに甘い期待を抱きながらも童貞だと白状させられて恥ずかしさのあまりに自棄酒で酔っぱらってしまう。姫香と別れて苑美に介抱を受けたらしく幸太が気付いた時には、ラブホテルの一室で屹立した一物を咥えられていて、あっという間に騎乗位で童貞喪失を果たしてしまう。流石にこれはおかしいと幸太が苑美に訪ねると、姫香に協力してもらってこういうことを楽しんでいるとあっさりと告げられ、しかもモールの中にはそんな女性も少なくないと聞かされては唖然とするしかない。そしてある人に会って欲しいと頼まれ、断ることも出来なくなっていた。

苑美と結ばれた翌日惣菜売り場で景子に声を掛けられた幸太は今度自宅に招いて食事を作ってあげるからと誘われるが、こんな綺麗な人からなんてと社交辞令と思い込みその場を引き上げる。そしてバイトの休日に苑美から予定を空けていてと言われて夕方を迎え、喫茶店で会って欲しい人がいるからと連絡を受けて向かうと、何とその相手が景子で以前話があったように自宅で夕飯をご馳走になることに。しかも今夜だけ亡き夫の代わりになってと頼まれては断れるはずもなく、浴室で背中を流してくれた上に手扱きで射精に導かれる。そして寝室に移動し正常位で交わろうとするも、まだ二回目ということもあってなかなか思うようにいかないながらも目的を果たして満足に浸るのだった。

しかしそれから一週間が経っても苑美や景子から誘われることはなく、これが大人の関係なんだと幸太はがっかりする。そんな中ある日の夕方に惣菜売り場に向かう途中で麻衣を見掛けて後ろ姿だけでも目に焼き付けたいと後を追うと、何と見知らぬ男性客が彼女に近付いていて身体を撫で回しているのを目撃するが、何とか勇気を振り絞り男を振り払うことに成功するものの彼女がろくに抵抗を見せないことには疑問を抱かざるを得なかった。数日後バックヤードで休憩していた幸太は姫香に話し掛けられ、未亡人を武器に景子も男漁りをしていると聞かされた上に、姫香自身も一度幸太の巨根を味わいたいと誘ってくる。即尺してきた姫香に驚きながらも臨戦態勢にあった幸太は対面立位で交わり、人目につくスリルを味わいながらも中出ししてしまう。

三人の女性とは一度きりのままの幸太は、姫香から麻衣には付き合っている男性はいないと聞かされて告白しようと行動に出るが、呆気なく玉砕して自己嫌悪に陥りその場を動けない。しかし姫香たちに声を掛けられ半ば強引に苑美の家に連れ込まれると、こんな美女たちに慰めてもらえるなんて幸せ者だと言われて気を取り直し、女性たちに全身をくまなく愛撫されたり顔面騎乗されて秘所を味わったりする。そして姫香、景子と相次いで騎乗位で中出しさせられた後、ゆっくりと楽しみたいからと告げる苑美のしたたかさに感心しながらも連続射精を迫られるのであった。

三人に慰められたとはいえ幸太に取って毎日のように向かいのショップにいる麻衣と顔を合わせるのは辛く、バイト先を変えようと決意を固めるが、その矢先に苑美がたこ焼き屋にやって来て今晩景子の家に来て欲しいと告げられる。そこで何と麻衣と対面させられて驚く間もなく、苑美の口から自分たちと同類だと聞かされ、更に麻衣からはあの時助けてくれたのは単にプレイだったと告げられてショックを受ける幸太である。まさか麻衣もなんてと嘆く間も与えられずに楽しみだわと告げられ、しかも苑美の挑発に乗ってレズプレイを始めるが、麻衣の方が一枚上手で苑美をイカせると今度は幸太ににじり寄ってくる。シックスナインで高まった後バックで挿入するが長く持ちそうにないと思った瞬間、麻衣が上になってあげると告げて主導権を奪われると一度の放精で満足出来る訳もなく、幸太は暫くはここで働こうと決意を改めて快楽に溺れてしまう。


【レビュー】

ドラマチックな展開からサスペンスまで幅の広い作風を持つ作者だが本作では『誘惑ショッピングモール』というストレートな題名から連想させる通り、ど直球でコメディ要素を内包する誘惑路線となっており大学進学で上京した主人公【幸太】(20歳)はチェリーな青年で、女性との出逢いを求めて引っ越し屋からたこ焼き屋のバイトに移ったばかりである。様々なショップが並ぶモールだけに若い男子へ興味を持つヒロインたちも少なくはなく、その中で主人公は向かいのアパレル店で働く【麻衣】(26)に憧れを抱く一方で、ドーナツ店で働く若妻や「童貞キラー」と噂される寝具担当の熟妻や時計店で働く未亡人から誘惑される美味しい展開も待ち受けている。

「童貞キラー」の熟妻【苑美】(30歳)の手解きを受けた主人公は、未亡人【景子】(34歳)に頼まれて一夜の夫となり、その話を苑美に聞かされて興味を抱いた若妻【姫香】(23歳)と相次いで性的な関係を持ってしまう。夫のいる二人のヒロインとすれば欲求不満を解消させるための遊び相手という趣があり、おっとり天然な景子ですら実は…という一面を持っていて、彼女が欲しいと願う主人公としてはちょっと可哀想な扱いだが中盤で麻衣へアプローチする機会が訪れる。そこで撃沈されるのもお約束の内で、それでもヒロイン三人から癒しを与えられ麻衣も加わって…と思わぬどんでん返しを迎えるのである。麻衣自身も清楚そうに見えて実はかなりの性癖の持ち主であり、それを知らない主人公が彼女の「危機」を目の当たりにして動くに動けぬという描写もある。

全体的に主人公がそうガツガツした肉食タイプではなく、ヒロインたちの母性本能をくすぐりそうなちょっとおバカっぽい設定なのが読む側としては好感を抱くところであり、上げ膳据え膳な展開もいかにも現代的ではある。個人的には童貞キラーの苑美と溌剌とした姫香がせっかくの人妻設定なのだから不倫に陥る背徳感がもっとあっても良かったかなとは思うけれど、全般的にカラッとした仕上がりを目指していたようなのでこれはこれで良いのかもしれない。
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tag : 大学生主人公 童貞

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にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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