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河里一伸「みだらに餌づけて」

河里一伸「みだらに餌づけて」
(竹書房ラブロマン文庫、2017年6月、表紙イラスト:東克美)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

貧乏な生活を送る学生の彰吾は、ある出来事をきっかけにアパートの美女管理人で未亡人の静乃と知り合い頻繁に夕食に招かれるようになる。静乃の幸せそうな顔を見た隣りに住む社長夫人の静乃は彰吾の筆下ろしを企み、筋向かいの若妻美幸も大胆に迫ってきて…、更に静乃も彰吾に恋心を抱くようになり結ばれるが…。


【登場人物】

名瀬彰吾
19歳の大学1年生。教職を目指して大学へ進学したものの、父親がリストラされた関係で窮屈な生活を送らざるを得ず、元々卓球をしていたために人並み外れた大食漢でいつも食に困っている。静乃の手助けをしたことから夕食にお呼ばれされることになり、いつしか恋愛感情に発展していく。童貞。

畠元静乃
27歳。父の実家である「メゾンながさき」の管理人で、昨年末に夫を亡くしている。結婚して1年ほどだがそれなりに夫婦生活はあった様子。長い黒髪の似合う貞淑な印象の美女で、それなりに肉付きが良く、彰吾を悩ませる一因でもある。和食の料理が得意で、近所に住む蘭子や美幸と仲良し。

冴木蘭子
32歳。「メゾンながさき」の隣家に住む社長夫人だが、金持ちの割に気さくで面倒見が良く、静乃が姉代わりとして頼っている。母親が中華料理店を営んでおり、やや脱色した長い髪と華やかな顔立ちとは裏腹に、料理の手際が非常に良い。静乃よりバストやヒップの張り出しが良く淫靡な印象を与えるが、男漁りなどはしていない。

渡辺美幸
25歳。「メゾンながさき」の筋向かいにある住宅に引っ越して来たばかりの若妻で、幼なじみの夫は地方へ単身赴任中。黒髪ショートが似合いフランクな口調で親しみやすいが、料理の腕はあまり良くなく教室に通ってはいるものの、あまり上達している様子に見えない。


【展開】

ある晩バイトを終えた彰吾は火災報知器が誤作動を起こし困っている静乃のために彼女の部屋に入り警報を止めたが、現金なことに腹の虫が鳴ってしまい夕飯をご馳走させてもらう。お人好しの静乃は賄いがないバイト休みの日はご飯を作って待っていると約束し彰吾が度々部屋を訪ねるようになったが、数日後その様子を見た美幸から話を聞いた蘭子は静乃に対して彼をどう思っているのか問い質す。そんな静乃のために一肌脱ごうと蘭子は彰吾たちを自宅に招いて中華料理を振る舞うと、彼だけ残るように告げて二人きりの状況で単刀直入に質問し静乃が好きなのを聞くなり、自らが主導して勃起を露わにして口唇や乳谷で奉仕して射精へと導く。女体に不馴れな彰吾に乳房や秘所の愛し方をレクチャーし、いざ本番となるも上手くいかずに騎乗位で交わると青年の精を膣奥で受け止めてしまう。

蘭子に筆下ろしされたとは知らない静乃は彰吾の落ち着きのなさに不安を抱き始めるが、そんなある日彰吾のバイト先の店長の都合で直帰せざるを得なくなり夕食をどうしようかと悩んでいると、そこへ美幸が通りかがりならば料理教室で教わったことを復習したいから食べに来てと誘われる。料理自体は何とか腹に収められるレベルで口直しにコーヒーを持ってきてもらうが、美幸が目の前でカップごと倒してしまい彰吾の股間が汚れてしまう。男性の生理を知ってか知らぬかタオルで拭かれて刺激を与えられると勃起を隠せなくなり、責任を取ってあげるからと美幸に言われて口唇奉仕され意外なほどの巧みさに呆気なく果てる。美幸に誘われ浴室へ移り愛撫を始めると口戯とは逆にウブな反応を見せたのを喜ぶと、初めは正常位で交わり何度も絶頂するのを見届けた後にバックに体位を変えて抽送を繰り返し中出ししてしまう。

相次いで二人の人妻と性的な関係に陥った彰吾はなお一層静乃にご馳走になる度に押し倒したい衝動に駆られて自己嫌悪に陥るが、そんなある日静乃の部屋を訪ねると母親から見合いの話を持ち掛けられたと聞かされ思わず好きだと告白し、静乃もそれを待っていたかのように喜び寝室へ舞台を移す。シックスナインで相互絶頂を迎えた後に彰吾にリードされての久し振りのセックスだが、静乃は付き合っている女性はいないのに何故こんなに上手いのかと彼の過去の女性経験に嫉妬を覚えながらも、めくるめく快感に溺れていくのだった。

数日後20歳を迎えた彰吾は静乃の手作りケーキやご馳走を堪能すると、ケーキのホイップを使って女体盛りさながらにデコレーションしてエッチすると、このまま二人で毎日を過ごせたらと願う。しかしある日美幸の料理特訓の成果を見て欲しいと蘭子に誘われて冴木家を訪ねると、料理を味わいながら以前に美幸の家を訪ねたことをうっかり口にし静乃に睨まれて肝を冷やすが、今度は蘭子が服をあげるからと静乃を連れて二階の部屋に上がったのを見るや美幸に迫られてしまう。頃合いを見計らって彼女に連れられて蘭子の寝室を訪ねると、どうやら二人は示し合わせていたらしく、静乃だけに彰吾を独り占めさせないと告げられてしまう。二人の挑発に静乃も自分だけのものだと反論し奉仕に加わるとトリプルフェラで射精へと導き、我先にと彰吾に跨がり中出しを受け止める。続いて美幸や蘭子にも搾り取られた彰吾は、夏休みに入っても一向に譲り合う気のない三人の美女たちに頭を抱えながらも、毎日をセックス三昧に費やすのだった。


【レビュー】

竹書房ラブロマン文庫進出第3弾である本作もこれまで作者が得意としてきた誘惑官能ハーレム路線を踏襲しており、貧乏な大学生の主人公がアパートの管理人の【静乃】(27歳)をメインに、隣家の豪邸で暮らす熟妻の【蘭子】(32歳)や筋向かいに住む若妻の【美幸】(25歳)の三人と次々に関係しハーレムを築くまでを描いている。

・貞淑な未亡人・静乃
実家が所有するアパートの管理人になる直前に夫を喪った彼女は、苦学生である主人公の状況を知り頻繁に夕食を食べさせてあげるが、その食べっぷりを見て亡き夫を重ねるようになる。彼女の作る和食主体の手料理にすっかり骨抜きにされた主人公は、題名にもあるようにまさに「餌づけられた」状態でいつしか恋愛感情に発展していくが、官能描写の順番は後である。

・気さくな熟妻・蘭子
静乃が主人公を部屋に招いていると知り彼女の次の人生の幸せのために手解きをしてあげようと一計を案じたのが蘭子で、会社社長の妻という割には母親が中華料理店を営んでいるせいもあってか気さくな性格だが、夫婦間は冷えきっていてあわよくば主人公を摘まみ食いしようとするのも否めないところ。

・ボーイッシュな若妻・美幸
幼なじみと結婚して早々に夫が単身赴任となり、将来子どもが産まれた際には手料理を振る舞いたいと料理を学ぶ健気な一面もあるが、見た目と言動が男っぽいところがあり他の二人に比べても色気はあまり無い(河里作品ではよく見られる第三のヒロインのポジション)。惚れた弱みがある静乃や常に主導権を握る蘭子とは違い、主人公が少しだけ強気に出られるところでもある。

蘭子で初体験を済ませた主人公は美幸の家に招かれハニートラップに掛かって関係すると、静乃のお見合いの話を聞いて自分から告白して恋仲となるが、未亡人の管理人と店子という関係は「あの人気作品」と似ているもののそこまでのハプニングはなく至って穏やかな流れである。嫉妬深い面はあるものの静乃は主人公によって性的に「餌づけ」されてしまっており、独り占めは許さじとばかりに蘭子や美幸も混ざってのハーレムを受け入れるしかなくなるのは官能作品ならではのお約束である。その流れにぎこちないところを感じさせないのは流石ベテランなのだが、三作品続けての似た作風を見ると「肉料理が得意なのは分かったので、他の料理も味わいたい」というところもある。以前はMC(マインドコントロール)を主題とした凌色風味な作品を出していた時期もあるので、次こそは何か新味を見せて欲しいかなと思う。
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tag : 大学生主人公 童貞

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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