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相馬哲生「隣りの席の女【無理やり姦係】」

相馬哲生「隣りの席の女【無理やり姦係】」
(フランス書院文庫、2017年1月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

妻と結婚して5年になる会社員の達彦は、オフィス・機内・映画館・帰宅時の電車と様々な場面で隣合わせになったヒロインの本質はMだと見抜き、言葉巧みに情交を迫っていく。

【登場人物】

東出達彦
30代?の会社員。社内では主任の立場にあり、出張で外回りもしている。妻と結婚して5年になるが、子供がいないこともありちょっとした倦怠期を迎えている。

島崎薫
23歳。達彦の勤務先に入社したばかりの新人社員。可愛らしく一生懸命なのだが、詰めが甘くそそっかしいミスを連発し厄介者扱いをされている。学生時代に付き合っていた彼氏に二股を掛けられ、しかも相手が親友と知って痛手を負っている。

吉川紗奈実
26歳。達彦が九州へ出張した際に、偶々機内で隣り合わせになったFカップの美女。父親が急病にかかって帰省したが、大したことはないと知って達彦に一緒に山笠を見に行こうとアプローチを掛けてくる。

深沢菜摘
30代?の未亡人。夫を亡くして以来気晴らしのつもりで映画を見に行くことが多いが、ラブロマンス映画の濡れ場でひとり慰めていたのを達彦に見咎められ関係に応じてしまう。

藤村ゆかり
31歳でアパレル系の会社に勤めている。付き合いの長い彼氏と良好な関係を築きつつも、仕事優先でなかなか逢えずにいて不安を抱いている。


【展開&レビュー】

オムニバス形式の作品なだけに更なる工夫が欲しい

ここ最近の著者の作品では、凌辱者である主人公がヒロインの弱みを握って関係を迫る「力ずく」な展開が多かったのだが、今回はタイトルからその「力ずく」を外している。妻と結婚して5年になる会社員の主人公【達彦】が、オフィス・機内・映画館・帰宅時の電車と様々な場面で隣の席になったヒロインの本質はMだと見抜き、言葉巧みに情交を迫っていくオムニバス形式の作品である。


一章:残業中のオフィスで新人女社員とふたりきりになって…(薫・23歳)
おっちょこちょいでミスを連発し、見た目の可愛さを帳消しにするほど他の社員からは厄介者の扱いを受ける薫だが、主任である達彦は彼女のフォローをするために残業していた。そんなある晩二人きりとなったオフィスで彼女が発したM性があるのかもという言葉に、達彦は脈があると感じて関係を迫り残業する度に定期的な関係へ発展する。

二章:出張中の飛行機でたまたま隣席になったFカップ美女と…(紗奈実・26歳)
出張で飛行機に乗った達彦は隣席に座った美女の手首に縄の痕を認め興味を抱くが、機内で寝込んでしまっている内に美女の勘違いで手荷物を持っていかれる。しかも残された彼女の手荷物にはSM雑誌が入っていて達彦も混乱するが、所用を終え空港に戻ると彼女が荷物を渡すために待ち受けていた。紗奈実と名乗る美女がまるで博多の山笠に一緒に行って欲しいかのような言動を見せたことから、達彦は脈ありと感じて夕食を終えると彼女を連れてラブホテルへ雪崩れ込む。

三章:映画館の暗がりで物欲しそうに見えた艶未亡人を…(菜摘)
外回りで時間に余裕ができたので時間潰しに映画館に入った達彦は、後部座席にいた女性に興味を持ちあえて隣席に座る。映画館は空いているのにわざわざ隣に来た達彦に嫌な顔ひとつせず、しかも濡れ場に合わせるかのように彼女が身体を震わせるのを見た達彦は、菜摘のせいで飲み物をこぼされズボンを汚されたとハプニングを装ってトイレの個室に連れていく。一人遊びを見せ付けるようなMの体質だろうと迫ると、個室の中で情交へ発展する。

四章:帰りの通勤電車、アクシデントで距離が一気に近付いて…(ゆかり・31歳)
序章で達彦は帰宅する電車の中で、たまたま隣に座ったモデル系美女のゆかりが居眠りをしていて、揺れに任せて体を預けてくるのをみて欲情を抱いていた。別の晩に車内でゆかりを見付けた達彦は隣席に座ると、またも体を寄せてくるのをこれ幸いと思い、電車が揺れた拍子にシャツに口紅が付いたと訴える。次の駅で大人しく付いてきたゆかりが従順なのを見て、達彦は他の女たちと同じように言葉巧みに迫り関係を結ぶ。

五章:妻とレストランで外食中、隣のテーブルの女と…(ゆかり)
薫や紗奈実、そしてゆかりと密会を重ねつつも妻との結婚生活を続ける達彦だったが、ある日妻とレストランで外食していると、隣の席にゆかりがモデルらしき美女を連れてやって来る。達彦は何故ゆかりが妻との食事の予定を知っているのかと動揺し、仕事の電話を口実に離席すると、ゆかりが追ってきてトイレで情交を及ぶ。隙を見て達彦の予定を盗み見たと告げるゆかりは他の女たちとは違い支配されるだけでは満足していない様子で、彼に新たな誘惑の話を持ち掛ける…。


タイトルにあるように「無理やり」な関係とまではいかず、一応はヒロイン全員がM性があって主人公がそれを鋭く見抜くとさほどの抵抗もなく情交に至るので凌辱作品と呼ぶのには無理がある。魅力的なヒロインが4人いて一人一章という制約もあってどうしても官能場面が急ぎ足になるのは仕方ないのだが、主人公がヒロインたちに奉仕を迫り堕としていくまでのプロセスはほぼ同じようで使い回しという印象が否めなかった。それぞれのヒロインたちも際立った魅力を持つまでには至らず、話がクロスすることもないので一層単調さが目立つのが残念である。
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tag : 社会人主人公

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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