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高竜也「僕と彼女と彼女の姉」

高竜也「僕と彼女と彼女の姉」
(フランス書院文庫、2004年4月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

妻子ある男と別れたばかりの美樹は妹の茜の恋人の修司を誘惑し性の手解きをして以来、半年に渡って肉体関係に溺れていく。妹が留学から帰国するのに当たり別れを切り出すが、修司に押し切られて密会を続けていくものの、茜が気付いてしまい…。


【登場人物】

今井修司
18歳の高校3年生。世田谷の近隣に住む白石家とは母同士が同郷の先輩と後輩の関係で仲が良いが、沖縄旅行へ行った時に事故に遭って二人とも亡くなっている。父親は弁護士で不在がちのため、近所の小母さんが面倒を見ている。半年前に美樹に誘われる形で関係を持って以来、茜への罪悪感を抱きながらもズルズルと肉体の交わりを続けている。

白石美樹
30歳。高校教師で独身。父親は自動車会社の重役で不在がち。1年前に妻子ある男との関係を清算したばかりで、修司の性欲の強さに次第に溺れていく。修司や茜が通う学校とは別のところに赴任しているが、同僚教師の岡崎から好意を寄せられていて、茜のことを考えて彼との結婚を決意する。

白石茜
17歳の高校2年生。母同士が親しい関係でいつしか修司に好意を持ち始め、1年間の渡英留学の際に清い身体のままで帰って来ると告白している。163cm48kgのDカップと同世代の女子に比べてスタイルが良い。


【展開】

茜が帰国する前夜に美樹の自宅に呼び出された修司は、彼女の寝室の姿見を使って淫裂を見させたり指戯で絶頂させたりと翻弄し正常位で交わるが、別離を切り出されても素直に応じる訳もなく茜にどう顔を合わせれば良いが苦悩する。その翌々日茜の誘いで再び白石家を訪ねると純潔は守ったからと求められるが、愛猫が粗相をしたせいもあって美樹のベッドにやって来る。二日前の性交がフラッシュバックして躊躇する間に、ドアの隙間から帰宅した美樹の姿を見付けてしまい、修司は逃げるように行為を中断してしまう。

一方美樹は茜が修司と二人きりになれば何かあるだろうと感じ日曜日にありもしない用事を作って出掛けたものの、二人が気になって自宅に戻ると何と自分の部屋で行為を始めようとしていて、それでも不発に終わったことに安堵する。そんなある日社会科教師の岡崎に誘われ一緒に食事した後で彼のマンションにやって来るが、短絡的に好きだからヤらせてくれと迫られる。応じると見せ掛けペニスを扱いて射精に導き逃げ帰ったものの、美樹は自宅に戻ると修司の長大な一物を思い浮かべながらオナニーしてしまう。

茜の気持ちを考えて修司に別れを切り出そうと美樹は外で逢う約束をしたが、修司の強引さに押し切られてしまい結局はホテルで性交に及ぶ。互いに茜のことは口にせぬまま外での密会を繰り返すが、そんななか茜が修司と二人で夏休みに旅行へ行きたいと言い始める。父の要望もあって美樹を同伴させるが、茜は姉に酒を勧め眠ったのを見届けると隣の修司の部屋にやって来る。修司はあの時の続きをしようとするが罪悪感もあってかなかなか本番には至らず、痛がる茜を見て断念しペニスを擦ってもらうだけに留める。
とはいえ一度だけで性欲が収まる訳もなく、修司は茜が部屋に帰って熟睡したころを見計らい、スペアキーを使って隣室に入ると眠っている美樹の身体を愛撫し始める。目覚めた美樹は少年を追い返す訳にもいかず、眠る妹の隣で騎乗位で交わり静かに快楽を貪るのであった。

夏休みが終わって茜はクラスメイトから街中を撮影したと写真を見せられ、そのなかに姉と修司がラブホから出て来たところが写っているのを見付け、二人がそういう仲だと察知する。帰宅して姉を問い詰めるが否定され自棄になって浅草に出ると、行きずりの男に声を掛けられ援交紛いで処女を棄てても良いと決意するが、男がポルノを見ながらまるで見せ付けるかのようにオナニーしたのを目にして逃げ帰って来てしまう。やはり修司に純潔を捧げるべきだと思うものの、姉からきちんと謝罪を受けるまでは許さないと意地を張る。

妹から修司との関係を問われた美樹は、岡崎の兄が亡くなり実家の経営する旅館の跡継ぎとして求められていると聞いて、修司との関係を清算する機会だと考えて自らデートの誘いの電話を掛ける。泥酔した演技をして岡崎の部屋に入ると浴室で転倒した振りをして介護してもらい、裸体を見せ付けられた岡崎は抱きたいと迫る。結婚の約束まで取り付けるとせっかちな岡崎を巧みにコントロールしながら快楽を取り込み、美樹はこれで修司と別れられると安堵するのであった。

その頃修司も受験勉強を前面に押し出して茜や美樹との接触を控えて来たが、美樹の連絡を受けて父と三人で自宅で食事をする約束をする。修司の父が急用で同席出来ないと知り美樹は応接室で自らの結婚を切り出し遠回しに別離を切り出すが、修司は好きなんだと叫びソファーに押し倒されてしまう。これが最後の裏切りだと修司を受け入れた後で玄関で抱擁するが、そこへ茜がやって来て弁解の余地もなく車道へ掛け出してしまい車にはねられる。

骨折して入院生活を余儀なくされた妹に拒絶され続けていた美樹は、それでも岡崎との結納まで済ませると、退院する前の日に病室を訪れる。全ては自分に非があると謝罪し九州の岡崎の実家の近くで女将としての修行を始めると暗に別離を仄めされ、茜もようやく許す気になるのであった。そして退院を迎え修司から花束を渡されると、茜は友人に挨拶回りをしてからと言いながらも修司の部屋を訪ねると約束する。そして部屋に来ると修司が土下座して謝るのを見て、茜は素直になれずぎこちないながらも身体を委ね、帰り際に嫌いな人に処女を捧げる訳がないでしょうと告げ許すのであった。


【レビュー】

「相姦の語り部」と呼ばれる高竜也氏の近著においては非常に珍しく、「彼女の姉」に焦点を絞った非相姦の作品である。ちょうど2004年の初旬には、本作の題名の元となったテレビドラマが好評を博していた頃でもある。そこから僅か5ヵ月での刊行なだけに、高氏を含めて当時のフランス書院文庫でのベテラン作家の執筆ペースは、今と比べてもかなり早いのである。とは言え作品は一定の水準にあるのは言うまでもなく、今より作家陣の少ない中でこれだけ刊行し続けられるのには頭の下がるところ。

高竜也作品ではお馴染みの平均的な水準よりはやや上の家庭環境という設定で、禁断の関係に陥るのはいつもの通りであるのだが、彼氏のために純潔を捧げるとまで言う茜はやりたい盛りの少年に取ってはちょっと重いのかもしれない。だからといって主人公も童貞のままだと言われても、身近に魅力的な女性がいれば誘いに応じるのは仕方のない話で、ここでは美樹からのきっかけはバッサリと割愛されてはいるものの主人公が悪いとは言い難いだろう。

美樹は本作の実質的な主人公と言っても良く、恐らく始めは些細な好奇心で誘ってみたものの、修司の性欲の強さに翻弄され溺れていってしまう。(初体験の時には、挿入するまでに4回も射精してしまったという記述がある)妹が修司を想ってオナニーしているという日記を覗き見てしまい身を退かねばと思いつつ、肉体の渇望にも逆らえず…という状況に陥るが、意外にも早く妹が関係に気付いてしまい拙速とも言える結論を出さざるを得なくなる。終盤に茜が交通事故に遭ってというくだりは高竜也作品ならではだが、やはり禁断を破った以上は何かしら報いを受けねばならぬということであろうか。ちょっと悲しい結末でもある。
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tag : 高校生主人公 童貞

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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