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川俣龍司「禁鎖に繋がれたママと女教師とメイド」

川俣龍司「禁鎖(くさり)に繋がれたママと女教師とメイド」
(フランス書院文庫、2016年8月、表紙イラスト:丹野忍)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

自ら重度のマザコンと認める隼人は、弱味を握っているから好きにして良いと友人から筆下ろしを勧められ、中等部の担任だった美咲を相手に選ぶ。彼女の被虐性を開発した矢先、想い焦がれる母親の瑠莉の腕に縛られた痕を見付け、その相手が祖父と知って嫉妬に駆られていく。


【登場人物】

磯崎隼人
16歳で私立校の高等部に上がっている。厳格な祖父・宏明と瑠莉とメイドと4人で暮らすが、戸籍上の父親である宏明の息子はフランスに在住している。身長173cmでお坊ちゃん育ちのため内向的な性格。童貞。

磯崎瑠莉
37歳。16歳の時に映画女優として「嶋田瑠莉」の名前でデビュー、4作品に出演し20歳の時に失踪同然に電撃引退させられている。その理由は義父で映画監督の宏明によって性的な愛玩とされてしまい、彼の独占欲によるもの。この年齢になっても美しさは衰えずにいる。

立花美咲
隼人が中等部の時に担任だった英語教師。モデルのようにスレンダーな身体に反して、EかFカップはありそうな巨乳と熟臀が魅力的な美女。5週間前に佐久間にある事実を知られて以来、言いなりの操り人形のようにされている。

彩香
20歳くらい?2年前から宏明の個人秘書兼メイドとして仕えている。ショートボブにした髪型とルーマニア出身の母親の血を引くコケティッシュな美貌に、口元のホクロがよりセクシーさを醸し出しているが、不似合いな黒縁メガネを掛けて知的な女性を演じている。普段はおおよそメイドとは言い難いほどの大胆な格好でいることが多い。宏明に純潔を捧げてはいるが…。

佐久間馨
16歳?隼人とは真逆で遊び人の不良だが、何故かウマが合っているらしい。美咲の秘密を知って肉体関係を強いているが、他にも何人かセックスフレンドがいる様子。中2の時に初体験を済ませているが、自分本位のセックスをしているせいか後に隼人に嫉妬するように。

磯崎宏明
72歳。映画監督として名を知られ絶大な影響力を及ぼしているが、かつてデビューしたばかりの瑠莉を見初め、性的な支配関係に置き続けている。近年体調を崩し都内の邸宅に籠りがちだが、性欲だけは衰えを見せていない。


【展開】

ある日隼人は佐久間から連絡を受け、マゾコンと童貞を卒業できるいい女を紹介すると聞かされ、乗り気がしないまま約束の場所までやって来る。高級マンションに住むその女性は何と美咲で、どうやら佐久間は彼女の弱味を握っているらしく、美咲は渋々といった様子で筆下ろしを承諾する。キスしただけで果ててしまった隼人に呆れた佐久間が帰り二人きりになると、美咲は相手がウブだという気楽さもあってか、乳首が弱いのと告白する。風呂から上がりバスタオルを巻いた姿の隼人は美咲の乳房を攻め立ててアクメに導くが、自分も勃起を擦り付けてしまい二度目の射精をしてしまう。それでも正常位で初体験を終えると、今度は騎乗位になってと頼み再び精を放出するのであった。

一週間後隼人は瑠莉の頼みで絵のモデルを引き受けるが、途中で貧血を起こし倒れてしまう。介抱した際に母の腕に縛られた痕があるのを見て、宏明の仕業だと腹を立てるとともに犯したいという衝動を美咲にぶつけようと佐久間と連絡を取る。そして美咲の部屋で先に佐久間が抱くのを待った後で美咲と対面するが、前に彼女が縛って欲しいと言ったのを思い出し後ろ手に拘束すると、ベランダへ出てバックで交わる。しかし時間が遅いのに苛立った佐久間が合鍵を使って部屋に乱入し、まるで間男のようだと怒り殴られただけでなく、美咲の秘密を喋られたくなければ瑠莉を差し出せと脅されてしまう。

その頃瑠莉は三日前に松の間でわざと舞いで失敗した罰として、折檻を受けた後で宏明に犯されたことや、隼人がその痕跡に気付いたことに思い悩んでいた。暫くして隼人が顔に傷を負って帰宅したのを見ると、宏明との関係を隠してはおけぬと言葉を選んで告白する。すると隼人は昼間に女教師を縛って抱いたが、所詮はママの代わりでしかなかったと訴えると、瑠莉は最後の一線は越えぬことを条件に裸体を晒け出すことを決意する。寝室のベッドで母を拘束しT字帯を目の当たりにした隼人は宏明の欲の強さに激怒し、腰紐で瑠莉の顔面に巻き付けると、僅かに開いた隙間から口内へペニスを押し込み射精するのであった。

それから三日三晩隼人が宏明に取って替わっての瑠莉へのお仕置きが続くが、そこへ美咲が佐久間に命じられたのか様子を見に磯崎家へやって来る。本当はもう一度隼人に乱暴にされたいという気持ちを見透かされ、美咲は庭園に出てボディコン姿で散歩させられる。後ろから隼人と付いて来ていた瑠莉は同性ながらもその妖しさに惹かれていくが、ベンチに着くと隼人が乗馬鞭を取り出して二人に振るい始める。そして隼人が美咲を激しく犯した後で瑠莉は彼女を抱きしめると、今度は隼人を縛って二人で口唇奉仕を始める。行為が終わると隼人はキッチンへ戻り、ボンテージ姿の二人が睦まじくするのを見て楽しんでいたが、そこへ彩香が現れ宏明によるお仕置きの始まりを告げられてしまう。

松の間で彩香の手により連結した形で拘束された瑠莉と美咲だったが、そこに隼人が呼び付けられる。スタンガンで気絶させられた隼人も拘束されると、美咲は彩香によって後ろの穴を開発されヨガり、瑠莉は宏明に鞭打たれる姿を見させられて自失してしまう。バックで宏明に貫かれた瑠莉は、隼人ににじり寄ると口付けを交わすが、逆上した宏明が射精したその瞬間…。
約ひと月の時が流れて新たな主人となった隼人は、瑠莉と美咲を労うために服従の証をプレゼントし、同じものを彩香にも渡す。サディスティンを演じていたが、本質はMで露出狂と見抜かれたメイドも隼人に服従を誓う。美咲と彩香を貫く間お預けにされていた瑠莉の切ない表情を見て、隼人はいつか訪れるであろう禁断の交わりの日を夢想するのだった。


【レビュー】

第16回フランス書院文庫新人賞受賞作品。

タイトルと表紙イラストから想像が付く通り、映画界のドンとされる主(主人公の「祖父」)の邸宅を舞台に物語は繰り広げられていく。主人公の【隼人】16歳は母親の【瑠莉(るり)】37歳に禁断の愛を抱く内向的な少年だが、当の瑠莉自身は「ご主人様」に繰り返しお仕置きを受けており、憎む気持ちを持ってはいるものの身体は命令に背けないという状況である。

一方隼人は悪友の勧めで中学の時の担任教師【美咲】と初体験に至るが、彼女自身にも秘密があり望んで身体を重ねた訳ではない。それでもウブな主人公に心を許したことで、秘めていた被虐性を開発されていくまでの話が初めの2章である。作品としては「凌辱」にカテゴライズされてはいるが、ここまでの流れは誘惑的なテイストと言えるだろう。

そんな主人公が母の秘密を知って「ご主人様」になり変わって被虐性を引き出し、自宅を訪ねて来た美咲と対峙するのが次の2章である。そして「ご主人様」の逆襲とその後を描いているのが最後の1章であるが、主人公目線からではやはり「凌辱」ではない。立場をヒロインに変えると、場面によってはそうかもしれないが…。ここで二人の被虐性を引き出すのは主人公だけではなく、題名にある通りメイドの【彩香】も加わっている。この3章に付いては狂おしいほどに淫猥であり、一読しただけだとあまりの描写過多ぶりに、「何だか分からないけど、凄かった」という印象である。

新人賞受賞の方だけに書きたいことをストレートに押し出している反面、勢いだけで流してしまうと分かりにくいような描写もあったように思う。母子で一線を越えているようでそうではない結末なだけに、そここそは素直に流れても良かったのかなとは感じた次第である。
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tag : 高校生主人公 童貞 デビュー作品

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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