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雨宮慶「人妻弁護士・三十六歳」

雨宮慶「人妻弁護士・三十六歳」
(フランス書院文庫、2006年12月、表紙イラスト:松原健治)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)




【あらすじ】

夫の前で欲望を素直に見せられずに浮気を招いてしまった奈央子は、窓越しに面した隣人の吉野にわざと着替え姿を覗かせてしまう。それがきっかけで電車の中で指での悪戯を受けた奈央子は、吉野と連絡を取り背徳の関係を結ぶものの…。

【登場人物】

蓮見奈央子
36歳。弁護士の仕事をしており、吉野の向かいにあるマンションの一室に住んでいる。知的で淑やかな美貌だが、夫曰く昼も夜も貞淑なのが不満らしく、スワッピングを提案され拒んだものの、彼の不倫に気付き吉野を誘惑する。

吉野文彦
25歳。大手商社に勤める会社員。同じ会社に勤める早紀に告白するもあえなく撃沈され、向かいの部屋に住む奈央子に興味を抱く。いわゆる素人童貞で性的な知識はあるものの、相手は風俗嬢だけで女性ときちんと交際したいと願っている。

蓮見祐介
奈央子の夫で口腔外科医としてクリニックを開業している。妻の淑やか過ぎる性格に不満を持ちスワッピングを提案するも、あっさりと断られて早紀との不倫に走るが、本当に愛しているのは奈央子だと身体だけの関係に留めている。

西尾早紀
22歳。吉野と同じ会社に勤務する受付嬢で、患者として蓮見と知り合ってから4ヵ月になる。黒髪ロングのナイスボディの美女だがマゾっ気があり、蓮見にあれこれと開発されている様子。タイプで無いと吉野を一度は振っている。

【展開】

知り合いの歯科医から話を聞いて夫の浮気に気付いた奈央子は、ある日かねてから向かいの部屋より覗いている吉野の視線を意識し、わざと寝室のカーテンを少しだけ開けて着替え姿を見せる。それが吉野の嗜虐性に火を付けてしまい、ある朝通勤途中の彼に電車の中で後ろから密着されて美臀を悪戯されてしまう。奈央子が俯いてろくに抵抗しないと見るや、吉野は別の日の朝に秘所に指を出し入れしながら、ペニスを擦り付けて射精する。

奈央子は吉野に与えられた性悦が忘れられず、興信所を使って調べさせると女性にモテない優男だと知って安心し、会社に連絡して折り入った話は自宅でと電話番号を聞き出す。帰宅すると吉野にも恥を味わってもらおうと相対した部屋の窓から露出プレイを要求するが、却って彼の性欲を刺激しテレフォンセックスでいやらしい喘ぎを挙げてしまう。
翌日奈央子は再び吉野に連絡を取ると夕方に駅で待ち合わせの約束をし、帰りの電車の中で相対する体勢で互いの秘部に触れ合い発情すると途中の駅で下車して予約していたホテルに入る。吉野が予想通り自分に手を出してくれたことに安堵し、夫とは違って欲望に正直になれる自分を知って二度の情交を求めるのだった。

奈央子は不在がちな夫の目を盗むように吉野と逢瀬を重ねていくが、三度目となる土曜日に彼の部屋へ招かれると、窓から自分たちの部屋が見える状況に罪悪感を強める。しかし吉野はそれを忘れさせようとするかのように風俗通いで覚えた知識を駆使して潮を吹かせたり、浴室で玉舐めやアナルに触らせたりした後で立ちバックで交わりを求める。更に寝室に戻ると女性上位のシックスナインでアナル舐めまでして彼女の裏穴を解すと、四つん這いにさせてアナル処女を奪ってしまう。

一方蓮見は愛人関係にあった早紀から蓮見と名乗る女性からの電話を二度取り次いだと聞かされ、自分への嫌がらせと訝る彼女の話は否定するも相手が吉野と聞いて身辺を調べると、彼が向かいの住人と知って妻の尾行を始める。土曜日に彼女が顔を隠して吉野の部屋に入っていくのを見届けると、蓮見は妄想の中で若い男に抱かれる妻を想像して激しい嫉妬を覚えるとともに、得も知れぬ背徳感に一物がたぎっているのに気付きスワッピングも同じ効果を与えるのかと知る。部屋に潜み帰宅した妻が吉野との電話でアナルまで捧げたと知った蓮見は、翌月曜日の夜に早紀を使ってホテルのバーに呼び出し、単刀直入に彼女と引き換えにスワッピングをしたいと要求し了承させる。ホテルの部屋で蓮見が主導権を握る形で3Pを体験した吉野は、密会を重ねることに抵抗する奈央子を半ば脅すような形で説得し、次の日曜日に自分の部屋で逢う約束を取り付ける。

そして当日奈央子と逢った吉野はこれで最後にしようと告げられ、折角だから思い切りエッチなことがしたいと要求し物陰に隠れている蓮見と早紀の目の前で、筋書き通りに奈央子を乱れさせいやらしい一面を見せ付ける。そこへ二人が現れ奈央子はパニックに陥るものの夫の言いたい事が分かって仲直りし、吉野と入れ替わり四つん這いでペニスを挿入され、若い二人が交わっているのを見ながら刺激を与えられる。そして騎乗位にされて前は夫に、後ろの穴は吉野に入れられ二穴責めに遭い激しく悶えてしまう。

数日後の休日夫の提案で知り合いの歯科医夫妻とのスワッピングを受け入れた奈央子は、一週間の禁欲で発情寸前となっていたが、そこへ吉野から連絡を受ける。窓から覗くと白昼から背面座位で見せ付ける若いカップルに当て付けられ、奈央子はそっとカーテンを閉めながら仲直りのきっかけを作ってくれた二人に心の中で感謝の言葉を呟くのだった。

【レビュー】

題名の通り36歳で社会的な地位もあり、人妻の奈央子36歳が主人公の作品である。雨宮慶作品では凌辱風味の作品も度々見掛けるが、本作では痴姦描写を交えつつも、奈央子が誘う形を取っているので、誘惑作品の範疇に入るのかもしれない。

子供のいないDINKS夫妻の間で素直に欲望を露わに出来ない奈央子と、彼女を愛しつつも性欲に忠実な若い早紀との割り切った愛人関係を始めた夫、その隣人たちの部屋を覗く青年の吉野と四者四様の姿が描かれている。蓮見は夫婦の倦怠から抜け出そうとスワッピングを勧めるが、奈央子としては常識の範囲外の話だから受け入れられない。彼女の常識の尺度からすると、何故夫ではない男に…という気持ちであろう。一方蓮見もスワッピング自体は分かっていても、その背徳感を理解している訳ではなく、隣人の青年の吉野に寝盗られて初めて気付くくらいである。

吉野と早紀はこの夫婦に巻き込まれる形で最後は若い者同士で結ばれるが、性の知識は豊富な前者と年上男に仕込まれた後者ならきっと上手くいきそうである。夫婦も今までの常識の殻を破って新たな悦びを得たとすれば大団円みたいなもので、この二組のスワッピングをもっと読んでみたかったが、良い読後感だったと思う。
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tag : 女性主人公 不倫

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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