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響由布子「ゆうわく透明人間」

響由布子「ゆうわく透明人間」
(竹書房ラブロマン文庫、2016年1月、表紙イラスト:大柴宗平)

ネタバレ有り。御注意下さい。




【あらすじ】

科学者の叔父が開発した薬の力で一回二時間だけ透明人間になる力を得た優太は、生意気なOLたちに悪戯を仕掛けて淫行を楽しんでいたが、ある日社長秘書に見付かり社内に潜むスパイを調査する事に。会議に潜入した優太であったが、そこで別の透明人間の存在を知り…。

【登場人物】

佐宗優太
32歳の老舗中堅製薬会社に勤める会社員。独身で冴えない印象だが、叔父は著名な科学博士で怪しげな秘薬を作っては実験台にされている。

時田愛梨
23歳。優太の勤務先の女性会社員。小リスのようにくるくる変わる表情と、ぱっちりした目、小さな鼻が可愛らしく、口もとのホクロが淫らがましく見える。帰国子女でジャーナリズムを学び英語は堪能だが、会社の男性社員に対して常に見下した態度を取っている。

村岡千穂
21歳。製薬会社の社長が行きつけの店でスカウトした元キャバクラ嬢。いわゆる黒ギャルで全身日焼けし、金髪のストレートロングを左右に振り分けて垂らしている。顔立ちは可愛いが、気性が荒く育ちの悪さを思わせる。

竹村杏奈
29歳の社長秘書で、製薬会社の創業一族で婿入りした社長のお目付け役。引き締まったボディに黒縁の伊達メガネをかけていて、長い髪を後ろで束ね大人の魅力を振りまく。社内では愛梨と人気を二分するほどの美女で、何かと対立することが多い。

堺ミチル
34歳の派遣社員で派遣されて2年半になる。ショートヘアで顔立ちは良いが地味な印象を与え、仕事ぶりもそつがないところから誰とでも親しく付き合えるタイプ。現在婚活中で優太にも声を掛けたことがある。かつて付き合っていた彼氏がいた模様。

戸田沙弓
28歳。元刑事の経歴を持つ探偵で、依頼を受けて優太の勤務先へ潜入調査をしている。舞台女優のような整った顔立ちと、引き締まっていて女豹を思わせる身体付きの割に豊満なバストを持つ美女。優太の叔父とは仕事柄親しい仲にある模様。

【展開】

叔父からもらった薬の力を借り女子トイレに侵入し愛梨が用を足すのを見届けた優太だったが、普段からの生意気な態度を見て恥を掛かせようと考えてオフィスで悪戯を仕掛ける。欲求不満かしらと愛梨が更衣室に逃げ込み火照った身体を慰めているのを見て、優太は見えないのを良いことに後背位で貫き膣内へ射精するのであった。

翌日優太は千穂に恥をかかせようと終業前にオフィスで悪戯を仕掛けるが、アフターファイブに応接室で煙草をくゆらせているのを見て更にいじめてやろうと身体に触れる。オカルト好きな千穂に地縛霊だと信じ込ませるとオナニーを見せてと求め、興奮すると正常位で情事を済ませるものの、薬効が切れ始め慌ててトイレに逃げ込む。
ところがその時に廊下ですれ違った杏奈が優太の体臭を嗅ぎ付け透明人間になっていたと気付き秘書室へ移動すると、有無は言わさぬとばかりに色仕掛けで迫られてしまう。杏奈とエッチ出来ると知って優太は強気に迫り時間を掛けようと愛撫するが、彼女は待ちきれぬとばかりに騎乗位で交わりを求め、後背位に変えさせ立て続けに射精を迎えるのであった。

社内にスパイがいると杏奈から一日二時間透明人間になって資料室で張り込みをするように依頼され、早速部屋にミチルが興味深そうに端末を操作しているのを目の当たりにする。その晩にミチルの部屋に侵入した優太は彼女の地味な私生活を目にするが、ベッドに入るなり玩具を使った激しいオナニーを見せ付けられてしまう。部屋から出る口実を作ろうと寝入ったミチルに声を掛けると、彼女は寝惚けたまま別れた元カレだと勘違いして抱き付かれそのままベッドインするのであった。

翌日杏奈にミチルはシロだと報告するが、調査は続けると執着するのを見て、優太は一介の秘書なのに何故そこまでと訝る。そこへ千穂とミチルから相談を持ち掛けられるが、地縛霊はまだ成仏していないという話になり、厄介なことになる前にと一芝居打つことに。ラブホテルへ向かい霊に取り憑かれた振りをして二人にレズプレイを要求すると、優太は気力を振り絞り立て続けに二人に中出しして一件落着とする。

数日後重役会議の潜入を頼まれた優太だったが、部屋の中央に全裸で透明人間になっている女性がいるのを見て愕然とする。沙弓と名乗ったその美女は事情は後で話すから見逃してと懇願するが、一目惚れした優太は彼女と揉み合いになりながらも、薬の副作用で互いに性欲が高まっている中でセックスしてしまう。会議を終えて沙弓の正体と潜入目的を知った優太は役員たちの暴走を止めようと一計を案じ、裏会議の場で叔父に開発してもらった媚薬を用いて会議は乱交パーティと化し、それを映像に収めて悪事から手を退くように求めるのだった。

【レビュー】

誘惑官能小説のテイストに透明人間になれる主人公の設定を加え、いかにも竹書房ラブロマン文庫らしい作りである。32歳の独身男でやや潔癖症な【優太】が薬の副作用により性欲が増進され、姿が見えないことを良いことにしたい放題にやりまくるのが前半の流れである。

【愛梨】23歳の帰国子女のOL、気位が高い
【千穂】21歳の元キャバ嬢、黒ギャル
製薬会社に勤める主人公は普段この二人の年下OLにあしらわれており、透明人間になってトイレなど一人になった際にお高く止まっている彼女たちの裏の顔を知ってちょっとしたお仕置きをしようと考え情交に至る。こうした裏の顔を熟知した上で書くのは、女流作家らしいとも言えるだろう。

しかしそんな主人公の悪乗りも長くは続かずに聡明な秘書の【杏奈】29歳にバレてしまい、彼女から社内の潜入調査を依頼される。途中で派遣社員の【ミチル】34歳も出て来てそれぞれに情交描写を設けた上で、終盤になって透明人間がもう一人いることが発覚する。

元刑事の探偵【沙弓】28歳
別ルートからの依頼で社内に潜入していた彼女とバッタリ出会した主人公だが、薬の副作用でムラムラするのは彼女も同じで揉み合う内にエッチが先という流れ。その後で彼女の潜入目的を知り会社の一大事とばかりに協力し、終盤は役員たちと愛梨との乱交に至るが、ことを見届けてから主人公も沙弓と情交に雪崩れ込む。

本作終了時点では仕事上のパートナーであり、恋人とは言えない二人の関係は続編(「ゆうわく透明人間 みだらデパート」)へ…ということになる。(続編決定は本作刊行より後の話である)勧善懲悪とまでいうほどのお堅い展開でもなく、気楽に楽しめる作者の「ゆうわく」作品にこれからも期待したい。

本作の続編と言いますか、ヒロインの沙弓は引き続き登場するものの、主人公の優太がデパートの私設警備員として活躍?するのがこの作品です。


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tag : 社会人主人公

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
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