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見月透「兄嫁の寝室」

見月透「兄嫁の寝室」
(フランス書院文庫、2001年2月、表紙イラスト:村山潤一)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)

兄嫁の寝室 (フランス書院文庫)
見月 透
フランス書院
2012-08-17



【あらすじ】

幸治は都内の予備校へ通うため兄夫婦のマンションの部屋で同居生活を始めるが、兄嫁の優美子の痴態を思い描いたデッサンを本人に見られてしまう。欲求不満に達していた優美子は夫が出張で不在なのを利用し、その晩に幸治と一度きりの情交に至るが…。

【登場人物】

幸治
都内の予備校へ通うため、長岡市から兄夫婦の住むマンションに引っ越して来たばかり。絵画クラブに所属し絵はそこそこ上手いが、憧れの優美子をモデルに見立てて挑発的なポーズで誘う姿をデッサンしていることが多い。童貞。

優美子
幸治の兄嫁で3年前に結婚し、都内のマンションに夫婦で暮らしている。夫とは夜の営みがご無沙汰気味。かつて高校時代に留学生の男と付き合っていた時期があり、その時の体験から倒錯的なセックスを好んでいるが、夫の前では貞淑な妻を演じている。

奈美子
優美子の2つ年下の妹。大手アパレルメーカーの社長秘書を務めており、背が高く高貴な印象から近寄りがたい雰囲気を漂わせている。出来の良い姉に常に対抗心を抱き、彼女のものは何でも奪おうとしており姉妹仲は良いとは言えない。

【展開】

幸治の部屋を掃除していて自分をモデルにした挑発的なポーズのデッサンを描いていたと知り、優美子は夫が出張でいない夜幸治を食事に誘い、帰りにクラブに寄ってチークダンスで身体を密着させてしまう。その余韻も冷めやらぬまま深夜に部屋でオナニーしようとしていたところ、幸治が聞き耳を立てていることに気付いて呼び止める。
一度は躊躇したものの優美子は幸治を廊下の床に押し倒し貪るように口唇奉仕を仕掛け、射精に導くとリビングへ移動する。ソファに横たわり秘所を見せ付け愛撫を受けた後正常位で幸治を受け入れるが、激しさのあまり床に落ちてしまい今度は騎乗位になって激しく腰を遣うのだった。

一度きりの約束を守り二週間近くも幸治から手を出さずにいて悶々とする優美子は、かつての恋人にプレゼントされたTバックを身に付けて彼の帰宅を待ちわびるが、先に夫が帰宅し泥酔した勢いでリビングのソファに押し倒されてしまう。昔の彼に贈られた下着を身にまとい、義弟を誘惑しようとしていただけに、優美子は二重の羞恥を味わされながらも快感を得てしまう。

そんなある日幸治は兄夫婦が不在の日曜日に部屋でAV鑑賞をし性欲を紛らわせていると、部屋に忍び込んだ奈美子にその現場を目撃される。優美子とは違いストレートに欲望を露わにする彼女に翻弄され肉体関係を結ぶと、兄嫁とは何も無いのを当て付けるかのように外泊を繰り返し関係に溺れていく。

真夏を迎えたある日買い物帰りに電車へ乗った優美子は、背後から見知らぬ中年男に指で蹂躙されアクメを迎えてしまい、その日以来用事も無いのに夕方の満員電車に乗っては痴女のように大胆に振る舞う。しかしある時に大学生風の二人組に拉致されてホテルで犯され、かつての恋人との倒錯的なプレイだと思って一時的な快感に酔ったとは言え、流石にこれ以上はと控える。しかしそんな決心は数日しか持たずに再び電車に乗るものの収穫を得られずに帰宅すると、ダイニングでテーブルに横たわり幸治を挑発する妹の姿を目撃してしまう。

どう見ても奈美子が幸治を弄んでいるとしか思えず、しかし優美子は嫉妬に駆られながらもオナニーせずにはいられなかった。どうにかして幸治を奪い返そうと彼女は妹に電話してもう逢わぬようにと釘を差すと、わざと脱いだパンティを脱衣籠に残し、幸治がオナニーするところに踏み込む。優美子はお尻を見せ付けると何でもしてあげると誘い、翌朝からお目覚めフェラや帰宅してからの情交と自分に振り向かせることに成功する。

秋を迎えたある日優美子は予備校の授業を終えた幸治と近くの公園で待ち合わせると、芝生に横たわり他愛もない話をしていたが、近くに若いカップルが現れてイチャイチャし出したのを見て対抗心を燃やし幸治を誘惑する。人通りが少ないとは言えまだ日の高い内からの大胆さに幸治がたじろいでいると、タイミング良く奈美子から電話があり優美子とお楽しみのようねと指摘される。遠巻きに植え込みから覗くギャラリーの視線も刺激となり、流されるまま情交を終えた優美子は倒錯した快感を得るのだった。

数日後の夕方突然の奈美子の来訪を受けた優美子は、幸治と部屋で二人きりで話をしたいという要求をにべもなく撥ね付けるが、奈美子から公園での情交を収めた写真を見せられこれを夫に見せても良いのかと脅される。幸治は姉妹と二人と交わりどちらが良いか決めてもらおうと奈美子の提案を受けるものの、彼女が大人しく引き下がる筈が無いと落ち込み萎えたままだったが、優美子が尻穴を奈美子が膨らんだ亀頭を舐めるとやる気を出し二人を交互に貫くのだった。

半月後けじめをつけようと兄夫婦のマンションを出て独り暮らしを始めた幸治は、これ幸いとばかりに攻勢を強める奈美子の誘いもきっぱり断り、優美子とも距離を置く。しかし年末に帰郷すると兄夫婦が離婚の危機にあると聞かされて、自分たちの関係が明るみに出たのではと動揺するが、その原因は別のところにあったと知り似た者同士だったのだと苦笑いするしかなかった。

【レビュー】

性欲溢れる主人公に対して表面的には貞淑な兄嫁の優美子と、奔放的で姉に対抗心を抱く奈美子の二人のヒロインによる嫉妬の応酬、それに振り回されて現実的な選択をせざるを得ない主人公のもの悲しさが描かれた「その当時らしい」作品である。

優美子は貞淑そうに見えて高校時代に付き合った留学生により、露出的な性交やSっ気の強いプレイで快感を得ていた過去があること、夫とはセックスレスであることから同居を始めた主人公が自分に興味があるのを知って情交へ導いている。題名では「兄嫁の寝室」だが、初めての情交はどうやらリビングのようである(作中で寝室に向かうとありながら、途中でリビングのソファに横たわり…となっている)。
彼女は一度きりの約束を自ら破る訳にもいかず、主人公もそれを守ろうと生真面目なところがあってこの二人の仲は一旦このままとなるが、優美子が思い掛けずチカンに遭いその倒錯的な快感を得て更に見知らぬ男たちといきずりの関係に陥る。この辺りが物語の「転」に当たるだろうが、こうした流れが90年代から続くフランス書院文庫「らしい」展開である。

一方の奈美子は対抗ヒロインとしての存在に徹し、姉の優美子のものを「何でも」奪いたがる奔放的でちょっと厄介なタイプとして描かれている。主人公は優美子が好きだから奈美子は選べない、選んでも奈美子が大人しくなるとは思えず兄夫婦の仲を破綻させたくはないしと、どちらも選ばない結論に導くのも「らしい」作りであると言えるだろうか。

tag : 大学生主人公 童貞 デビュー作品 姉妹丼

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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