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金澤潤「人妻社員【四つの狂った果実】」

金澤潤「人妻社員【四つの狂った果実】」
(フランス書院文庫、2005年9月、表紙イラスト:松原健治)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)




【あらすじ】

宝飾品を扱う会社の部長に栄転した三橋は取引先のデパートの売場の女課長、新婚の部下、大学時代の友人の妻、専務の妻になった元受付嬢と次々に関係を結ぶ。人妻なのに堂々と誘惑を仕掛ける女たちに、三橋はたじろぎながらも関係を深めていく。

【登場人物】

三橋実
39歳。一部上場の宝飾品を取り扱う会社に勤め、ひと月ほど前に部長へ昇進したばかり。妻と子供が二人いるが、家庭生活には不満は無いものの、妻との性生活にはもの足りなさを感じている。

中谷梨花
32歳。湘南にあるデパートの宝飾品売場の課長。夫は別の売場の課長だが、性格は合わずにセックスレスの状態。彫りの深い顔立ちとショートカットでクールな印象を与えるが、性的にはウブで恥ずかしがる一面も。

香西千春
25歳。三橋の勤める会社の営業部一課に所属のOLで、商品開発部の男子社員と1年前に結婚したばかりだが、性生活が少ないのを不満に思っている。Gカップの豊満なボディラインと色っぼさから社内では人気は高いが、性格は開けっ広げで酒豪と見た目と性格が反比例している。

古沢有紀
37歳。三橋と古沢が大学時代に所属していたサークルの2年後輩のマドンナ的な存在。大学を卒業し故郷の北陸に戻り老舗デパートの外商部に勤めていたが、7年前に本店に転勤して来た古沢と再会し結婚に至っている。三橋に好意を寄せていたが…。

神戸茜
27歳。三橋の勤める会社の専務夫人で、3年前までは受付嬢として働き男子社員の注目を集めていた。夫婦生活に不満は無いものの性的な関係が極めて少なく、かごの鳥状態に不満を抱いている。Dカップで魅力的な肢体を持つ美女。

【展開】

梨花の勤めるデバートの創業祭に向けて接待するつもりで誘った三橋だったが、夫とのデートがあるからと断られ、別の日に彼女からその時の埋め合わせだからと逆に飲みに誘われ、夫婦での営みが少なく不満を抱いていると知る。数日後創業祭の手伝いで泊まりで訪ねた三橋は再び梨花に誘われるが、自分の部屋にまで付いてくるとは脈があると察し、自分からは誘えないという態度を崩さない梨花を押し倒す。情事を終えた後、浴室でペニスを洗ってもらった後三橋が命じるままに口唇奉仕をする彼女を見て、Mの気があると思いながら身を委ねるのだった。

ある月末の金曜日にひとり残業していた三橋は、向かいのビルで不倫のカップルが情事に及ぶのを見掛ける。そして翌週会議室で千春が覗き見しているのを見付け飲みに誘われるが、居酒屋で明け透けな彼女に欲情を抱きつつ通りで彼女の夫とニアミスしたことで理性を取り戻す。翌週末も千春が覗き見しているのを発見した三橋は傷付けない程度にたしなめるが、逆に行為の時間を追求されて妖しい雰囲気となり、彼女を抱き寄せて慌ただしく情交に至る。その後でラブホテルに向かった三橋はこれまでで最長の時間を掛けて絶頂に導くが、もう一回とねだる彼女にやれやれという思いを抱きながら応じる。

出張で北陸のデパートの担当部長が変わった為挨拶に向かった三橋は音信不通となっていた友人がその部長だと知り、予定を変更して彼の家に泊めてもらうことになり有紀と再会する。夫が酔い潰れたのを見計らったかのように、三橋の寝室やって来た有紀から学生時代好きだったと告白されるが、三橋はその大胆さに驚きつつも彼女を抱き三発も精を注ぎ込む。そして翌朝起きて間もなく関係を求める有紀に圧倒されながら、三橋はその日の昼にはラブホテルに雪崩れ込み再び身体を交わらせ、有紀と密会の約束をさせられてしまう。

都内のデパートで商談を終えた三橋はふとしたハプニングから茜と再会し、フレンチレストランで食事を済ませると、カラオケボックスで身体を密着させられながら意気投合する。流石にその日は手出ししなかった三橋は、次の逢瀬の際に茜の運転する車でラブホテルに到着しシャワーを浴びると、デュエットと言いながら相互愛撫を求める奔放さに惹かれ関係を持ってしまう。数日後茜の夫である専務に呼び出され肝を冷やす三橋だが、彼の公認で堂々と逢うことが出来るという茜の言動にやきもきしながら、喪服紛いの黒い衣装をまとい未亡人プレイに興じる彼女に付き合うのだった。

【レビュー】

主人公が中年~壮年に当たり妻子もいるし社会的にも地位のある立場となっており、人妻ヒロインから誘惑を受けるという基本的な流れは、デビュー作品の「誘惑未亡人オフィス」と変わりはない。個人的には本作のように1章1ヒロインずつという作りはいかにも流れ作業のようで、深みが足りないようにも感じるのだが…。

主人公が取引先の女性課長から遠回しの誘惑を受けてゲットしたぜ!と喜び、新妻の部下からは肉食的に迫られこれだけでもモテモテな筈だが、物理的に遠い場所に住む友人の妻(サークルの後輩)、専務の妻となると欲張りだし各々に切り離した物語なので、彼女たちを人妻としたのなら夫の存在をもっと前面に押し出しても良かったのではと思われる。

例えば新妻の妻の場面なら隣のビルで密会しているカップルが実は旦那で、その仕返しに主人公を使って見せ付けるなど何か捻りも欲しかったし、何よりいずれの情交場面も数行であっさり纏めてしまっているのは、フランス書院文庫らしくないような気もする。
もしかすると他レーベルの作風を意識した実験作品だったのかもしれない。主人公も40歳近く、ひと休憩入れてから二回戦に挑んでいたりする。当時はマスターズ文庫で新たな需要を喚起しようとしていた時代でもある。

本当は四人の人妻と結ばれてからの「その先」を読みたかったのだが、尻切れになったのは残念でならない。
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tag : 社会人主人公 熟女限定

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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