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金澤潤「誘惑未亡人オフィス」

金澤潤「誘惑未亡人オフィス」
(フランス書院文庫、2005年4月、表紙イラスト:坂内和則)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)




【あらすじ】

建設会社の部長の神崎は建築士の麗美から仕事欲しさに色仕掛けで迫られるが約束の当日に断られ、受付嬢の真央とデートすることに。これがきっかけで彼女と不倫関係に陥るが、ある日密会していたのを麗美に見られてしまう。麗美とも関係を持った神崎はある日、隣人の娘である杏奈が酔って寝込んでいたのを保護するが…。

【登場人物】

神崎淳
45歳。二部上場の建設会社の取締役営業部長で、分譲マンションの建築発注を担当しており、39歳の妻と高校生の息子がいる。

細久保麗美
35歳。業界で頭角を現しつつある一級建築士で、神崎の会社が担当する案件を聞き付けて色仕掛けで迫ってくる。西欧系の彫りの深い美貌に、カールされた栗色のセミロングの髪型が似合う知的な美女だが、未亡人ながらも性には奥手で誘っておきながら恥じらう一面も。Eカップ。

桜田真央
24歳。神崎が働く会社の受付嬢で入社4年目。笑顔が可愛らしいストレートのセミロングの髪型の美女。セックスに関しては貪欲で、神崎も持て余す位の積極さ。Eカップ。

村瀬杏奈
18歳の高校生。父親は私鉄のターミナルデパートの仕入部長で、神崎家の隣に両親と三人で暮らしている。両親が干渉しないのを良い事に夜に遊びに出掛けていたが、ある日酔って寝込んでいた所を神崎に保護される。男性経験は数える位で、神崎には初め父親のように甘えていたが、セックスを知り淫らになっていく。

【展開】

新築マンションの案件を担当させて欲しいと仄めかし麗美からバレエ観賞に誘われた神崎は色仕掛けかと甘い期待をするが、ドタキャンされて真央を誘い酔った彼女を介抱する羽目に。数日後真央からお礼にと二人でコンサートに向かった後ホテルのバーで飲んでいると、真央が飲み過ぎたと言い出し部屋を取り休息を取ることに。神崎は真央が落ち着くまでと時間潰しに缶ビールを飲むが逆に自分が酔い潰れてしまい、気が付くと真央に裸で肌を密着させられ驚くが、神崎は我慢の限界だと抱く羽目になる。

神崎は真央と関係を深めて行くが、ある日麗美にホテルから出た所を見られてしまう。数日後見られた負い目もあって神崎は先手を打ち、麗美にマンション設計を依頼するとホテルの喫茶店で話をした後バーで一緒に酒を飲むが、麗美から酔ってしまったとモーションを掛けられ部屋を取る。自分から誘っておきながら服を脱がされ恥じらう麗美を見て、神崎は愛撫もそこそこに彼女を抱くのであった。

こうして神崎は麗美とも逢瀬を重ねていくが、次第に真央の無邪気さや性欲の強さに辟易するようになる。そんなある日神崎は麗美とホテルへ向かう途中で真央が若手社員と並んで歩く姿を見掛けて安心するが、その数日後一人で帰宅する途中で杏奈に誘われる。小料理屋で酒を飲むと千鳥足になった神崎は杏奈に誘われるままラブホテルへ連れていかれ、何とか理性を保とうとするも一緒に風呂に入り瑞々しい裸体を見せられ彼女と関係してしまう。

1ヵ月後久し振りに真央を抱く機会を得た神崎は、再三否定しているにも関わらずしつこく麗美との関係を疑われげんなりするが、ホテルから出た所で麗美が部下の課長と共にネオン街へ消えていくのを見て嫉妬する気持ちと共に、これで真央の追及から逃れられると安堵する。数日後麗美の口から一度きりの約束で抱かれただけと聞かされた神崎は、真央と同じように女には別の顔を持っていると感慨を抱くのだった。

師走も迎えたある日仕事中にも関わらず杏奈に呼び出された神崎は約束の場所へ向かうと、杏奈の父親に続いて自分の妻も車で相次いでホテルに入っていくのを見届ける。二人の関係を知って神崎は自分も杏奈と関係していて怒れる立場ではなく、寧ろ隣人の娘を抱いているという罪悪感が薄れ安心する。三人の女と関係を続けつつ、ある日帰宅した神崎はガリ勉の筈の息子が彼女を抱いているのを知り、それを黙認している妻に対して改めて女は表裏の顔を使い分けていて、それに気付かない男はつくづく馬鹿なものだと実感する。

【レビュー】

タイトルから受ける印象とは違い、主人公である40代の部長である男が取引先の建築士や受付嬢、挙げ句には隣人の娘とまで相次いでホテルで密会を重ねていくのが本作の主な流れで、情交場面がメインというほどは濃密とは言えず、スポーツ紙のアダルト面での連載記事を一冊の本に纏めたかのような趣である。

基本的に主人公目線で描かれヒロインの側からの心理描写は皆無と言える位だが、そんなヒロインたちは隣人の娘を除いて他の男との関係を主人公に知られている。建築士は一度きりだと告白したり、受付嬢は惚けたりと主人公に対する愛情の強さを告げる割には、別の顔を持っているのだと気付く羽目になる。遂には妻が隣人と不倫していると知って、自分も三人の女性と浮気しているのだからと淡々とするのは、諦めに近い境地と言えるのかもしれない。

物語としては良く練られているが、官能小説として読むならばちょっと物足りなさが残る作品だったと思う。
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tag : デビュー作品

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
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