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楠木悠「艶夜(つや) 四人の未亡人」

楠木悠「艶夜(つや) 四人の未亡人」
(フランス書院文庫、2010年2月、表紙イラスト:左静怡)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)




【あらすじ】

恋人にフラれ失業した成司は、格安の条件で彩乃が管理するアパートへ入居する。彼女に一目惚れし相手も満更でもない様子だが、そんな折に住人である三人の未亡人に誘われて成司は次々に関係を持ってしまう…。

【登場人物】

久世成司
28歳。東京23区の外れにある「広谷コーポ」の101号室の住人。3ヵ月前に恋人と破局し、しかも勤務先の会社が倒産した為に現在は無職となり、彩乃が管理するアパートへ引っ越したばかり。学生時代に水泳をしており、筋肉質でタフな青年。

広谷彩乃
36歳。「広谷コーポ」のオーナーで3Fに住んでおり、3年前に事故で夫を亡くしたものの子供はいない。癒し系の美貌と90cmFカップのグラマラスな肢体を持つおっとりとした性格の未亡人。自立支援を踏まえ、安い家賃で女性たちを住まわせている。

岡島沙紀
33歳。201号室の住人。170cm近い上背に人工的なまでの美しさを併せ持つ綺麗な看護師。未亡人らしいが、現在付き合っている男はいない。寂しさのあまり出会い系を通じて一度男と寝たものの、しつこく付き纏われ困っている様子との事だが…。

須田容子
38歳。202号室の住人で、エキゾチックで男形が似合いそうな美女。ひとり息子を亡き夫の実家に預けたまま一人で暮らしている。非常勤の体育教師で若い頃トライアスロンをしていた為か、アスリートのように引き締まった肢体の持ち主。

笹本智枝子
36歳。近所のディスカウントストアに勤めている103号室の住人。和装が似合いそうな古風な顔立ちとふっくらした肢体が魅力的な美女で、6年前に夫を喪っている。彩乃とは20年近い友達付き合い。

【展開】

成司が引っ越して来た週末の晩に歓迎会と称し、四人の熟女が部屋に押し掛けた揚げ句上半身裸にされ写真まで撮られるが、宴を終えてふと携帯の呼び出し音に気付き沙紀が忘れていったものと分かり部屋へ届けにいく羽目に。実はきっかけを作る為の芝居だと知り沙紀の求めに応じると、初めは口で、更に屈曲位で、最後はバックで肛穴を貫く。

四日後の木曜日に彩乃の部屋に向かおうとしていた成司は、容子に呼び止められ彼女の部屋へ向かうと、隣室の沙紀がひとり遊びに浸る喘ぎ声を聞かされる。つまり沙紀との関係は露呈していると容子に誘われるが、蒸れた汗の匂いが好きだというリクエストに応じ、先にフィットネスで汗をかいた後ラブホテルに向かう。互いに汗の匂いを嗅いで高まると成司は正常位から屈曲位で射精するが、先に果ててしまった容子を四つん這いにし叱咤激励するかのように尻を叩きながら二回戦に突入する。

翌日曜日に智枝子から部屋に来るように言われ夜に訪ねた成司は、遠回しに彩乃にアタックしてみたらと持ち掛けられる。しかし意図が掴めない成司が躊躇っていると、今度は切り札とばかりに二人の熟女との関係を彩乃にばらされたくなかったら口止め料代わりに自分を抱くように逆ギレ気味に求められる。結局こうなるのかと開き直った成司はボディスーツを着たままの智枝子を抱くが、彩乃の話は本人から頼まれたのだと聞かされる。
彩乃の本心を知った成司は二階の二人とも関係を終わらせねばと考えるが、タイミング悪く沙紀から連絡が入り部屋へ呼び出される。沙紀は容子を連れ込み三人で楽しもうと提案するが、成司は部屋に行く前に秘薬を飲んだ上でこれが最後だと決意し、二人同時の奉仕を受けたり逆に二人の前後の穴を犯し抜く。

狂乱の一夜を過ごしてから五日後自宅に戻った成司は部屋の電気が点かない事に気付き、智枝子と示し合わせたシナリオの通り彩乃の部屋に向かい歓待を受ける。成司が勧めたシャンパンの酔いもあって彩乃に誘われ、口唇奉仕を受けた後で寝室に移動する。舞台裏を明かそうとした彩乃の口をふさいで口付けを交わした後、成司は得意の屈曲位で立て続けに膣内に射精すると、更に後ろの穴も所望して日付が変わる頃まで繋がり合う。

1ヵ月後成司の再就職祝いとして熟女三人を招き、彩乃の部屋で祝賀会が開かれることとなった。そのパーティでは亡き夫が作らせた淫具を装着出来る下着を彩乃に履かせ、三人の前で焦らしプレイを行う手筈となっていた。しかし成司は加減が効かずに彩乃を失禁寸前まで追い込んで倒れさせてしまい、急遽三人を帰す事となる。
寝室に移動し彩乃が上になって交わっていると、そこへ三人がやって来る。成司の悪巧みで彩乃に更なる羞恥を与える筈が逆に怒りを買った上に、三人もお預けばかりだと抗議し、結局成司がお仕置きを受ける羽目になる。射精寸前の成司のペニスを奪って跨がり射精を受け止めた彩乃は、三人に本番は駄目だと釘を刺した上で、成司の舌や指を玩具のように使って良いと告げると、自らはアナルに挿入し乱れた夜を明かすのであった。

成司が101号室を去ってから三ヵ月後、早くも二人目の住人となった青年の引っ越しの挨拶を見守る成司は、女住人が増えて五人となったアパートでまた熟女たちの慰み者になるのかと同情する。一方でまだ交わった事のない二人も抱いてみたいと邪な考えに浸っていると、彩乃から浮気は許さないとばかりに叱られ苦笑いを浮かべるのであった。

【レビュー】

本命の彩乃とその他熟女未亡人たちとの扱いにはっきりと濃淡を付ける描写は、これまでの楠木悠作品と特別変わった点はない。前半は相次いで未亡人たちに誘惑を仕掛けられ、主人公も何だかんだ言いながらも据え膳食わぬは…とばかりに手を出している。未亡人たちにはそれぞれ事情があっての入居の筈だが、作中ではそこまで深く踏み込んだ記述はなく、その代わりに主人公に抱かれるまでの種明かしのような部分はしっかり書かれている。

後半の彩乃に関しては作中で身体の相性だけは良かった甲斐性の無い亡き夫に躾けられたという点は何度か出て来るし、友人である未亡人の一人に頼んで芝居掛かった誘惑を仕掛けてもいる。彼女だけを見れば今までの作品とは違い、他のヒロインとの乱交に頁を割き過ぎてもの足りないという事はなく、濃厚な情交描写である。

この頃になると補正下着云々の拘りや倒錯めいた情交描写は鳴りを潜めており、先述の通り明け透けなまでのヒロインたちの誘惑を見ると、全員未亡人設定でなくても問題ないのではなかろうか。一人位は訳あって夫と別居中のヒロインを出しても良かったのかもしれない。その位安直過ぎる印象が否めなかったのだが…。

DSKさんのブログでも本作を紹介なさっています。
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艶夜(つや)-四人の未亡人(著:楠木悠、フランス書院文庫)


これで楠木悠作品の紹介は一通り終わりとなります。2013年10月の「彼女の母は美熟女」以来音沙汰の無い状況なのが気になりますが、何せ4年近いブランクがあっても作品を刊行される方もいらっしゃいますから、気長に待ちたいところです。本作より前、その前と遡っていくと刊行ペースが1年以上空いており、その間で楠木悠名義の作風が変わったというよりは、フランス書院文庫内での売れ筋の変化の方が原因なのかなと思われます。

そんな楠木悠作品の特徴として、「補正下着に執着する熟女フェチで、精力溢れる巨根青年主人公」であり、本命とその他ヒロインとの扱いに差を付けている点が基本スペックとなっており、情交描写の濃密さと軽いタッチながらも品のあるストーリー性の高さも挙げられるかと思います。
しかし本作を刊行する頃には、「誘惑に至るまでの種明かし」、「『サンピー』という表現」、「複数プレイになるとED治療薬を服用」といった描写がお約束となり、「フェティシュ」が代名詞であるあのベテラン作家とよく似た表現を多用なさっています。(あちらは女性の身に付けるものや、排泄されるものに拘りを持つ巨根少年と、ここは大きな違いがありますが…。)

ベテラン作家さんも暫くフランス書院文庫でお目に掛かっていないのは残念ではありますが、他社レーベルにてコンスタントに作品を刊行なされていますので、機会があればそちらも紹介出来ればと思います。
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tag : 社会人主人公 熟女限定

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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