FC2ブログ

秋川泉「運命の熟女 二人だけの同窓会」

秋川泉「運命の熟女 二人だけの同窓会」
(フランス書院文庫、2004年5月、表紙イラスト:小玉英章)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)

【あらすじ】

一年間札幌に単身赴任する事になった岩田だったが、怪我の介抱をした女子大生の奈美に関係を迫られ抱いてしまう。そんな中生保レディの陽子が気掛かりで助けたのをきっかけに彼女とも肉体関係となるが、何と岩田の中学時代からの憧れの人だと知り関係を深めていく。しかしそこへ部下の里香からも一方的に求められ、事態は思わぬ方向へ進んでいく。

【登場人物】

岩田
37歳。化学メーカーの技術者で、新設工場に技術指導の為単身赴任で一年間札幌にやって来た。妻と娘は東京に残しているが、期間限定の独り暮らしだと喜んでいる。中学時代に一時期母校に在籍していた美術部の先輩の陽子に一目惚れし、今もその面影を求めている。

高島陽子
38歳。生命保険会社のセールスレディ。かつて岩田と同じ中学校にいたが、父親の仕事の関係で転校を繰り返す学校生活だった。高校生の時からは札幌市在住。19歳の時に初婚し娘をもうけたが夫は3年で死別、教職に就いて3年前に再婚したが間もなく性格の不一致で離婚している。

高島奈美
19歳。陽子と親同士が従兄弟の間柄で、教職時代の彼女の教え子でもある。通学中に岩田のアパートの前で通り掛かりの自転車と接触し、怪我をしたところを彼に介抱されたのをきっかけに親しい関係に。男性経験はある様子。

松井里香
23歳。岩田の転勤先の職場の部下にあたるOLだが、思い込みが激しくマイペース、しかもコケティッシュな性的魅力に溢れている。突然岩田に接近し押しの強さで破滅に導いていくが、本人は意図してやっている訳ではなく欲望に忠実なだけである。

【展開】

怪我をした奈美を部屋に連れ込み介抱してあげた事から親しい関係になった岩田は、ある日彼女から抱いて欲しいと告げられ一度は躊躇うが、瑞々しい身体に魅了され肉体関係を結ぶ事になる。
そんな折営業で度々職場を訪ねていた陽子が押しの弱さから苦戦しているのを気に掛けていた岩田だったが、その晩偶々夕食をとっていた飲食店で上司に関係を迫られ困っている彼女を見掛けると、その男を殴って彼女を連れ出す。ホテルに向かおうとする岩田に対し、意外にも拒む素振りを見せない陽子を見て奈美に何処か似ているなと感じながらも抱くのであった。

数日後の昼休みに里香から突然手作り弁当を手渡された岩田は困惑しつつも、用事があるから後で食べると断り奈美と会っていたが、暫く会うのを避けていた負い目から会社を早退してデートに付き合わされる羽目になる。その週末突然部屋に押し掛けて来た里香から赤いロープを渡された岩田は、縛って犯して欲しいと言われ蠱惑的な魅力に抗し切れずに彼女とも関係を結んでしまう。
ある日陽子から次の就職先が決まったと連絡を受けた岩田は、逢う約束を取り付けると夕食を共にした後彼女の部屋に招かれる。何気なしに彼女のアルバムを見て初恋の人が陽子だとやっと気付いた岩田に対し、陽子もあの時に好きだったと打ち明けられ身体を合わせるが、情事を終えて再びアルバムを見ると奈美が別の写真に写っているのを発見し母娘だと早合点し罪悪感を抱くのであった。

翌朝部屋を訪ねて来た奈美に誘われ会社をズル休みして遊園地でデートをした岩田は彼女の部屋まで送って行くが、自分を避けているようだと痛いところを付かれる。更に会社では里香が露骨に態度を露わにし始めた事で危機感を抱きつつも、就業中に屋上で交わる事に拒めずにいるのであった。
奈美や里香の誘惑に抗し切れずにいた岩田はある日陽子と公園で逢っていると奈美と鉢合わせになり、更に数日後には部屋に押し掛けて来た里香の口唇奉仕を受けていた現場も奈美に見られてしまう。追い返そうと取り繕う岩田をよそに、里香に挑発された奈美は女同士のまぐわいや口唇奉仕を競わされる羽目になる。

里香との関係が職場で持ち切りになり立場が危うくなった岩田はトイレに行こうとすると、里香に迫られて女子トイレで交わる事になるが、他の女子社員が来ても彼女の喘ぎ声を抑えられずに行為を続けてしまう。最早これまでだと会社を抜け出した岩田は奈美と陽子の二人と出会うが、恐れていた通り奈美が告げ口し関係を陽子に知られる。
奈美を送る途中で岩田のアパートの前を通り過ぎようとした時彼女からもう一度だけと求められ、岩田はこれで奈美とは最後にしようと決意する。そして1ヵ月後本社に戻ることになった岩田は、陽子に対して家庭を捨ててでもと賭けに出るが、穏やかな口調でたしなめられてしまい失敗に終わってしまう。

東京に戻り元の生活を送る筈だった岩田だったが、休暇を取った里香に押し掛けられてしまい、妻に嘘をつき連日のように外泊を繰り返し彼女との情交に溺れるのであった…。

【レビュー】

秋川泉名義としては本作のみの刊行であるが、話の組み立ては綿密な割りには肝心の情交描写は前戯も本番もあっさりとし過ぎている事から、個人的には他の作家の別名義というよりは燃え尽き型のワンポイントなのではないかと感じた次第である。この「あっさり感」は2004年という時期を見れば及第点ながらも、頁数を考えるとヒロイン三人が多過ぎた面も否めない。

「運命の熟女」である陽子との再会で主人公が不倫関係に溺れていくという大筋の流れは間違っていないのだが、女子大生の奈美や職場の部下である里香にも関係を迫られ同時進行な訳なので、題名の通りには話が進まないのである。そのモヤモヤ感が個人的には読後のイマイチさに繋がっているような気がする。

陽子と奈美は遠縁の関係であるが、どうせなら年齢差からして母娘丼という流れも出来ただろうし、何より里香に関しては緊縛や奈美との百合プレイ、社内の女子トイレでの情交といった賑やかな描写に比べても二人を押し出すような出しゃばり感が鼻に付いてしまったのは残念である。母娘で主人公を巡る嫉妬の応酬を挟みながらの流れの方がスッキリと纏まり、一回の描写に掛けられる頁数も多く出来たのではと思う。

DSKさんのブログでも本作を紹介なさっています。
運命の熟女 (フランス書院文庫)(2004/05/31)秋川 泉商品詳細を見る★★★★☆ 単身赴任中に勃発したモテ期は女性陣が一枚上手, 2012/9/24目下のところ「秋川泉」名義で唯一の作品。サブタイトルの『二人だけの同窓会』から主人公とヒロインの1対1をイメージするが、実際は1人ではなく、冒頭から女子大生が出てきたり、中盤からは勤務先の若い女子社員も出てきたりと賑やかである。そして、37歳の会社員主人公が長年想いを募らせて...
運命の熟女-二人だけの同窓会(著:秋川泉、フランス書院文庫)

関連記事

tag : 社会人主人公 熟女限定

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

運命の熟女-二人だけの同窓会(著:秋川泉、フランス書院文庫)

2004/5/23 発売 運命の熟女-二人だけの同窓会著:秋川泉、フランス書院文庫 → Amazonはコチラから。 → Kindle版はコチラから。 → ハイブリッド書店【honto】はコチラ。〈電子書籍〉 → ひかりTVブックはコチラ。〈電子書籍〉 → 総合電子書籍ストア【BookLive!】はコチラ。 単身赴任先で再会した初恋の女性は、 美しく艶やかな未亡人に変わって...

コメント

非公開コメント

プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

〈リンク・トラックバック〉
基本的にフリーですし、特にお知らせ頂かなくて構いません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
RSSリンクの表示
カウンター
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR