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綾野晃士「Love Letter【隣りの熟婦人】」

綾野晃士「Love Letter【隣りの熟婦人】」
(フランス書院文庫、2003年8月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)

【あらすじ】

マンション建設の反対運動を主導する正邦と美沙子は互いに惹かれ、電子メールで卑猥なラブレターを交わし合う。始めは美沙子が主導して関係を結ぶが、温泉旅行をきっかけに正邦が荒々しく貫く情交にも次第に順応していく。しかし…。

【登場人物】

坂崎正邦
50歳を過ぎて建設会社を早期退職し、たまたま地域のマンション建設の反対運動に興味を抱いた。持てる知見の高さから反対運動の代表に就き、その人柄に惹かれた美沙子から告白され不倫関係を持つ。妻との間に娘が一人いる。

長谷美沙子
32歳。正邦の隣人で結婚3年目で夫を病気で失い、彼との思い出が残る自宅を守ろうとマンション建設の反対運動に関わる。未亡人である故に周囲から失礼な事を言われたらしく男性不審に陥っていたが、正邦の優しさに次第に関係を深めていく。結婚する前は高校教師だった。

【展開】

地上げ屋紛いの行為を繰り返すマンション建設業者の悪評を知り、今度は自分の元にやって来ると怯えた美沙子は正邦に同席してもらいその場をしのぐが、執拗に訪問する業者への対応を見て次第に惹かれ電子メールでやり取りを繰り返す。ある日気疲れのあまり正邦宅で酔い潰れるが、介抱しただけで衝動を抑えたという彼に優しさと物足りなさを抱くのだった。

1ヵ月後昂る気持ちを抑えられなくなった美沙子は正邦の気持ちを確かめようと自宅に呼び、シースルーの下着姿で現れる。正邦に荒々しく身体を求められ関係を結んだ美沙子は、徐々に淫らな本性を見せ始めて正邦を教え子に見立て女教師プレイをしたり、ベランダ越しに正邦の妻と会話している最中に目を盗んで交わったりと関係を楽しむ。

ある日美沙子と二人で温泉旅行に出掛けた正邦は凌辱願望を叶えたいと、彼女を後ろ手に縛ってバイブレーターで快感を与えながら後背位で貫き絶頂に導く。一方の美沙子も緊縛の快感が忘れられず夏祭りの晩に打ち合わせと称して正邦を自宅に招くと、麻縄で縛って欲しいと求めアナル処女を捧げる。そんな爛れた関係はこれからも続くと思われたが…。

【レビュー】

「中高年の星」と称する芸能人や、今なら人気俳優の名前をもじったかのような綾野晃士名義の刊行も本作のみとなっている。タイトル通り中年男と未亡人との「ラブレター」のやり取りで終始した意欲作であり、文中には第三者の俯瞰視点での描写は一切無いのが特徴的で、更に時代を象徴するかのようにやり取りは全て電子メールである。

メールのやり取りだけで全てを描写しきれる訳でもなく文中に舞台設定を述べる場面もあるが、却って抜け落ちている設定の部分を読み手が楽しむという点でなかなか面白い試みだと思う。ただ本作で気になったのは、50代男と30代女の情交にしては実に描写が幼いという点で、これなら(本名義で頻繁に使われる)20代男を老けさせただけのようである。その構想や意欲は評価したいが…。
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tag : 社会人主人公 熟女限定 デビュー作品

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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