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神楽稜「おんな武士道 さむらい母娘」

神楽稜「おんな武士道 さむらい母娘」
(フランス書院時代艶文庫、2011年10月、表紙イラスト:浅野隆広)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)

【あらすじ】

隣家の滝田道場を営む美枝に憧れを抱く慎次郎、彼女の娘の碧との何気ない日々は、ある日松波藩で跡目を巡るお家騒動に発展し、彼ら三人もその巻き添えを食らうのであった。

【登場人物】

井口慎次郎
17歳。諱は高広。家石30石の松波藩の藩士の跡取り息子。現在は父親の元で藩の職務を手伝っている。幼馴染みの碧だけでなく、母親の美枝に対しても想いを寄せている。まだ女性経験はない。

喜多村美枝
35歳。実家は藩武塾の滝田道場を営んでおり、師範代に相当する剣術の持ち主。家石50石の喜多村家に嫁ぐものの、5つ歳上の夫が藩のお家騒動の真相を嗅ぎ付けた為に辻斬りと見せ掛け主馬に殺害されている。夫と藩家老の坂木との間でかつて美枝の取り合いになっていた事も殺害の一因。

喜多村碧
17歳。美枝の娘で剣術では慎次郎を上回っている。馬鹿呼ばわりしているものの、幼馴染みの慎次郎の事を好いている。長い髪を後ろで束ね、気が強い性格の生娘。父の無念を晴らそうとして坂木一味を探っていた所、捕らえられてしまう。

坂木大膳
42歳。松波藩家老で字は喜平次。病に臥せった藩主の後継者で養子に迎えた大学頭を廃嫡し、病弱で幼い藩主の嫡男の鶴丸を据えようと画策。喜多村が真相を知り、幕府に謀反の疑いありと直訴状を出す算段になったのをみて、主馬を使い殺害させている。

佐々木主馬
見た目は30代に見える若々しく脂ぎった太男。坂木の私的な部下で、田舎から女を買い漁り御用商人などに払い下げていたりと影の仕事を請け負っている。

【展開】

城務めが始まり滝田道場を訪ねた慎次郎は1年振りに碧と手合わせするが、美枝に見取れているのを見抜かれて籠手を打たれ手当てを受ける。その晩美枝は夫に抱かれるが、その後の寝話で家老の坂木が良からぬ企みを抱いていると聞き不安を抱くのであった。

数日後喜多村が辻斬りに遭い殺害されたと聞いた慎次郎は、前夜に血の付いた服を着たのを不審に感じて後を付け、坂木邸に入っていった男こそが下手人だと察し主馬を尾行する。しかしある日慎次郎の元に男装をした碧が現れ、仇討ちの機会だと主馬を追い掛けるものの、なす術もなく碧は捕らえられてしまう。

その頃坂木の一味から言伝てを受けた美枝は碧が捕らえられたと知るが、苛立ちを見せる慎次郎には落ち着くように伝えると翌朝一人で坂木邸に乗り込む。坂木と話をした後に地下牢に向かうと、そこで主馬に愛撫されただけで失禁絶頂した碧を目にするも純潔は奪われていないと知り、自分が身代わりになると申し出る。

娘の目の前で坂木に犯され失神した美枝は翌朝なおも反抗的な態度を見せるが、碧を解放するには坂木の子を孕んでからと約束を反故にされ、娘と相舐めさせられた後で再び坂木に犯される。更に碧にも毒牙が向けられようとした瞬間銃声が響き、滝田師の助けを借りた慎次郎が剣士たちを引き連れて邸宅に乗り込む。丸裸で抵抗も出来ず降伏した坂木をよそに主馬は逃亡を図ろうとするが、美枝に切り付けられ見事仇討ちを果たすのであった。

お家騒動も収束し慎次郎と碧の祝言が執り行われようとしたある日、碧は主馬に口や指で犯されたものの純潔は守ったと告げ、慎次郎に抱いて欲しいと求める。無事情交を済ませた碧は坂木に犯された美枝を慰めてあげて欲しいと案に三角関係を認めるが、幼馴染みの嬉しそうな表情に本妻は自分だと主張し彼の体をつねるのだった。

【レビュー】

「フランス書院文庫パラダイス」のみの出番だと思われた本名義での約5年振りの作品は、時代小説に官能小説のエッセンスを詰め込んだ「時代艶文庫」である。2015年現在は全18冊中15冊が電子書籍化されているが、本作を含めた3作品は未だに電子化されていない。
神楽稜名義の他の作品も含めて巽飛呂彦氏が書いたものと見立てると、確かに「縄で縛り上げる(吊し上げる)」点は2000年以前の凌辱作風に見られたし、「終盤で母娘がレズ行為に及ぶ」点は今も使われる誘惑作品での重要な要素の一つであり共通点は多い。(最も分かりやすいのはオノマトペであるが…。)

本作に関する他の読者レビューを見ると、「あの人気作品」の主人公とヒロインの一人とのやり取りを思い起こさせるとあり、なかなか鋭い所を突いているなと思う。(本文で「馬鹿慎次郎」と多用されているので分かると思うが…。)

確かに母娘が悪漢たちに凌辱されても武士の妻、娘たらんと気高くあろうとする描写には物足りなさを感じざるを得ないが、本作のメインが娘の碧でそしかも童貞の主人公との情交描写が最後になる以上、母親の美枝が家老に二度犯される部分で補うしかない。但し官能描写に傾倒するあまり藩主の嫡男が妾に逆凌辱されたり、悪漢たちが村娘を手荒く扱う描写はやや蛇足に過ぎた感も否めないし、またお家騒動云々は別に無くても成立したので中途半端な印象が残った。
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tag : 童貞 処女 母娘丼

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にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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