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砂原純「ルームシェア【危険な共同生活】」

砂原純「ルームシェア【危険な共同生活】」
(フランス書院文庫、2012年3月、表紙イラスト:川島健太郎)

ネタバレ有り。御注意下さい。
2016年2月22日レビュー再編集。

作品紹介(公式ホームページ)

ルームシェア【危険な共同生活】
砂原 純
フランス書院
2014-06-17



【あらすじ】

会社の倒産で失業した晴人が、義姉の由希子が他の女性とルームシェアしているマンションに同居させてもらうが、ルームメイトでストーカーに悩む未亡人の弥生や、幼なじみでナースのエリカと立て続けに深い関係になる。

【登場人物】

中村晴人
25歳。晴人が6歳の時に父と由希子の母が再婚し義理の姉弟の関係となったが、勤めていた会社が倒産した為、由希子の部屋に居候する事になった。目下再就職先を探している。

中村由希子
26歳。高校の国語教師で晴人の義姉。清楚で愛らしくスレンダーな容姿の女性。Cカップ。幼い頃は晴人やエリカと3人でお医者さんごっこをした程の仲良し。エリカや弥生とルームシェアしている。男性関係は全く無いため処女。

林エリカ
27歳。由希子と晴人の幼馴染みで小児科の看護師。由希子や弥生とルームシェア仲間。世話焼きで甘えるような語尾を伸ばした口調が特徴。水泳部出身で背が高く小麦色の肌でモデル体型だが、本人は大女だとコンプレックスに感じている。処女。

三原弥生
30代の未亡人。丁寧な口調で上品さを醸し出しているが、性には奔放で悪戯が過ぎる面も。 小柄だがグラマラスでFカップの美女。由希子やエリカとルームシェアをしているがストーカーに付きまとわれているらしく、用心棒として晴人の同居に賛成した。

【展開】

由希子たちの部屋に居候を始めた翌朝、晴人はトイレの前で罠に掛かり弥生にトイレに連れ込まれてしまう。手にしていた下着と朝勃ちしたペニスが動かぬ証拠だと変態呼ばわりされて証拠写真まで撮られてしまい、更に出掛けたと思っていた義姉に具合が悪いのと声を掛けられ、晴人は弥生にされるがまま手コキや口唇奉仕を受け射精する。更にパイズリフェラから弥生の顔面へ二度目の精を浴びせてしまい、罪悪感を抱くのだった。

由希子の代わりに共用区間や浴室の清掃を済ませ一風呂浴びようとしていた晴人だが、そこへ夜勤から帰宅したエリカがやって来てしまう。女らしくなった彼女の肢体に欲情したのを隠そうとするものの、執拗なまでのスキンシップの果てに口唇奉仕で射精する。お返しにとエリカの秘所を指で弄っていると、彼女の口から直接感じたいと告げられ騎乗位で繋がるが、頑なに処女であることを隠そうとする意地らしさに惹かれながら共に絶頂を迎える。

翌日の晩に晴人は週一の収支報告の場で由希子の目の前にも関わらず、両隣りに座った弥生とエリカの露骨過ぎる密着に辟易しながらも二人の秘所に指を向けて絶頂へ導く。テレビ映画を観ようと明かりを落とした部屋で、義姉に見られるかもしれないという緊張感の中で弥生の口唇奉仕で晴人は射精するが、再び勃起に触れられ自棄気味に手コキを強要させる。頃合いを見計らって部屋を去ったことから由希子が握っていたと知って驚くが、当の由希子も義弟の強引さに当惑し二人に毒牙を向けさせまいと処女の身体を差し出し対面座位で結ばれる。

ある日弥生は晴人を誘って由希子やエリカの本心を聞き出そうと思い付き、彼の部屋で服を脱ぎ全身タイツ姿で挑発する。示し合わせた通り弥生の部屋のクローゼットに隠れていた二人は駅弁スタイルで繋がったまま部屋にやって来た晴人と弥生の情交を覗き見る。姉弟相姦なんてと躊躇う由希子はエリカに説得され部屋に出て来て三人で奪い合いになるが、仲良くシェアしようと提案しそれぞれ晴人から中出しされる。二度目の情交に満足した由希子をよそに、弥生やエリカは二回戦を申し出てハーレムはまだまだ続きそうである。

【レビュー】

帯には「神瀬知巳氏が大推薦」という宣伝文句が有り活躍が期待された新人であったが、2016年現在では本作のみの刊行に終わっている。ルームシェアという題材は、本作の前後にも山口陽氏や巽飛呂彦氏など複数の作家の手により用いられているが、本作では更に官能面に特化した作風に仕上がっている。

その点を考慮してもハニートラップを仕掛ける未亡人の積極さは山口氏の得意とするヒロインと共通ところではあるが、幼馴染みはともかく義姉までも処女に設定したせいか元から主人公ラブな一面はあるにせよ、展開に唐突過ぎるきらいがしなくもない。端的に申し上げるなら、先輩作家の美味しい部分を繋ぎ合わせて仕上げた印象を受ける。従ってデビューしたのは良いが、その先で行き詰まってしまったのではないかと推測する次第である。

中盤では積極的過ぎる未亡人にやり返す描写はあるものの、基本的には彼女の手のひらで転がされてしまったような印象の主人公だが、こうしたフランス書院文庫の「甘えん坊系」の作風はこの年を境に「荒ぶる主人公」路線へと違った展開を見せていくのは興味深いところである。

【2012年のトピックス】

本作品と絡めて、この年のフランス書院文庫の誘惑路線にどのような変化が見られるようになったのか、振り返りたいと思います。全ての作品が編集方針に沿って同じ方向性を示すとは思いませんが、ある程度の傾向が見られるのではないでしょうか。

①「荒ぶる」主人公路線の台頭

恵まれない環境に置かれた主人公が年上ヒロインに癒され…というのが従来の甘々路線ならば、強引な手段で迫るというのが「荒ぶる」タイプとなりますね。しかしこの路線になると凌辱作風の作風でも頻繁に見られるようにもなり、翌年には「強引な和姦」という作風にも繋がっていきます。

神瀬知巳「若妻女教師と新人女教師」

若妻女教師と新人女教師
神瀬 知巳
フランス書院
2014-07-08



継子より実子に愛情を注ぐ継母と対立した主人公は、自分と同じ痛みを理解してくれる新人女教師と初体験に至るが、端から彼女に騙されていると思い込む若妻女教師から糾弾を受け…。元々は別の題名で短期連載していた作品がベースとなっています。

上原稜「同級生の母娘【初体験の家】」

同級生の母娘【初体験の家】
上原 稜
フランス書院
2014-07-04



父親の愛人から望まぬ性交を迫られ荒んだ主人公だが、保護した母娘が同級生の一家だと知り、始めはぎすぎすした関係ながらも母娘ハーレムで結ばれます。

秋月耕太「先輩の妻【タブー】」

先輩の妻【タブー】
秋月 耕太
フランス書院
2014-07-18



主人公は憧れの先輩の妻と一緒に飲んでいる内に、妖しい雰囲気となり彼女と関係を持つ。その内に彼女の姉の性的な不満を解消して欲しいと頼まれ、主人公は強気な態度に打って出る。最後の辺りは少し脱線気味な印象でしょうか。

河里一伸「三姉妹【あやつる】」

三姉妹【あやつる】
河里 一伸
フランス書院
2014-07-15



誘惑路線が続いていた作者でしたが、本作からはマインドコントロールを主題とした作品を刊行し続けます。

②「甘々路線」の衰退

「誘惑第四世代」とも名付けられたそうですが、こうした甘々路線も次第に行き詰まりを見せていき、先に挙げた①の路線に変わっていきます。

葵泰比呂「働くお姉さん・隣りのお姉さん」

働くお姉さん・隣りのお姉さん
葵 泰比呂
フランス書院
2014-07-01



東雲理人「今夜のママは甘すぎる」

今夜のママは甘すぎる
東雲 理人
フランス書院
2014-07-18



犬飼龍司さんは誘惑路線に転じていましたが、下記の作品を最後に凌辱路線へ戻っています。

犬飼龍司「【誘惑三重奏】私立高校生徒会」

【誘惑三重奏】私立高校生徒会
犬飼 龍司
フランス書院
2014-07-08



③新世代の台頭

2012年は官能大賞関連の受賞がなく新人作家のデビューも少ない年でしたが、高杉圭さんは元々別のペンネームで官能作品をネット公開されており、黒本デビュー作品が好評な内に次の作品では凌辱作風に挑みました。

高杉圭「年上三姉妹【癒し旅行】」

年上三姉妹【癒し旅行】
高杉 圭
フランス書院
2014-06-10



高杉圭「彼女の母は僕の言いなり」

彼女の母は僕の言いなり
高杉 圭
フランス書院
2014-06-24



リアルドリーム文庫で活躍していた庵乃音人さんは、今や黒本のみならず複数のレーベルで作品を出されており、注目を浴びている方の一人でしょう。

庵乃音人「妻の姉【二週間の秘園】」

妻の姉【二週間の秘園】
庵乃 音人
フランス書院
2014-06-27



逆にこの年を最後に新堂麗太さんの新作の刊行が無くなっています。ブランクも長いことから同じ名前での復活の可能性は低いでしょうけど、もしかしたら…と思わせる事象もありますので、そうなれば良いなくらいに期待しようと考えています。

人妻バス旅行【蕩ける】
新堂 麗太
フランス書院
2014-06-27

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tag : 社会人主人公

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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