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星野聖「この夜が終わるまで 彼女は友人の妻」

星野聖「この夜が終わるまで 彼女は友人の妻」
(フランス書院文庫、2003年6月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)

【あらすじ】

学生時代に告白出来ずに友人の妻になってしまった操と久し振りに再会した渡辺だが、ある日上京した彼女から事情は聞かずに抱いて欲しいと求められ情交に至る。操と逢瀬を重ねる内に友人が入院していると噂を聞くと、真相を確かめに病院へ向かう。

【登場人物】

渡辺智雄
41歳。小さな不動産屋に勤めているしがない会社員。妻子はいる。大学時代の写真サークルで操に一目惚れしたものの、女性の扱いに長けた友人の後藤に奪われて以来連絡を取っていない。

後藤操
37歳。旧姓・二階堂。静岡の名家で生まれ育った清楚な雰囲気を湛えた美女。渡辺に好意を抱いていたが口に出せず、後藤のごり押しに負けて結婚に至ったが、彼の女遊びに辟易していた。数ヵ月前に後藤が脳梗塞で倒れ寝たきりになり、彼の実家に近い病院に転院し週に数回通っている。

【展開】

ある日渡辺は不動産屋を訪ねて来た操に対し、複雑な思いを抱きながらも物件を案内するが、部屋に入るなり彼女から理由は聞かずに抱いて欲しいと求められ、生で繋がるものの膣外に射精する。数日後再び同じ物件で自らを辱しめるようにオナニーを披露して挑発する操にかつて抱いていた清廉な印象とは違うと思いつつも、渡辺は膣内の奥深く精を吐き出すのだった。

三度目の夜に渡辺はホテルの一室で操から用意された麻縄で好きなように縛って欲しいと求められるが、彼には後ろ手に彼女を縛る事しか思い付かずにいつもより激しい口調で責め立てる。こうして操と逢瀬を重ねていく渡辺だが、ある日妻から後藤が脳梗塞で入院しているらしいと友人から電話があった事を告げられ衝撃を受ける。

操と逢う約束をしていたある日夜を待てずに連絡を取った渡辺は、後藤の入院している病院を聞き出し病室を訪ねる。生気を感じられない旧友の姿にいたたまれなくなり操に誘われてリネン室で情交を交わすが、彼女が別れるつもりはなくだからこそ自分を求めたのだと知りけじめを付けようと考える。
週末に彼女の郷里にある夫婦が暮らすマンションを訪ねた渡辺は学生時代に叶わなかった彼女の写真を撮り、生まれたままの姿も収める。そしてベランダに面した窓に彼女の身体を押し付け、外から見られるかもしれないと羞恥を与えながら最後の交わりを終えるのだった。

【レビュー】

本作で「第1回フランス書院文庫官能大賞特別賞」を受賞された「星野聖」名義でのデビュー作品だが、因みにこの第1回は現役教師で女流作家の白石澪さんが「官能大賞」を受賞なさっているメモリアルな回でもある。

白石澪『人妻・同窓会の夜に』(マスターズ文庫)
作品紹介(公式ホームページ)

大賞作品が同窓会での再会、特別賞作品が友人の妻といずれも男性側、ヒロイン側のいずれの年齢も高めに設定している点はいずれにも共通するところであり、恐らくはレーベル側の意図する形での出発となったのではと推測する。

「1vs.1」のシンプルな設定と43歳と38歳の既婚者同士が静かに燃え上がるかのような情交を繰り返すのは即物的なエロを求める層とは違うだろうし、そもそもこの時代のフランス書院文庫は端的に表すと、「ハードな調教凌辱」か「倒錯的な近親相姦」のいずれかという時期でもある。従って本作はレーベルの活性化を企図したものではないかと思う。

本作でのデビュー以降12作品を刊行した作者だが、色々と試行錯誤の繰り返しであるのが伺える。誘惑作風に転じてからは特に年1作品ペースに落ちていたが、何処かで心機一転を図りたかったのかもしれない。星野聖名義での刊行が途絶えて早くも4年となるが、その後に付いては確たる証拠が無いので恐らくは…という指摘に留めておきたいと思う。

・中年男と既婚者ヒロインによるラブロマンス路線
本作~「絶対禁忌 妻の友人と…」まで(2003年から2004年)

・短編集主体(凌辱作品含む)
「最高の秘姦【タブー】 六人の人妻」~「六人の隣人 白昼の背徳」(2004年から2006年まで)

・試行錯誤期
誘惑作風の「【三人の美乳】黒い下着の熟妻」、凌辱短編集の「制服秘書室【四人の美囚】」(2007年)

・活動再開・誘惑作風へ
「【人妻初体験】先生の奥さん」(2009年)
「年下の義姉」(2010年)
「四人の女高校教師【ご褒美】」(2011年)
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tag : 社会人主人公 熟女限定 デビュー作品 1vs.1

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
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