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上条麗南「の・ぞ・く【六匹の人妻】」

上条麗南「の・ぞ・く【六匹の人妻】」
(フランス書院文庫、2015年1月、表紙イラスト:村山潤一)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)

【あらすじ】

ある者は村のしきたりで、別の者は夫の犯した罪を償う為に…。夫ではない別の男に抱かれる妻は、自分には見せない淫らな顔を隠し持っていた。人妻ヒロインの「寝盗られ」を題材にした短編6作品を集録。

【登場人物】

短編集で人数が多い為、ヒロインのみ章題の後に括弧書きで載せます。

【展開】

第一話:村の旧習 "盆かか"の生贄にされた若妻(志保・27歳)
父の跡を継ぎ村長に立候補するという夫に従い、彼の実家である山奥の村にやって来た志保。しかし夫には多額の借金があり、村長になって借金を帳消しにしてもらう代わりに、「盆かか」という村の儀式の生贄として従弟の豪太に抱かれる密約が…。

第二話:自己犠牲 新妻が見舞いに来ない訳(美菜・24歳)
会社の規定に反しマイカーで出勤する途中に正面衝突を起こした夫の為に、美菜は部長の言いなりになり毎晩のように抱かれてしまう。暫く振りに見舞いに来た彼女は夫の隣のベッドで部長と交わるが、眠ったと思っていた夫は…。

第三話:夫婦交換 試される絆(佳那・30歳)
年上の夫に懇願され、温泉旅館でスワッピング雑誌で知り合った夫妻と顔を合わせる佳那。婦人の手馴れた愛撫の果てに貝合わせで絶頂に導かれると、相手の男に口唇奉仕する。そして夫が眼を輝かせながら、婦人と交わっているのを目の当たりに…。

第四話:妻が、娘が… 屈辱の「代理母」契約(真由美・38歳)
運送業を営む夫がヤミ金まで手を出した代償として、真由美はブローカーを通じて初老の資産家の邸宅に家族で住み込みで代理母としての務めを果たす。高校生の娘まで代理母の契約をさせていたと知った真由美が毎日行われる子作りの果てに下した決断は…。

第五話:夫は見た! 少年たちの牝にされる妻(加奈子・32歳)
夫が顧問を務める天文学部の観察旅行の引率を手伝いに山奥の村に来た加奈子は部長の少年に1年振りに犯されるが、翌晩体調不良を訴える2人の部員の看病を口実にペンションに残る事に。しかしその選択は新たな凌辱劇の始まりに過ぎなかった…。

第六話:輪姦(まわ)された妻 町の共有奴隷にされて(綾美・28歳)
少子高齢化の進む中、国家を挙げた出産奨励策から逃れようと綾美は夫と共に逃亡を図ろうとするが途中で捕まり、「忌避者」として自宅に連れ戻されると別ルートで捕まった夫の見守る前で強制執行され媚薬を飲んだ男たちに凌辱されてしまう…。

【レビュー】

デビューから3作品続けて少年主人公による典型的な凌辱作品を書いてきた女流作家の新刊は、ヒロイン全員が人妻で「寝盗られ」を題材とした短編集である。
短編集の宿命として情交描写がピークアウトした時点で終わってしまうのが残念だが、新人作家と言われる割にはやはり「手慣れている」印象を感じさせるし、だからこその纏まりの良さにも繋がっていると思われる。
因みに各章は微妙にリンクを窺わせる描写があり、第一話と第五話の舞台は同じ村だったり(登場人物に繋がりはない)、第三話を除く他の作品同士で同じ名前が出て来たりと共通の世界観を築こうとしているように感じられた。

今後作品を重ねるのに当たりどのような方向性に持っていくか見極める試みなのか、第三話のようにスワッピングを題材にしたソフトなものから、第六話のような「国家政策」の名の元にハードな責めを展開させる物語まで様々な作風が連ねられている。
その選択は作者に委ねられており個人的には前者のような合意の上の「寝盗られ」の流れであれば歓迎だが、後者のような設定段階からハードルが高いものを書かれてしまうと読むのを躊躇するかもしれない。
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tag : 短編集

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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