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河里一伸「弟嫁【言いなり】」

河里一伸「弟嫁【言いなり】」
(フランス書院文庫、2014年11月、表紙イラスト:村山潤一)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)

【あらすじ】

引きこもりの晴雄は弟の結婚に伴い奈都美とつぐみ姉妹と気まずい雰囲気の中で同居生活を始めたが、ある日両親の遺品整理をしていると古い懐中電灯を見付け、不規則な点灯を見て卒倒したのを見て姉妹を催眠に陥らせて調教しようと悪い企みを抱く。

【登場人物】

井本晴雄
30歳。両親を飛行機事故で失い、2つ下の弟と同居していた。性格は内向的で定職に就かずにいる中、更に両親の遺産や補償金で多額の金が手に入り、奈都美姉妹からは不労収得で遊んで暮らしているとして冷遇されている。童貞。

井本奈都美
26歳。晴雄の2つ下の弟の妻で、結婚してからつぐみを連れて同居生活を始めてから2ヵ月目になる。150cm台と小柄ながらも女性らしい丸みを帯びた肉感的な身体付き。
結婚前は税理士事務所で働いていた。晴雄に対しては表面的には義兄として立ててはいるが、言動の節々には蔑む一面が見え隠れする。

笹野つぐみ
20歳。奈都美の実妹で教職を目指し大学の教育学部に通っている。両親が蒸発して以来施設に預けられ苦労して成長して来ただけに、ニート状態の晴雄に対してはあからさまに毛嫌いしている。家事に関しては不得手な為やむを得ず晴雄や姉夫妻と同居を選択。処女。

【展開】

弟の海外出張で奈都美姉妹と気まずい同居生活を送る晴雄だが、ある日両親の遺品整理をしていると古びた懐中電灯を見付け、接触不良なのかその不規則な点滅に気を取られ意識を失う。
そこへつぐみが晴雄の作業が遅いのを見て部屋にやって来るなり減らず口を叩くのを見て好奇心から電灯の光を見せると、彼女をトランス状態に陥らせ自分をご主人様と呼ぶよう仕向け困惑する義妹の反応を楽しむのだった。

最終目的はあくまでも奈都美と考えつつもつぐみを自由に出来ると喜ぶ晴雄は、弟嫁が外出したのを見計らいつぐみの処女を奪うと、心から隷属させてやろうと記憶を書き換えて自分好みの女に仕立てる。

数日後つぐみから奈都美が自分たちの仲を疑い始めていると聞かされた晴雄は、機先を制しようと電灯の不具合を見て欲しいと彼女を呼び付け点滅を覗かせトランス状態にすると自ら進んで情交に及ぶよう仕向ける。
その中で晴雄は自分が奈都美の夫だと信じ込ませようと記憶を操作するが、彼女の性技巧が弟に仕込まれたものと知って嫉妬し、別の暗示を掛けて「嫌な筈の義兄」と情交しているのだと敢えて自分の存在を気付かせ、彼女を精神的に弄ぶのだった。

奈都美は晴雄を尊敬するように態度が軟化するも、心の底では蔑んでおり夫に助けを求めようとしても掛けられた催眠の影響で思うようにいかず、頼みのつぐみもすっかり洗脳されたと知り次第に心身のバランスを崩していく。
弟の帰宅が近付いたある日晴雄は仕上げとばかりに奈都美の暗示を解き弟夫妻の寝室でつぐみを貫く所を見せ付けると、最早精神的に限界に来ていた奈都美も仲間に加わり更には帰宅した弟にも暗示を掛け、姉妹を独り占めにする日々を送るのだった。

【レビュー】

多人数の催眠ハーレムものの作風が続いた作者は今回ヒロイン視点での物語の展開を試みようとしたらしいのだが、メインが弟嫁の奈都美、サブにその妹のつぐみというシンプルな配置とは言え、展開はこれまでの作品とほぼ同じように思える。

作者による著作紹介

冒頭で主人公が毛嫌いされる背景を手短に纏めた上で、確かに家庭環境に恵まれず努力して来たのを背景にした姉妹の蔑むような態度を見れば、幾ばくかは仕方が無いのかなと頷ける部分もある。
高学歴な割にはあまり頭の良さを感じさせない奈都美と、幾ら主人公が嫌いだとは言え教職を目指すのには言動が蓮っ葉なイメージが拭えないつぐみの姉妹の設定が「高嶺の花」を堕とすのとは少々違っていたように思える。

とは言え処女を奪われ堕ちたつぐみの態度の豹変振りが早すぎるきらいもあるが、奈都美に関してはなかなか堕ちない焦燥感を上手く描いており、ともすれば流れをトレースしてしまいがちな部分を上手く工夫していると思う。
ヒロインを姉妹に絞った事によりそれぞれの攻略において作者の得意とする細かい記述が程よいバランスで作用し、暴力ではなく精神的に凌辱していくプロセスは楽しめただろう。

一方主人公が姉妹に暗示を掛け堕としていく段階においては、段取りの良さが目に付いてしまう。こうした催眠ものはリアリティを追求するとこぢんまりとするし、逆にあまりに全知全能振りを発揮すると白けてしまう。
個人的に作者の細かい記述は個性だとしても、「~にならないように、××の暗示も掛けていた」と繰り返し後付けを連発すると、読んでいて行ったり来たりを繰り返してしまいテンポの悪さを感じさせる。
人間のする事だからつぐみの暗示が途中で解けてしまったり、奈都美にはなかなか通用しなくて力付くで情交を結んだりなど、催眠に頼りきりにならずにラスト位は主人公の主体性を見せる機会があると良かったかもしれない。

ここ数作品フランス書院文庫や美少女文庫でこうした催眠ものを展開して来た作者に取っては互いに似た作風になり過ぎる懸念も無くもないが、今度はどんな手段を使うのか次作以降も非常に気になる所である。

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悪魔のカメラで催眠支配! ツンツン同級生も新体操部も先生も (美少女文庫えすかれ)posted with amazlet at 14.12.26河里 一伸 フランス書院 Amazon.co.jpで詳細を見る12月発売のえすかれ美少女文庫の新刊です。読み終わったので、レビューです。主人公は、写真部に所属している男子学生です。しかし、そんな彼は今、窮地に立たされている状態でした。このままでは写真部が、廃部になってしまうという危機的状況だったのです。そん...
えすかれ美少女文庫 悪魔のカメラで催眠支配! ツンツン同級生も新体操部も先生も レビュー


こちらはカメラですね。

4月刊行の作品はコチラです。仮タイトルが『催眠電話』でしたね。登場人物にメインヒロインの女教師、他に女子大生、高校生とありますから三姉妹ものと推測しますが…。
⇒女教師、隣りの幼馴染み大学生、クラスメイトでした。

『青獣の囁き 今夜、女教師が僕の奴隷になる』
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tag : 社会人主人公 童貞 姉妹丼 処女

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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