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鮫島次郎「熟女【独占】」

鮫島次郎「熟女【独占】」
(フランス書院文庫、2008年1月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。

熟女“独占” (フランス書院文庫)
鮫島 次郎
フランス書院
2008-01-23



【あらすじ】

隣家の久仁子に想いを寄せ続ける浩也は自分の誕生日に彼女に筆下ろししてもらおうと意気込むが、それに気付いた叔母の三重子の計略により彼女と初体験を迎え、更に母親の友人の由美子とも関係を持ってしまう。出遅れた久仁子は計略に気付き、浩也を取り戻そうと逆襲に打って出る事に。

【登場人物】

百々地浩也
今年大学に入学したばかりの青年。中学の時に隣家の久仁子に連れられて海水浴へ行った際に、目にした彼女の水着姿に悩殺されて以来、ずっと秘めやかな想いを抱いている。久仁子の息子とは幼馴染み。童貞。

平松久仁子
浩也の隣に住み、夫と息子との3人暮らし。夫婦仲は決して悪くは無いが、仕事の都合で離れて暮らしており、月に1回の逢瀬を楽しみにしている。噂話に余念のない主婦たちからは別の男と逢っていると誤解され、浩也は快く思っていない。

百々地三重子
浩也の父方の叔母で久仁子の友人。7年前に夫を亡くして以来、独りで暮らしている。占いを趣味としており、気が向いた時には路地で占い師として商売をしている。甥の浩也に対しては「ボク」呼ばわりし、可愛がっている様子。

片山由美子
浩也の母親の友人だが、浩也自身は大した面識がない。ある日浩也が久仁子夫妻を付け回している途中で先輩と路上で話している際に、由美子が不倫相手とホテルに入る所を見られたと早合点し、口封じに誘惑しようと試みる。

【展開】

久仁子の水着姿に魅了され想いを寄せ続ける浩也は、ある日彼女から平松家の鍵を預かる事に。ちょっとした出来心から留守の家に上がり込み、久仁子の下着を見付け牝臭に惹かれた浩也は堪らず精を放出してしまう。
一方帰宅した久仁子も部屋の違和感に気付き、数日後有りもしない用事で留守にして浩也に鍵を預けてクローゼットに潜んでいると、予想通り浩也が悪戯するのを目の当たりにし、その晩に彼を想いながら一人遊びに耽るのであった。

数日後百々地家を尋ねようとした三重子は出会った甥の値踏みするかのような視線を感じ、ここ最近街で見掛ける浩也の不審な行動と義姉の言動から久仁子と何かあると嗅ぎ付け、機先を制して彼女に浩也と親密にならぬように釘を差すのだった。
三重子の発言に動揺した久仁子は浩也とのデートをドタキャンするが、事情を知らない浩也は失望して暴言を吐き、街で知り合った占い師(三重子)の勧めに従い叔父の七回忌の後に泊まりに行くと、三重子の手解きで童貞を卒業する。

久仁子を出し抜いた自責の念から、三重子は不倫の口封じにと頻繁に浩也と逢う由美子も巻き込もうと占う振りをして二人を接近させようと目論む。秘密の共有を口実に浩也に抱かれた由美子は自分の被虐性に目覚め、若者の言いなりになるのだった。

ドタキャンの一件からすっかり浩也と縁遠くなってしまった久仁子だが、息子から浩也が他の女と付き合っていると聞かされる。数日後喫茶店で待ち伏せしていると、相次いで由美子や三重子と逢っているのを知り浩也を取り戻そうと一計を案じる。
半月後浩也に機先を制され家にやって来たのを機会に、久仁子は2人の女性の存在を口に出し若者を詰る。あくまでも久仁子が一番だと涙ながらに告白する浩也を受け入れた久仁子は、全てが欲しいと言う彼に従い3つの口に精を浴びせられるのだった。

こうしてベランダに干された下着を合図に品番に逢瀬を重ねるようになった浩也だが、ある日平松家を訪ねると全裸で拘束された三重子の姿を目にする。久仁子に迫られるまま情交を見せ付けるが、三重子も罪の意識を抱いていたと知り3Pに興じる。
すっかりいたぶられる事に快感を覚えた由美子にも「お仕置き」をしようと目論む浩也は、ある日由美子の自宅で和服姿のまま縛り付けると久仁子を招き情交を披露した後で、久仁子におさねを舐めさせながら後背位で由美子を貫くのだった。

1年後20歳の誕生日を迎えた浩也は、それぞれに着飾った熟女たちを独占出来る喜びに浸りながら、彼女たちの「悪巧み」に乗せられ幸せを感じるのであった。

【レビュー】

投稿生小説、アンソロジーの短編を経て、長編はこれが初めてとなる作者は現在までにフランス書院文庫では本作を含め7作品を刊行しているが、残念ながら公式サイトから電子書籍としての発売は無い状況である。
但し電子書籍としては、フランス書院文庫時代の作品を再編成して個人出版の形でKindleで発売している上新作も出しているので、興味のある方は作者の名前で検索してみると宜しいだろう。作者の拘る部分に触れられると思う。




本作に話を戻すと、既に2作品を出した実績から自分の型をはっきり主張しており、作者の描く熟女のしたたかさ、それに伴う行き過ぎた滑稽さがツボに嵌まれば楽しめる作風に違いない。
個人的には熟女だからこその奥深さ、人妻や未亡人の慎みからもたらされる羞じらいを求めるといま一つもの足りないような気がするし、主人公の若さから来るやりたがりな上に早射ちで駆け足気味の情交描写と何処かで醒めた感のある計算高い人物像はイマイチちぐはぐだと思う。

とは言え、当時のフランス書院文庫の「熟女路線」の一翼を担う貴重な存在であり、本作以降も基本的なスタンスは変わらないでいた事から、こうした作風に根強いファンもいたのだろうと推察される。
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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