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香住一之真「美熟女瞳殺『いっそ、奥まで』」

香住一之真「美熟女瞳殺『いっそ、奥まで』」
(フランス書院文庫、2015年1月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。

作品紹介(公式ホームページ)




【あらすじ】

大学に入り憧れの商品を手に入れる為、先輩の紹介で都内の会社に住み込みで働く事になった勇樹だが、作業主任や社長夫人、弁当屋の店員、更には隣人妻と次々に親しい関係に陥り、更に…。

【登場人物】

南条勇樹
19歳。ある国際大学に通う1年生で囲碁部に所属。憧れの碁笥(ごし…碁石を入れる容器)を手に入れる為、部長の紹介で都内郊外のぬいぐるみ製造の工芸会社に住み込みでアルバイトする事になった。両親は亡くなり、祖父母と同居。童貞

小川涼子
35歳。藤沢工芸で勇樹の直属の上司に当たる作業主任。ブラウンの短い髪に理知的な顔立ちの美女で左官工の夫と小学校に通う息子と3人で暮らしている。当初から勇樹に好意的な印象で、何処かで勇樹のアプローチを待っている様子。

丘野つや子
41歳。下宿の近くにある手作り弁当屋に勤めており、背が高く肉感的な肢体の女性。5年前に夫を亡くし中学校に通う娘と二人で暮らしている。足繁く通う勇樹に当初から好感を抱いており、事ある度にオンナの扱いをアドバイスしてあげる。

戸田美鈴
31歳。下宿の隣の一軒家に住む若妻で、勇樹が息子の相手をしてあげたのをきっかけに夕飯をご馳走になるようになる。夫は仕事人間で不在がちで一男一女の母親だが、華やかな印象を与える女性。

藤沢登貴恵
39歳。夫と共に工芸の会社を営んでおり、羽振りは良く高級外車を乗り回している。ひとり娘がおり勇樹に恋心を抱いていると知って、何かと甲斐甲斐しく世話を焼いている。小柄でカールさせた黒髪に豊満なバストの持ち主で和風で淑やかな印象の女性。

【展開】

アルバイト初日に主任の涼子や登貴恵母娘、帰りにはつや子や美鈴と美人だらけの境遇に意気込む勇樹は、その晩は登貴恵をおかずに性欲を発散させる。

翌日帰宅前に涼子と鉢合わせになり身体に触れ、更に彼女の肩を揉むなど親しくなる勇樹だが、その日の帰り偶々下宿の軒先で雨宿りしていたつや子を部屋に招き入れると、彼女から本気で無い限りはいやという言葉は逆の意味だとアドバイスを受ける。翌週勇樹は涼子から仕事が終わっても残るようにと誘われ、物欲しげな勇樹の視線に惹かれてしまったと告白されるとつや子の言う事は本当だと納得しながら、会社の倉庫で初体験を果たすのだった。

涼子からまた機会が有ったらと言われつつなかなかチャンスに恵まれない中で勇樹は登貴恵夫人の来訪を受けたり、美鈴と親しくなり夕飯をご馳走になったりするが、ある日つや子が雨宿りのお礼に料理を振る舞うと来訪を約束する。流しに立つつや子の姿に挑発された勇樹は脇に立つと美尻に触れるが、責任は取れる?と切り返される。そんな勇樹を見たつや子は女性経験は有るかと問い、自分で良かったらと騎乗位で交わり、勇樹の求めに応じて口唇奉仕から二回戦に挑むのだった。

翌週涼子から誘われた勇樹は約束の日の朝に登貴恵夫人の来訪を受け、彼女から好意を持たれていると知り、自分のアルバイトの目的を打ち明けた後で涼子の自宅を訪ねるが、彼女の義母の来訪を受けてお預けとなってしまう。勇樹が部屋に戻ると今度は美鈴から明日の夕飯にすき焼きでもと誘われ、翌月曜日に涼子から昨日のお詫びにと仕事終わりに慌ただしく一戦交えると、戸田家を訪ねると主人も子供も居ないという状況にお約束通りだと思いつつ美鈴と関係を結ぶのだった。

自宅に戻り美鈴との2回目が避妊具無しだと焦った勇樹は美鈴とコンタクトを取り、翌週末に逢って話をする。彼女に主導権を握られるも妊娠話が嘘だと分かり夫婦の寝室で一戦交えるが、部屋に戻ると登貴恵が待ち構えていて密通が発覚する。性病に掛かっていないか検査するという登貴恵にぺニスを握られ呆気なく射精した勇樹だが、暫く夫に抱かれておらず枯れてしまったと呟く夫人を説得すると彼女の見た淫夢を再現しようと2人で会社の事務所に向かうのだった。

会社が休みと有って羽目を外しイメージプレイに興じる勇樹だが、そこへ内職で材料を取りにやって来た涼子が覗き見しているのに気付き中へ引き込む。アクメの余韻に浸る夫人をよそに隣の更衣室で涼子を抱くが、登貴恵に見付かってしまう。登貴恵と涼子を交互に貫き激しい3Pに興奮し意識を失った勇樹だが、目を覚ますと既に日が暮れて真っ暗になった事務所の机に自分に宛てた包みが置いてあり中身を目にすると、思わぬ幸運に恵まれたものだと歓喜するのだった。

【レビュー】

「第13回フランス書院文庫官能大賞特別賞」を受賞した作品で、その荒削りな文体から賛否両論の末選出されたという事である。
確かに第12回新人賞の七海優氏の「僕の下宿生活 美母娘vs.女教師」がフランス書院文庫のフォーマットに沿った万人向けの書体に比べるとあまりにも独特だし、読み進めて世界観を理解するのには少々難しいのかもしれない。

個人的には文中で多用される「あ~n」など一部の喘ぎ声や擬音に独自性を感じつつも、読んでいてその流れを断ち切ってしまうような奇抜な表現は、少々難が有るのかなと思う。官能小説は主たる目的からすると難解で独特な考えさせられる表現は些か致命的なのだが、主人公が何故熟女で無ければならないのか訴え掛ける部分はやはりフランス書院文庫の世界観に沿ったもので、受賞の理由を見出だすとしたらその部分だろうか。

主人公に取ってはメインは社長夫人の登貴恵で彼女も初めから娘の恋人候補に相応しいと感じていた節があり、ヒロインたちが言う彼の物欲しげな視線そのものが本タイトルの「瞳殺(どうさつ)」を指すのではなかろうか。
そこに作業主任の涼子や弁当屋の店員であるつや子、隣人妻の美鈴も当初から主人公に対し好意的で、アプローチが大して無いままに関係を結ぶのはやや安易かなと感じさせる一方で、主人公もその安易さに気付いていてラッキーとは感じつつも、途中からあまり深入りしない方がと何処かで冷静に考えたりしている小狡い面が見え隠れしている。

こうした特徴はショタコンめいた愛情を注ぎ、時には笑いを誘うような熟女たちの行動形式、そしてやりたがりながらも何処か冷静な男子という鮫島次郎氏の作品群とよく似ており、作者が何らかの影響を受けたのではと推測するがいかがだろうか。

幾分脱線した話になりますが、2015年1月のもう一人の新人の鮎川晃氏の場合は「」を使って擬音を表現するのが独創的だけれど、ハーフのヒロインの描写ではカタカナ混じりで英語を口走る表現が加わります。こうなると無意識の内に何て言っているのか一字一句を追ってしまい、エッチな雰囲気というよりはコメディに感じられるので、個人的にはやり過ぎだと思います…。

まぁ、どう見ても弓月誠氏が書いているようにしか見えないのですが、気のせいですかね(苦笑)




【2016年6月10日追記】

2016年6月も新人さんがデビューなさいますがこちらの作品は熟女が3人登場することから、恐らく第15回フランス書院文庫官能大賞の特別賞受賞の作品ではないかなと思います。

偶然か否か受賞なさった方のイニシャルが一致していますしね。

編集部発(公式ホームページ)


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tag : デビュー作品 童貞 大学生主人公 熟女限定

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
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