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如月蓮「年上の隣人妻」

如月蓮「年上の隣人妻
(フランス書院文庫、2006年10月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

隣家の息子の家庭教師を頼まれた徹は次第におめかしする綾子に疑問を抱きつつも惹かれてしまうが、ある日彼女の不在の折りにパンティを見付け衝動的に持ち去ってしまう。しかしそれは若い男に飢えた女性たちが仕掛けた罠の始まりに過ぎなかった…。

【登場人物】

桜井徹
21歳。工学部の大学3年生。母親から頼まれ週に1回綾子の息子の家庭教師をしている。テニスのサークルに入っており、爽やかな印象を与える青年。女性経験は無い。

植草綾子
38歳。桜井家の左隣に住んでおり、夫と息子の3人家族。肩の辺りでカールさせた黒髪に清純そうな雰囲気を漂わせた女性。身長160cmと標準的な身長だが、細く括れたウェストと熟れたFカップのバストと張り出したヒップが魅力的。

西岡麻耶
27歳。最近桜井家の反対側の隣に越して来た若妻。栗色でカールした髪型に愛らしい顔付きで、155cmと小柄だが出る所は出た体型の女性。結婚して間もないが子供は居ない。

田所奈緒美
33歳。徹の階下の部屋に住む。165cmとスラッとした肢体と理知的な顔立ちとポニーテールの似合う溌剌とした女性。夫と共通の趣味でテニスに興じているが、麻耶から徹がテニスをすると聞かされ、臨時のパートナーとしてテニス大会に誘う。

【展開】

次第にお洒落な服装になっていく綾子に疑問を抱きつつ、ある水曜日に植草家にやって来た徹は所用で外出するからと留守番を頼まれ、その間に偶然洗濯物のパンティを見付け持ち出すが、翌週に発覚して涙を見せながら謝罪し綾子が好きだと告白する。
徹の扱いに悩みつつも家庭教師を続けてもらう事にした綾子は翌週に彼を早めに部屋へ呼び話し合おうとするが、関係を迫られ手コキで射精に導き口唇で清める。その場は息子の帰宅で中断し安堵するが、翌週に再び徹に迫られなし崩しに関係を持ってしまう。

数日後エレベーターで麻耶と偶然乗り合わせた徹はパソコンの初期設定をする約束を取り付けると、その週末に自室にあっさり招いた彼女に戸惑いつつも、配線を繋ごうと瑞々しい臀部を見せ付けて無防備な彼女に欲情する。
そんな徹の心理を見透かしていた麻耶はリビングに誘うなりわざとお茶を溢して徹のズボンを脱がせると、勃起を囃し立てながら下着を脱がせ手コキから口唇奉仕で射精に導くのだった。
1週間後再び麻耶からパソコンの画像処理の仕方を教えて欲しいと部屋に招かれ、大胆にも自分を撮ってという流れに徹はうつ伏せで卑猥な格好をさせる内に欲情し、彼女の求めに応じて後背位で交わり、更に翌日には夫が帰宅する直前テレフォンセックスに興じる。

そんな中で週末奈緒美と一緒にテニス大会に出た徹は意気投合しコーチを引き受けるが、密着しながら勃起してしまい、クラブハウスの女子更衣室で口唇奉仕の末喉奥に精を放つが、他の客が入って来た為本番はお預けに。
翌週末買い物中に夫と連れ立って奈緒美を見掛けた徹は激しい嫉妬に駆られ、夫と一緒に話しながらも電車の中で衝動的に彼女に痴漢行為に及んでしまう。
更に翌週テニスの帰りに公園の脇に車を停めさせると車中で奈緒美を押し倒すが、人目が気になると抵抗されると無理矢理デートの約束を取り付ける。

一度に3人の人妻と関係を持ったと有頂天になった徹だが、同じ日にデートの約束が有ると心配しつつも週末に奈緒美の部屋を訪れ、流行りの店に行こうと連れられて動揺する内に、麻耶と少し遅れて綾子までもやって来る。
万事休すと思われた瞬間、徹は奈緒美の口から3人があらかじめ示し合わせていたのだと知らされた徹はショックを受けつつも、シティホテルで求められるまま次々に交わる。

数日後引っ越して来たばかりの大人びた高校生の話で盛り上がる綾子と麻耶の前に、少年と親しげに話しながら奈緒美がやって来る。彼を見送った奈緒美は、今度は私が最初に味見をする番でしょうと不敵な笑みを浮かべるのだった。

【レビュー】

フランス書院文庫で稀少な女流作家という触れ込みで長編デビューを果たした作者もやはり当時のしきたりに倣い、先にアンソロジー作品で先輩作家に混じって短編を執筆している。

長編は初めてとは言え官能面では申し分無く、貞淑な綾子、若妻の麻耶、その中間の年齢でクール系の奈緒美と各々の情交場面は濃厚過ぎて寧ろ詰め込み過ぎな位とも言えなくもない。
1人2章ずつを使って展開される物語は最後に3人が一堂に会し乱れた4Pに発展していくのだが、その流れは登場人物が増減しつつも以降の如月蓮作品共通の黄金展開である。

良くも悪くもこの作者らしいのは、ヒロインたちの心理と行動との微妙なズレが有ったり、綾子には甘えながらも、他の2人にはいきなり強気になる主人公の言動に矛盾を感じさせたりと疑問を抱く点が少なくはない。
心と身体は相反するという女性の複雑な心理や、若者らしい主人公の独り善がりな面にもう少し説明が有った方がよりスムースな流れになったとは思うし、終盤に3人が示し合わせていたというのも前置きが無いだけに唐突である。
とは言え、全般的に穏やかな展開で女性目線も踏まえたヒロイン、特に終盤での人妻たちのしたたかさを描いた点が評価を受けたと見え、デビュー作品ながらも版を重ねるヒット作品となっている。


【おまけ】

デビュー作品がスマッシュヒットという事で2013年までに作品を重ねて来た如月蓮さんですが、2014年は刊行が有りませんでした。
私は如月さんは心機一転の出直しをされたものと思っていて、それが正しければ既に新しいペンネームで既に昨年2作品を出しているという事になるでしょう。

これで如月蓮さんの名義で新刊が出たらとんだ見当違いですが、その作家さんも基本的に如月蓮作品同様の展開、登場人物像を描いているので、ほぼ間違いはないと思います。
これは「名前が変わっても自分の書きたいものは今後も変わらない」という本人の意思表示では無いかと私は勝手に受け止めています。

余談ですが、黄金展開(悪く言えばマンネリ)を繰り返す作者ほどレビューは書きにくいもので、如月蓮作品の既刊レビューがなかなか進まない原因の一つでもあります…。

【トラックバック】

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年上の隣人妻(著:如月蓮、フランス書院文庫)

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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