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山口陽「僕と四人の隣人妻 日替わりハーレム生活」

山口陽「僕と四人の隣人妻 日替わりハーレム生活」(フランス書院文庫、2014年9月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

両親が田舎暮らしを始めたのに伴い実家で兄夫婦と暮らし続ける事になった拓夢は、3軒先の中井家の母親が怪我で入院し見舞いに行って再会したのをきっかけに、憧れのお姉ちゃんである桜と関係を持ってしまう。
立て続けに隣人の瑞穂やクリーニング店の店主の郁美、更には兄嫁の優子とも関係を持った拓夢は窮地に陥るが…。

【登場人物】

赤羽根拓夢
20歳。大学生。父親が定年を機に夫婦で田舎暮らしを始める事になり、年の離れた兄夫婦と一緒に実家に残り暮らす事になった。

赤羽根優子
30歳。拓夢の兄嫁。毛先に緩やかなカールの掛かったミディアムボブで、年相応に熟れた体つき。結婚して半年になるが、多忙を理由にセックスレスに陥っている。

中井桜
28歳。赤羽根家の3つ隣に住む中井家の長女で、7年前に結婚を機に県外の街で生活をしていたが、母親が怪我を負い入院した為、暫く実家に住む事に。拓夢の初恋の女性。40歳近い夫とは夫婦仲は円満だが、セックスの頻度が少ないのを気に掛けている。

月島瑞穂
38歳。赤羽根家の隣人で何かと一家を気に掛けている。7つ年上で婿養子の夫と結婚して15年になるが、夫婦の営みが無くなって久しく子供は居ない。グラマラスな体型で拓夢も関心を抱いている。

代々木郁美
36歳。夫の実家が営むクリーニング店を任されており、固定客も有って何とか保っている。他の3人より控えめなバストにかなりのコンプレックスを抱いており、夫がその手の店に行ったと知り昼間から自棄酒を飲んでいた所を拓夢に見付かる。

【展開】

中井家の母親が入院したと知り見舞いに行った拓夢は桜と再会して夕食に誘われ、すっかり大人の男になったと感心していた拓夢から憧れの人だと聞かされると、一晩だけという条件で拓夢の熱い迸りを受け止めるのだった。

数日後月島家へ届け物にやって来た拓夢は、セーラー服姿で豊満な肢体を見せ付ける瑞穂と遭遇する。
夫に関心を持ってもらおうと着替えていたのを見られてパニックになった瑞穂だが、凄くエロいという拓夢の言葉に喜びを感じ関係に至る。

両親が育てた作物のお裾分けにと代々木家を伺った拓夢。そこには夫がおっぱいパブに行ったと知り、コンプレックスを刺激されて自棄酒を煽る郁美の姿が。
何とかなだめすかそうとする拓夢だが、結局貧乳でも魅力的だと言わされ、悪酔いした郁美にのし掛かられて関係を持ってしまう。

そんな中セックスレスに耐えかねて夫を誘惑するも多忙を理由に断られプライドが傷付き燻った性欲を持て余した優子は、
翌朝皆が出掛けた後で洗い物をしようと拓夢の使った箸を見付け、彼の指先に見立てて愛撫しながらオナニーするが、兄嫁の様子に不審を抱き一旦帰宅した拓夢に見付かる。
欲求不満だろうと迫った拓夢は半ば強引に彼女を抱くが、そこへ兄も忘れ物を取りに引き返して来た為トイレに潜みハラハラしつつも、夫婦のやり取りを聞いて嫉妬し後背位で彼女を貫き射精する。

数日後看病疲れの桜を癒そうと、瑞穂の提案で優子や郁美を連れてショッピングに出掛ける。勝ち誇った表情の郁美の口ぶりから、全員が拓夢と関係したと知った4人は拓夢に罰を与えようと部屋で待ち構え、代わる代わる拓夢と交わり精を搾り取るのだった。
こうして交代で4人と関係を始めて3ヵ月後のある日、優子は嬉しそうに夫へ妊娠の事実を告げ、他の3人も同時にオメデタだと話しながら意味ありげな視線を向けられた拓夢は冷や汗を流すのだった。

【レビュー】

近年のフランス書院文庫において、弟レーベルである美少女文庫を主戦場とする作家の進出が増えており、作者もその一人である。既に作品数も11となり、今や誘惑作品のラインナップに欠かせない1人である。
これまでも複数の登場人物によるハーレムエンド作品を刊行しているが、フランス書院文庫では初めてヒロイン4人が登場する作品である。

各章で各個撃破、終盤でハーレム形成という至ってシンプルな形だが、残念ながらこれまでにもそうした話は他の作家によって書かれているし、特に目新しいと思われる部分や、工夫を感じさせる箇所は見当たらなかった。

各個撃破という進行だと主人公とヒロインとの関係や、ヒロインが夫との夜の生活に不満を抱き主人公と結ばれる背景に行を割く必要があるが、作者自身が懇切丁寧に描写しようとするあまり、一度で済ませれば良いのに場面転換するとまた説明し始めてしまっている。
これでは説明だけで1章分の限られたパートの前半を費やしている上、いざ情交場面となるとテクニックが稚拙な主人公の精力任せで何とも淡白な展開となり、これが4人分繰り返されるのだから途中で飽きてしまう。

弟のような主人公の成長を見てつい誘惑したくなった桜、夫を誘惑しようとセーラー服を来ているのを忘れ来客に応じた瑞穂、貧乳なのを気にして自棄酒を煽る郁美、欲求不満から義弟の箸を使ったオナニーをする優子と個々の設定は面白いものがある。
何とか目先を変えたチャレンジングをという意気込みは十分に分かるのだが、官能小説というよりは単にいやらしい人妻が登場するエロラノベといった趣であり、果たして作者の目指す方向は何処なのかがイマイチ見えて来ない。

単に欲求不満の人妻が無計画に若者とセックスを続けた結果、全員が妊娠に辿り着くのもあまりにも軽過ぎると思うし、これでは主人公が種馬扱いで夫への背徳感も殆ど感じられない。全員人妻にした理由は何だろうか。
美少女文庫の場合なら様々なファンタジー要素を盛り込めるのでその設定で楽しめるが、官能小説なら例えば全員人妻にした狙いをハッキリさせておかないと、終盤の懐妊ネタ頼みで「作者がこれまでに何回も使った題材」である。

巽飛呂彦氏の後継者たる「明るいコメディタッチの官能小説」を目指すのなら展開や文体にもう一工夫欲しいし、
「孕ませて終わるエロラノベ」で良しとするならばそれで突き進んでも良いのかもしれないが、現状は中途半端な印象である。
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tag : 大学生主人公 童貞 4人以上

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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