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里見翔「相姦蟻地獄」

里見翔「相姦蟻地獄」(フランス書院文庫、2007年8月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

受験を機に実母の美貴と相姦に陥り悩んでいた透は上の階に引っ越して来た奈央に興味を抱くが、そこへ友人から自分の母親の桜子を抱いて欲しいと唐突に頼まれ、会うなり積極的な彼女に溺れていく。

【登場人物】


19歳。大学受験を一浪し、今春より三流大学に入学した。実母の美貴とは今年の受験前日から定期的に体を重ねているが、何とか相姦の罪から抜け出そうと苦悶している。

美貴
39歳。透の実母で自宅から近い場所にあるブティックを経営している。158㎝、43㎏と小柄でスレンダーながらもDカップと肉感的に見える。透を溺愛し、受験前夜に彼の緊張を解すのを口実に肉体関係に陥っている。

倉田奈央
27歳。透の上の階に数ヵ月前に引っ越して来たばかり。2歳離れた弟の涼二と表面上は「夫婦」同然に暮らすが、5年前から相姦関係に陥っている。落ち着きのある性格で、透が美貴との関係から抜け出すきっかけになればと思いを寄せている。Cカップ。

長崎桜子
39歳。透の友人の母親で5年前に夫と離婚しており、現在は歯科医と結婚前提に付き合っている。再婚を阻止しようと友人から母親を抱いて欲しいと透に依頼するが…。美貴より大柄でFカップとグラマラスな体型。

【展開】

透は上の階に越して来た奈央と親しくなりアドレスを交換するも、涼二の目も有りきっかけが掴めず美貴を彼女に見立ててバックで激しく腰を遣うが、数日後友人の長崎から母親の桜子を抱いて欲しいと唐突に懇願される。

友人の言う通り桜子から積極的に迫られ関係を結んだ透は美貴との近親相姦を断つきっかけを掴んだと考えるが、実は相姦に悩んでいた美貴が桜子に依頼したもので、互いに仕組まれたものと口に出せずに2人は頻繁に情交を重ねるのだった。

秋に入りなかなか奈央と出逢う機会が無かった透だが、ある日マンションのエントランスで彼女と逢いデートの約束を交わす。数日後デートの最中に街角で涼二を見付けた奈央は激しく動揺し、透を連れて隣のインターチェンジまでタクシーで逃げる。
人目を避けるかの如く都合良く林立するホテルに入った透と奈央はこれ迄の鬱憤を晴らそうと激しく交合し、密会を重ねたある日に大晦日の晩に駆け落ちしようと約束をする。

透は別れを切り出せぬまま着飾った桜子を見て衝動的にレイプ紛いに貫くが、ある日友人から母親が歯科医と付き合っていて結婚間近なのだと聞かされ、自分とは単に遊びの関係に過ぎず、着飾ったのは暗に別れを仄めかしていたのだと知る。
一方奈央は駆け落ちに備えてスーツケースに荷物を詰めて隠していたのを涼二に気付かれ、激しく動揺し見捨てないでと懇願する弟に非情になり切れず、透に何も告げずに人目を忍び引っ越してしまう。
奈央が居なくなったと知り泥酔して帰宅した息子を介抱した美貴は、翌朝無理をする事はないと穏やかな笑みを浮かべて抱き締める。久し振りの交合をきっかけに関係を復活させた母子は、除夜の鐘の音を聞きながら2年越しの情交に浸るのだった。

【レビュー】

2007年の作品だが2000年代前半の雰囲気を色濃く残す「相姦=禁忌」を題材にしており、互いに肉欲に溺れながらもどこかで手を打たねばと主人公と母親の美貴がそれぞれの思惑から階上の部屋に住む奈央や主人公の友人の母親の桜子と関係していく。
「蟻地獄」というタイトル通り禁断の関係に踏み出す故の苦悩も描かれているが決してダークではないし、また相姦を全肯定するようなカラッとした明るさもなく、何とも形容しがたい作風である。

奈央は長らく弟と近親相姦の関係に有り主人公と同様に清算しようとしつつもずるずると続いてしまうジレンマが描かれているし、そんな人物同士をくっ付けさせようという着想は面白いと思う。
しかしこの姉弟の絡みがことある度に挟まれており、主人公でない男がヒロインとイチャイチャしたり、終盤では情けない程に奈央にすがって甘えるくだりは正直白けてしまったのでそこは個人的には残念である。

桜子は当初息子との相姦を断ち切る為に敢えて誘惑を仕掛けて欲しいと美貴から頼まれていたし、息子同士でも彼女を抱くのを依頼している。
友人が依頼した真相が明らかになるのは終盤で母親の再婚を阻止する為だが、逆算して考えると桜子は本命が居たのに主人公ともちょくちょく密会していた事になり、彼女の心理が掴めぬままなので単なる「好き者」のように見せたのはいただけない。

そして本命である筈の美貴とは序盤から相姦関係にあるとして無駄な前置きを省いた分爛れた日常が描かれていて良かったが、展開上やむを得ないとは言え終盤まで出番が少ないのは工夫の余地が有ったかもしれない。

作品全体で約250頁弱に対し10章というのは明らかに細かくし過ぎで、ある章は主人公と桜子、ある章は奈央姉弟と視点がコロコロと変わってしまい、短編を繋ぐだけになったのは残念で、あともう一歩という印象である。
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tag : デビュー作品 大学生主人公 母子相姦(実)

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にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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