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宇治薫「はんなりと… 年上の京おんな」

宇治薫「はんなりと… 年上の京おんな」(フランス書院文庫、2009年2月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

母親の親戚に当たる中岡家に引き取られた幸太は従姉の由里子に見初められて筆下ろしされると、2人の情交を覗き見ていた伯母の瑶子に関心を抱き、由里子に教わった情愛を施すが…。

【登場人物】

斉藤幸太
両親を事故で亡くし身寄りが無い為伯母に当たる中岡家に引き取られた。当時は中学2年の少年。後に由里子の娘である亜耶と入籍する。

中岡由里子
瑶子の長女。幸太が引き取られた当時は短大を卒業したばかりの20歳で花嫁修行を経て翌年には和菓子屋を営む山崎家へ嫁いたが、娘の亜耶を設けたものの幸太が忘れられずに4年後には離婚。亜耶は幸太との子だと確信している。

中岡瑶子
由里子の母親で幸太の母親の姉。8年前に酒造会社の当主だった夫を亡くしているが、現在も会社への影響力は大きくかなりの資産家である。幸太が引き取られた時は30代後半~40代前半と思われる。

【展開】

婚約者とのデートを終えて帰宅した由里子はその日中岡家に引き取られた幸太を見てすっかり気に入ると、数日後映画館へ一緒に出掛けて誘惑した後でその晩に部屋へ押し掛け、立て続けにフェラチオで射精させ童貞を奪ってしまう。
瑶子の目を盗み頻繁に夜這いを掛ける由里子は好奇心から自らを縛って交わるように幸太に要求するとあまりの快感に病み付きになり、次第に変態じみた蜜戯を繰り返し遂に婚家に嫁ぐ前に後ろの処女も捧げる事に。

翌年由里子の祝儀を終えたその晩、2人の逢瀬を知っていた瑶子は自分が娘の代わりに慰めてあげると幸太に申し出るが、少年が由里子と同じように荒々しく扱いたいと知ると恥じらいつつも激しい肉交を受け入れてしまう。
高校へ進学した幸太は娘を連れて帰省した由里子との交わりを縄で拘束した瑶子に盗聴させて焦らすと、今度は由里子にも母親との交わりを聞かせて仲間に加えて母娘3Pに溺れていく。

3年後附属の大学に進学した幸太は離婚し出戻って来た由里子と共に学業の合間を縫って週末にある時は瑶子、次の週末には由里子と2人がかりで他方を虐める変態じみた情交を繰り返すが…。
幸太が3回生になったある晩中岡家に侵入した2人組の男たちに母娘が犯され、そこへ帰宅した幸太が現場に遭遇し衝動的に凌辱魔を殴った揚げ句、1人を撲殺、もう1人に重傷を負わせたとして正当防衛が認められず殺人罪で服役する。

7年後出所して来た幸太を待ち受けた母娘は刑務所から程近い金沢の温泉旅館に歓待すると、痩せた幸太を見て憐れみ涙を流しながら相次いで腸肛に精を注がれ絶頂する。
母娘から大学への復学と由里子の娘・亜耶との婚約を提案された幸太は翌日中岡家に戻ると、美少女に成長した「娘」に目を見張りつつも浴室で彼女と接吻を交わしながら体を洗ってもらい感慨を深めるのだった。


【レビュー】

2009年第6回「フランス書院文庫官能大賞」受賞作品。本作以前に刊行が見当たらないので恐らくは新人作家と思われるが、大分ライトな方向にシフトされていたフランス書院文庫の誘惑路線の中では毛色の異なる調教要素を前面に打ち出した作品である。
出だしでほぼ結論を明示しつつも主人公の少年時代からの成長に章を重ねており、平素な場面では時代を感じさせる描写も多数用いられる一方で、情交描写では意外に現代的な面も有ったりと良い具合に応用を効かせていて興味深い。

始めは従姉の由里子に見初められ、逆夜這いを掛けられ主人公が童貞を喪失するまではいつもの誘惑路線と見せつつも、由里子から被虐願望を満たす為に少年を教育し幼き暴君に仕立てるまでの前半部、
由里子が嫁いだ後主人公が母親の瑶子をマゾ奴隷にしていき、実家に戻って来た由里子も交えて爛れた3Pを繰り広げる後半部と、ややダークな雰囲気も醸し出しながら作者の拘りである京女たちのしっとりとした情愛が描かれており、完成度は高いと思う。

惜しむらくは「転」と「結」に当たる終盤2章の展開が幾分唐突過ぎるせいもあり、「実の娘」の亜耶とよりは主人公の年齢に近い由里子との方が釣り合いが取れるのでは?という疑念が残ってしまい、ここはもう少し丁寧な記述が必要だったと感じる。
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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