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桃山庵「鎌倉狂愛夫人 屋敷の奥の情交」

桃山庵「鎌倉狂愛夫人 屋敷の奥の情交」(フランス書院文庫、2010年2月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

叔母の薫や従姉の由美子に好意を抱いていた春也は、ある日母の出張に伴い小西家に預けられた。そこで薫の下着を使って自慰に浸っていたのを由美子に目撃され、彼女を押し倒してしまう。

【登場人物】

相田春也
17歳の高校3年生。母親の響子の方針で厳しく育てられた反動で薫や由美子を慕っており、今回響子が海外講演で出張する為3日間小西家に預けられる事に。童貞。

小西薫
36歳。響子の妹で春也の叔母に当たり、夫は亡くなっている。現在は家業を手伝う為、普段から和服でいる事が多い。
かつて春也の父親と深い仲に陥った結果産まれた由美子の出自を知っている為、春也と由美子の交際に強く反対している。

小西由美子
18歳。今春から大学へ上がったばかり。春也に想いを寄せており、彼も姉の様に慕っているが薫に交際を反対される。それにも関わらず自らは春也と関係していると知ると、響子に告げ口して復讐を果たそうとするが…。

相田響子
38歳。春也の実母で鎌倉で茶道の家元を務めていて後継者である春也に日頃から厳しくしているが、単にそれだけではない深い事情がある様子。10年前に婿養子の夫を亡くしている。

【展開】

春也は小西家で薫の不在を狙って彼女の下着を使って自慰をする現場を由美子に見られ、逃げる彼女が転倒して揉み合いになる内に衝動を抑え切れなくなり、無理矢理セックスしようとして失敗し自宅に逃げ帰る。

外出から帰宅した薫は由美子の態度を見て春也と何か有ったと察し相田家にいる春也を問い質すと、犯し掛けた事を謝罪された後にずっと好きだったと迫られ、春也一人に罪を押し付けまいと一夜限りの交わりを受け入れる。

数日後自宅にやって来た由美子から響子に行状を言い付けると告げられ、追い込まれた春也は小西家へ急いでやって来て薫にセックスさせてと要求するが、帰宅した由美子にその様子を聞かれるのだった。
帰国するなり由美子の報せを聞き、真相を確かめようと薫の部屋にやって来た響子。姪に言われるままに開脚したまま手足を籐椅子に拘束され目隠しをして薫に扮すると、同じように由美子に騙され薫だと思い込んだ春也に犯されショックの余り入院してしまう。

自宅の浴室で悔恨に浸る由美子の元へやって来た春也は、自分を騙したと憤り彼女を犯そうとするがそこへ帰宅した薫と鉢合わせになる。
家を出ると逆上し浴室を出て行った娘を見て全てが露呈してしまうと号泣する薫に対し、春也は自分が母親を説得するからと勘違いしながらも彼女を慰め情交へ至るのだった。

翌日由美子は響子の病室を訪ねると全てを話し謝罪するが、それを知った響子は春也と薫にきつい仕置きをしようと歪んだ笑みを浮かべる。
一方薫も由美子の出自を明かすものの却って春也の決意を強めてしまい、2人は家を出ようと小西家の所有する別邸に身を潜める。
白昼から春也に組み敷かれて歓びの声を上げる薫だが、そこへ居場所を掴んだ響子が由美子を連れて現れる。

響子は由美子に命じ春也の顔面に跨がり愛撫を受ける様に告げ、薫は相姦劇に当てられ、姉に命じられるまま横たわる春也に口唇奉仕を行なうと、今度は響子が息子の顔面に跨がり奉仕を受け喘ぐのだった。
数日後急遽茶会に出席するよう呼び出された薫は部屋から春也と娘が情交に及ぶ声を聞き嫉妬に駆られるが、そこへ響子がやって来て薫に対して春也に跨がるように命じ射精させる。
続けて跨がった由美子にも射精した春也を見て薫は絶望的な気分に陥るが、響子から若い2人の祝儀をあげる為に衣装の着合わせを行おうと思うと聞かされ困惑する。
更に響子は「おあいこ」だからと仲良くしようと意味深な笑みを浮かべながら薫にそう切り出すのだった。

【レビュー】

背徳感や倒錯と言ったひと昔前の路線を色濃く打ち出した作者の2作品目は古都鎌倉を舞台にした名家で繰り広げられる相姦劇で、やや重苦しさを感じさせる雰囲気である。
デビュー作品より更に捻った設定や展開は作者らしいオリジナリティは感じるが、随所に仕掛けられた伏線の方が気になってしまい、官能小説としては些か物足りなさを感じた。

主人公に対し恋愛感情を抱き相思相愛な筈なのに、ボタンの掛け違いから回り道をしてしまう従姉の由美子、単に近親なだけでない複雑な関係を知り交際に反対する叔母の薫、始めから何処か実母らしからぬ醒めた感のある響子の3人のヒロイン。
一筋縄ではいかない背景を持っていて情交のきっかけはよくある誘惑というよりは、寧ろ主人公から強引に手を出すパターンが続く。
情交描写の1つ1つは割と前戯重視だが、 同じ単語を2回続ける迫り方を繰り返していて単調さは否めない。

展開において主人公と響子との母子相姦場面が最大の謎で、由美子が薫に復讐する為に利用するにしても最初は止めるつもりだったのに最後までさせてしまうし、後に主人公が由美子に迫る時には覗きながらオナニーしていただろうと断言されている。
設定に随分と拘った割には説明が必要な所には欠けていて前を読み返さないと舞台は何処なのか、熟女二人の和装設定が却って今主人公は何を脱がそうとしているのかがイマイチ伝わり難く、ピントがずれてしまった気がする。
前年(2009年)の官能大賞受賞作品を意識し過ぎた感も否めず、やや残念に思えてならない。
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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