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雨宮慶「両隣の未亡人【35歳と43歳】」

雨宮慶「両隣の未亡人【35歳と43歳】」(フランス書院文庫、2011年2月、表紙イラスト:野中昇)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

夏休みを迎えたある日僚太は隣家に越して来た美菜が訳有りの未亡人だと知り興味を抱き、遂には初体験まで迎えてしまう。一方彼の母親変わりを自負する反対側の隣人のみどりは、2人の淫らな関係を知り自分が少年の性欲を受け止めようと決意する。

【登場人物】

友部僚太
16歳。高校2年生。父親は大学病院の外科医、母親は皮膚科の開業医で不在がちの為、隣家の川村家に頻繁に出入りしている。ラグビー部に所属し、細身ながらもがっしりした体躯。童貞。

沢井美菜
35歳。友部家の隣に引っ越して来た女性で画家。元々は地元で暮らして居たが、所帯持ちの元恋人と再会したのをきっかけに駆け落ち同然の事実婚の関係に有った。2年前に彼を亡くしたが、故郷が忘れられず戻って来た。婚家との折り合いは悪い。

川村みどり
43歳。国家公務員の夫と結婚したが、病気で亡くしてからは趣味の生け花を近所の主婦たちに教えながら生計を立てている。彩香の母親で両親が不在がちの僚太の事を息子同然に気に掛けている。

川村彩香
20歳。みどりのひとり娘で教員を目指して国立大学に通っており、ゼミの講師である所帯持ちの准教授から交際を申し込まれている。10年前からの幼馴染みの僚太の事を弟のように思っており、週に2回家庭教師をしている。

【展開】

両親の会話を通じて美菜が未亡人だと知った僚太は、その晩に偶然にも彼女の着替えを目撃する。翌日沢井家を覗いた僚太は白昼堂々と寝室でオナニーする美菜に興奮するが、全てを見通していた彼女に呼び付けられヌードデッサンのモデルにさせられる。

数日後美菜が街中で亡き夫の親類の男から詰られているのを見てカッとなった僚太は、反射的に男に殴り掛かる。美菜は自宅に僚太を連れ帰り介抱すると無茶をしないでと告げ、初体験の相手になってあげると誘惑し立て続けに迸りを受け止めるのだった。

翌朝窓越しに美菜に朝勃ちを見せ付けた僚太は彼女の自宅へ呼び出されると手を縛られ自由を奪われた事に躊躇しつつ、全身を手や口で愛撫されながら寸止めさせられたり、逆にクンニを要求されたりと倒錯的なセックスに嵌まっていく。
一方美菜が越して来てから妙に大胆になった彩香から家庭教師の授業の度に手で愛撫して貰うようになっていた僚太は、その日の午後に彼女に誘われ童貞だと偽りながらも興味の赴くままに女体を愛撫して彩香を絶頂に導くのだった。

セックスの相手が2人に増えて有頂天になっていた僚太だがある日川村家に呼び出され、みどりから美菜との関係を指摘される。自分が少年の性欲を受け止めようと意気込んだみどりだが、彼に翻弄されてバックで迸りを受け止める。
娘の目を盗み自宅に呼び付けるみどりと毎日のようにセックスする僚太。一方で3日間僚太と顔を合わせなかっただけで心が苦しくなっていた美菜は、自分が彼に夢中になっているのを自覚しセックスに溺れるのだった。

ある週末に彩香から准教授との交際をきっかけに別離を告げられた僚太は、鬱憤を晴らそうと沢井家を訪ねる。美菜は夫の命日に親族から罵られて帰宅し喪服を着たままでいたが、僚太を見ると抱いて欲しいとせがみ今を楽しもうと後ろの処女を捧げる。

僚太が美菜と別れられないのを理解しつつ、自分に取っても少年が欠かせない存在になったと実感したみどりはある日沢井家を訪ねると、彼に若い恋人が出来るまで2人でシェアしようと提案し、僚太がモデルになった裸体画を見て互いに微笑むのだった。

【レビュー】

駆け落ち同然の略奪婚の末、未亡人となった女性が隣家に越して来て主人公が興味を抱き、それがきっかけで単なる古くからのお隣さんだった筈の母娘とも関係を持ってしまうというオーソドックスな物語で、ベテラン作家らしい安定感を感じられる。

メインが未亡人の美菜で、もう1人の未亡人であるみどりとその娘である彩香がサブという関係性だが、美菜に関しては主人公に溺れていくまでの進展を亡き夫の想いやその親族との確執も交えて描写されていて良かったと思う。
たまにこうした境遇のヒロインが出て来る作品によっては、確執の描写が行き過ぎていて官能小説として読むのには気障りに感じる事も有るが、その辺りのバランスの良さも取れているのではなかろうか。

一方のみどりは美菜よりも年上の和装美人だが中盤に突如関係に導かれるので10年近い隣人関係を活かした親密さや、
主人公の両親が健在なだけに描きにくいだろうけども母親替わりに面倒を観てきたという描写が序盤に有っても良かったかもしれない。
みどりの娘の彩香は単体としては魅力的なお姉さんキャラだが、准教授との不倫を受け入れるか否かの迷いとその結論としての主人公との別離を考えるなら、みどりだけの登場にした方がスマートかもしれず勿体無い扱いである。

前半の美菜とのねっとりとした関係の進展と比較すると、後半のみどりとの関係、彩香との別離をこなした上でのヒロインたちの結論を導くまでがやや早過ぎる感じもするし、頁数からしてもあともう1章分は欲しかったように思う。

【関連作品】

同じ作者の次の作品。タイトルだけだとプロットの使い回しという気もしなくは無いが、ドラマ性を孕んだ展開は流石ベテラン作家である。

誘惑官能小説レビュー 雨宮慶「両向かいの未亡人【36歳と42歳】」

舞台背景はよく似た高杉圭さんの作品。叔母と兄嫁、姪という血縁関係の濃さから、背徳感はより強いですね。

誘惑官能小説レビュー 高杉圭「世界でいちばん甘い休日 兄嫁、叔母、姪と…」

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DSKさんのレビューブログにおいて、本作をご紹介なさっています。

DSKの官能レビュー整理箱 両隣の未亡人-35歳と43歳(著:雨宮慶、フランス書院文庫)
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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