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弓月誠「官能教室 僕に最高の愉悦をくれた三つの初体験」

弓月誠「官能教室 僕に最高の愉悦をくれた三つの初体験」(フランス書院文庫、2014年7月、表紙イラスト:松原健治)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

初めてクラスを受け持った慎介は、委員長の美由のアプローチに辟易しつつ厳しい学年主任の奈央子からは小言を言われる日々を送っていた。
そんな中生徒の母親である香織と関係を結んだ慎介は、美由や奈央子が自分に好意を抱く事に困惑しつつ三股関係を始め悩みを深めるのだった。

【登場人物】

市川慎介
24歳。独身。高校教師になり2年目で今年から1年生のクラスを受け持ち、写真部の顧問も務めている。「年上初体験【未亡人と僕】」の主人公。

及川奈央子
32歳。慎介の教育係で学年主任と女子水泳部の顧問を務める。8頭身でスタイルの良い女性で慎介に好意を抱いているが、教育熱心なあまり彼を叱る事も少なくない。男性経験は全く無し。

麻間美由(あさまみゆ)
高校1年生で慎介の受け持つクラスの学級委員長。母親と2人で暮らしている。慎介に対して過度とも言える程のアプローチを掛けて来るが、かつて慎介の隣家に住んでおりお兄ちゃんと呼んで慕っていた。処女。

北川香織
30代後半?慎介が担任を受け持つ男子生徒の母親。お淑やかな雰囲気を持ち、周りの母親たちより一回り若々しく見える美しい女性。夫が自分に興味を失い浮気をしているのを知り、もう1度振り向かせる為に自分を抱いて欲しいと頼む事に。

【展開】

積極的な美由に辟易し奈央子に萎縮する日々を過ごしていた慎介は、家庭訪問で北川家を訪れた際に大胆にもレオタード姿の香織と遭遇する。彼女に誘惑されるままにフェラチオ射精した上に、後背位で交わり立て続けに2度射精する。

数日後美由から写真を撮って欲しいと頼まれた慎介だがいざ写真部の部室で撮影となると何故かキャミソール1枚で大胆に迫られ、彼女の告白でかつての隣人だと知ると望みを受け入れて手コキさせた後更に相互愛撫で絶頂に導くのだった。

慎介は美由との密会を続けながらも1ヵ月後に唐突に奈央子から告白されるが、ぺニスをしごくぎこちない手付きから彼女が処女だと見抜く。この日を境に職員室で彼女に奉仕されるようになった慎介は、美由と二股を掛ける事に罪悪感を抱く。
そんな中で来訪した香織から夫を振り向かせる為自分を抱いて女として魅力を取り戻させて欲しいと頼まれ、慎介は来客用のトイレで彼女を抱くが更に悩みを深める事になる。

美由との相互愛撫が始まって3ヵ月が経ったある日、慎介は一向に関係が進展しないと彼女に迫られ3週間後に彼女の部屋で処女を捧げられるが、涙ながらに母親の再婚に伴い渡米するので想い出にしたいと突如別れを切り出される。

美由との別離による悲しみを紛らわそうと香織の身体にぶつけ激しく交わるが彼女から夫との関係が修復に向かいつつあるのを聞かされ、自分から身を退くべきと思いつつも彼女から後ろの初めてを捧げられ腸内に精を放つ。
一方奈央子からも処女を捧げられ、慎介は秋を迎えたある日久々の逢瀬を機に自ら香織に別れを告げるが、離れがたい想いから朝まで繰り返しセックスを続けるのだった。

こうして奈央子とだけ付き合うようになった慎介は授業の無い時には離れのトイレや週末には彼女の部屋に入り浸り関係を深めていくが、翌春彼の将来を考えた彼女から関係を清算し自らは教職に専念したいと転勤を告げられる。
あくまでも慎介を嫌いになった訳では無い、いつか再び出逢う日までと奈央子と約束した慎介は最後の一夜に繰り返し彼女を抱いて精を放ち想いをぶつけるのだった。

【レビュー】

「弓月誠デビュー10周年記念作品」と銘打たれた本作品は24作目となるが、適度にインターバルを置きつつもコンスタントに作品を刊行し続けられるのは、非常に喜ばしい事だと思う。

主人公の慎介は先に触れた通り、 デビュー作品の「年上初体験【未亡人と僕】」の主人公で、舞台は7年後主人公は高校教師としての後日談である。
相変わらずの優柔不断ぶりで一時期は三股を掛けるまでに発展しこそはすれ、(かつて高校生の時に付き合っていた美枝子と同様に)いずれのヒロインとも成就せずに終わってしまっているのが何とも切なさを感じてしまう。
一方ヒロイン達は魅力を発揮しつつもそれぞれの事情で主人公との別離を決断せざるを得ず、最後と決めてからの激しい情交描写はなかなか良かったとは思う。

ただヒロイン同士は全く絡まず、主人公は精力旺盛な反面早射ち過ぎるせいか官能描写が細切れなのと、美由や奈央子からの別れの切り出し方が唐突な為違和感が拭い切れなかったのが若干残念だった。
一年間の季節の移り変わりや出逢いと別れの切なさを書きたいのだと分かるのだけれど、前作の「官能教育 義母に、先生に、叔母さんに…」と同様に原点回帰に拘り過ぎたのかなと思われるが…。

これが弓月作品という王道的な展開と「」を使った擬音表現は相変わらずで、敢えてハーレムエンドにしないという点と昨年の作品で試みたいやらしさとのバランスが上手く取れればと今後に期待したい。

【おまけ】

デビュー作品 「年上初体験【未亡人と僕】」で主人公が想いを寄せていたヒロインは、「石橋美枝子」と「滝山裕美」です。(元ネタは分かりますよね…)
裕美は主人公の心が美枝子にあると知り身を退きましたが、美枝子には当時大学生になるひとり娘が居り、恐らく自らと主人公との年齢差も含め踏ん切りが付かず別れを告げたのだと思います。
一作完結が多い官能小説ですが、こういう後日談という形もなかなか興味深いような気がします。
因みに本作でもヒロインの名前に遊び心が入っていて、思わず突っ込みを入れてしまいましたが(苦笑)…。
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
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