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伏見一輝「悪魔女教師・個人指導室」

伏見一輝「悪魔女教師・個人指導室」
(フランス書院文庫、2004年2月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。2015年7月8日レビュー再編集。

作品紹介(公式ホームページ)

【あらすじ】

3年間担当した教え子の涼平の成績がダウンしたのを気に掛けた律子。突然の涼平からの告白に心がときめくものの、感情を殺し仕事と割り切り彼の性欲処理をする。一方涼平に片想いしている美沙は彼の想いを知りつつも、必死の告白をするが…。

【登場人物】

鷹村涼平
高校3年生。3年間担任を勤めた律子に強い片想いを抱き学年トップの成績を挙げる一方、美沙には憧れと劣等感の両方を持ちつつも友達付き合いをしている。童貞。

三島律子
28歳。3年前に前任校で教え子との交際が発覚して転任を余儀なくされ、親族が理事長を務める高校に引き取られた。スレンダーながらも胸やお尻は外人モデル並みの美しさを持つ女性。

神崎美沙
高校3年生。ポニーテールの似合う健康的な魅力を放つ少女。陸上部のキャプテンで、学校内のアイドル的な存在。涼平に片想いを抱いているが、だからこそ涼平の律子への想いにも理解している。

成瀬淑美
34歳。ランジェリーショップを営むグラマラスな女性。16歳になる娘が居る。年相応に恋愛に悩む美沙や涼平、律子の相談に乗り後押しをしてくれる優しい女性。

【展開】

模擬試験で成績を落とした涼平を進路相談室に呼び出した律子は唐突な告白に一瞬は驚くが、成績維持の為にと心を鬼にして事務的に手で教え子の性欲処理を行う事に。
それでも帰宅するなりかつての教え子だった少年と涼平を重ね合わせてしまい、精を受け止めたハンカチから漂う青臭さをオカズにしながら自分を辱しめる言葉を呟き、絶頂を味わうのだった。

一方面談を終えてからの涼平の態度に不審を抱いた美沙は進路相談室に向かうと、律子が涼平に卑猥な言葉を投げ掛け誘惑しているのを盗み聞きしてしまう。雨に濡れていこうと帰宅するが、あまりの雨足の強さに淑美の店で雨宿りをする。
片想いが成就しなかったと告白した美沙だが、淑美のアドバイスでセクシーランジェリーを着させられ、女同士ならではの心得た指遣いで快感に導かれると、彼女から意味ありげに律子の過去の行状を聞かされ逆上する。
律子と対峙し涼平とはあくまでも仕事だという言質を聞き出した美沙は、ある夏の日に涼平を県大会の結果を見た後でラブホテルに誘い、あくまでも自分は二番目でも構わないからと健気にも身体を差し出して告白し処女を捧げるのだった。

律子の奉仕の甲斐もあり期末試験でトップに返り咲く確証を得た涼平は美沙の口添えもあり淑美の店を訪ねると、全てお見通しとばかりに彼女から手解きを受けて力付けられ、割安な価格でランジェリーを入手する。
涼平の試験結果に満足した律子はその頑張りに応えようとクリスマスイブの夜にデートに誘い、高級ランジェリーを差し出す涼平の真摯な態度に心を打たれ抱かれる事を決意するが、いざ本番を迎え涼平が勘違いし失敗に終わってしまう。

律子と関係を修復出来ないまま卒業を迎えたある日、涼平は美沙からまだ脈はあると勇気付けられ教室に向かうと律子とバッタリ出会い、今ならもう大丈夫だからと告白を受け騎乗位で受け入れるのだった。

【レビュー】

本作が出版された2004年という時期において「悪魔女教師」というタイトルから推測出来るのは、教え子を次々に誘惑する女教師、逆凌辱ものという印象であったものの、それを良い意味で裏切る内容であったと言えよう。
2002年に当時の流行りでもあったアンソロジー短編集にてデビューし、長編は初となる割には各章にお約束の官能シーンを盛り込みつつ、登場人物を活かしたシナリオ設定が出来るのはかなりのレベルにあると思われる。
恐らくは本名義とは別に執筆に何らかの形で携わっている方ではないかと推測されるが、フランス書院文庫においては先述の短編と本作、次の作品の3作品に終わっている。残念ながらその先における商業作品はだいぶ先の話である。

リアルドリーム文庫アンソロジー『堕ちた人妻 抗えぬ未亡人』

成績の伸び悩んだ教え子に対して、女教師が何らかの性的な見返りを与えるという展開自体は今も昔も変わらないスタンダードなものだが、
過去に傷を負った女教師の律子は再び失うのを恐れ、主人公も本当に好きだから力付くでは迫れないというもどかしさから互いに先には進まずにすれ違いは続くので成就するのは終盤である。

主人公の同級生の美沙は主人公の最大の理解者であり、本当に好きだからこそ「自分は二番目でも良いからケリは付けたい」という健気さ、未練を残しながらも主人公を応援する立ち位置であり、読んでいて何とかしてあげたいタイプのヒロインである。

主人公、律子、美沙という三角関係を見守るのがランジェリーショップを営む淑美であり、彼らの背中を押してあげるいい人振りを見せるが、ミステリアスな一面も時折窺える。彼女のようなポジションは牧村僚作品でも登場するので、多分に影響を受けたのではないかと思われるが…。

やはり「最後は一人」と結論の導き方は当時のフランス書院文庫の流行りとでもいう作り方なのだが、本作をリメイクするというのならば、恐らくは淑美の手解きを受けた主人公が美沙や律子を攻略し、4人でハーレムとなるかもしれない。
ハーレムは非現実的でヒロインからすれば甲斐性が無いとなるし、本作のようにストーリー性を重視したほろ苦い終わり方もあって良いのではと思うが、けれども商業的にはというのが現在の流れなのかなと感じるところである。

DSKさんのブログでの紹介記事はこちらです。
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悪魔女教師-個人指導室(著:伏見一輝、フランス書院文庫)



またいつもの事ですが、DSKさんが引用なされているフランス書院文庫の公式ホームページの作品紹介文では、随分内容と掛け離れていますね…。私もこの紹介文に騙されたクチですが、良い方向に転んだレアなケースです(苦笑)
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tag : デビュー作品 童貞 高校生主人公 処女

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悪魔女教師-個人指導室(著:伏見一輝、フランス書院文庫)

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にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
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