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神瀬知巳「若妻女教師と新人女教師」

神瀬知巳「若妻女教師と新人女教師」(フランス書院文庫、2012年9月、表紙イラスト:川島健太郎)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

優等生の孝一と教育実習生の姫子が深い仲になったのが発覚し、監督する立場にあった担任教師の美有起は責任を問われ、姫子の事を忘れさせようとする内になりゆきで孝一と深い関係になってしまう。

【登場人物】

高塚孝一
17歳。高校2年生で生徒会長を務めており、常に学年トップの成績を挙げている温和な性格の少年。テニス部でも実績を挙げている。
幼くして実母を亡くし、父親は義母となる子連れの女と再婚したが、実子を溺愛する彼女に疎まれ家を出て独り暮らしをしている。

米原美有紀
28歳。孝一の通う高校の数学教師兼クラス担任で、姫子の指導役も務める。女子テニス部の顧問教師。一回り年齢が上の夫とは2ヵ月あまり前から別居中で、生徒からはお堅いと評判で冷然としている淑やかな美女。

綾辻姫子
22歳。国語を受け持つ教育実習生。孝一が通う学園の理事長の孫娘で、一族が教職に就いている事から過剰な期待を背負わされている。
かつては母校で生徒会長を務め真面目だったが自分らしくあろうと「大学生デビュー」し、派手なメイクでギャル風の容貌だが恋愛経験は無い模様。見た目で自分を判断する美有起に対抗心を抱く。

浅井可奈
16歳。高校1年生で中学生の時から孝一に憧れ、生徒会や女子テニス部に入った。明るい性格で可愛らしい顔立ちでテニス部ではキャプテンを務める程の実力の持ち主。処女。

【展開】

孝一と姫子がラブホテルから出て来たのを目撃した美有起の報告により2人の関係が教師たちの知る所となり、管理不行き届きだとされた彼女は姫子との仲を引き裂こうと女とはこんなものとばかりに痴女を演じ孝一の性処理をする事になります。

孝一と関係を持つようになった美有起はある日帰宅したがらない彼を見て自宅に連れ帰りますが、夫と別居していると知られると独占欲を見せる孝一と浴室で後ろ手に縛られて貫かれ、美有起はいつしか彼に愛情を抱いている事に気付かされます。

孝一の望むまま剃毛したり、テニスウェア姿で拘束されたまま部室でアナル処女を犯され最早牝奴隷に堕ちた美有起は、ある日孝一の仕掛けた罠に掛かり学園に戻って来た姫子の前で浅ましい姿をさらけ出してしまいます。

かつて母校で生徒会長を務めていた姫子は懐かしさから生徒会室を訪ねると、そこで孝一と出逢います。周囲の期待に応え良い娘を演じていた自分と孝一を重ねて見ていた姫子は、いつしか昼食を共にする内に恋愛感情を抱きます。
数日後生徒会室で孝一に処女を捧げた姫子は放課後にホテルに連れ込み、義母と上手くいかず悩む孝一に同情し運命の人だと求愛しますが、ホテルを出た所で美有起と鉢合わせに…。

祖父の威光を借り学園に戻って来た姫子は美有起との関係を知ると、彼女に見せ付けるように放課後の数学準備室で孝一と交わった後、引け目を感じた美有起を見た孝一が強引に躾けるのを見て、離れていた1ヵ月間の彼の成長を認め喜びます。
試験を終えて学年トップをキープした孝一へのご褒美にと生徒会室で美有起と姫子は際どいビキニ姿になり奉仕していると、そこへ可奈がやって来て鉢合わせになり、孝一は唖然とする彼女の口封じをしようと毒牙を向ける事になります。

【レビュー】

本作は「特選小説」(綜合図書)に連載された短編「人妻女教師【たべごろ】」を大幅に加筆・修正し、改題して収録した作品です。
元々は第1章の美有起との描写と、第6章の姫子に関係が発覚してからのパートに分かれていた作品に加筆しています。

前半の3章は主人公が美有起にSMめいたプレイを仕掛ける描写で、イラマチオ、緊縛、剃毛、アナルセックスと調教を繰り返し、当初は主人公に対し職務の一環のような態度だった美有起が躾られ牝奴隷に堕ちていきます。
マンネリ化からの脱却を図る為か、主人公の孝一は「美有起に対して」これまでの神瀬知巳作品には見られない歪んだ性癖を見せており、僅か数回の姫子との情交をしただけなのに魔少年化していて感情移入の余地は無かったです。
美有起は一応人妻設定ですが、背徳の関係というなら既に「お堅く冷然とした担任教師」なだけで十分で、人妻でなくてはならない理由が見出だせませんでした。調教場面は濃厚で実用的ですが、私には馴染めませんでした。

4章と5章は一旦時間軸を過去に戻し姫子と主人公との馴れ初めを描いておりこの中で主人公の心の傷にも触れてはいますが、既に散々悪ぶった所を見せていて今更な感じがしたし、情交描写の合間に後ろ向きな描写を組み込まれると却って醒めてしまいました。
姫子は美有起との対比からか「見た目は派手」な逆補正を掛けているものの、実は真面目で思い遣りの有る女性だと分かりますし、彼女を見た目で判断し悪女に仕立てようとした美有起に主人公が腹を立てた事の裏返しが調教なんでしょうね。
そんな姫子も処女を失なったばかりなのに主人公をホテルに連れ込んだ際に、手を拘束して彼のアナルを舐める描写が有りましたが、幾ら彼女が熱心に調べたとは言えこれでは設定がぶれてしまい蛇足に思えます。

終盤でも主人公の姫子と美有起との扱いの違いは解消せず、更に可奈が加わるに至ると収まりの悪さが更に目に付いてしまいました。
可奈に使った分を2人の和解に当てたら神瀬知巳作品らしい終わり方だし、読後感も良かったかもしれませんが…。

【トラックバック】

愛好家Sさんのブログ「官能小説★綺羅光作品テイスト」にて、本作をご紹介されています。

1882『若妻女教師と新人女教師』
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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