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小日向諒「喪服の未亡人兄嫁【三十二歳】」

小日向諒「喪服の未亡人兄嫁【三十二歳】」(フランス書院文庫、2014年2月、表紙イラスト:新井田孝)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

兄の一周忌の晩に兄嫁の千紗のしどけない喪服姿に欲情した智也は、酔いの勢いも有り力付くで関係を結んでしまう。翌朝千紗と顔を合わせた智也は謝罪し長年の想いを告白するが、彼女は自分に性欲を抱いているだけで発散させれば解消するだろうとセックスを受け入れるが…。

【登場人物】

原田智也
19歳。地元の大学に通う1年生で成績優秀で顔立ちの良い青年。幼い頃に母親を亡くし、智也の兄が千紗と結婚した後で父親を失って以来兄夫婦に引き取られ、現在まで同居している。中学を卒業した春休みに玲奈と初体験を済ませて以来、人並み以上の逸物で豊富な性体験を積んでいる。

原田千紗
32歳。7年前に智也の兄と結婚したが、夫は昨年に脳梗塞で死別した。実家は料亭を営む名家で、千紗も和風美人でおしとやかな性格で料理教室を開いている。智也が地元の大学に進学したのは自分のせいだと思い込み告白を受け入れられずにいる一方で、夫同様に強精な彼に抱かれる事を望んでいる。

小河原玲奈
25歳。千紗の実妹で姉と対照的にセミロングヘアで可愛らしい顔立ちとモデルのようなスラッとした美脚の女性。喜怒哀楽が激しく、実父から一時期勘当されたのを智也の兄の尽力で解決してくれた事が有り、恩に報おうと智也と千紗との間に入る。智也には庇護欲と共に処女を捧げる位愛情を抱いている。

【展開】

兄の一周忌の晩に小河原家の縁者に飲まされ、同じく泥酔した千紗と共に玲奈に車でマンションまで送ってもらった智也は、寝室まで抱っこして千紗を運ぶ内に理性を保てなくなり、酔って抵抗出来ない千紗と無理矢理関係を結んでしまいます。

翌朝記憶が無い振りをして取り繕う千紗の嘘に気付いた智也は謝罪し長年の想いを告白しますが、彼女は異性への性欲と愛情を混同していると告げて進んで交わり、智也は愉悦の表情を浮かべても頑として告白を受け入れない兄嫁に愕然とします。

千紗がセックスだけを望んでいるのではと疑念を抱いた智也は、ある日兄の眠る墓地で洋喪服姿の玲奈と再会します。玲奈は過去の勘当騒ぎを智也の兄に仲裁してもらったのだと経緯を話すと、智也が姉と関係を持ったと見抜き真意が知りたいのならとラブホテルへ誘います。
3年前の約束通り女を満足させられる男になったと自信を持った智也は前戯で玲奈を絶頂に導きますが彼女の逆襲に合い、挿入して程なく射精へ導かれます。互いに弱味を見せた2人は、出直すかの如く正常位で激しく抱き合い相互絶頂へ至ります。

智也に第一志望でなく地元の大学へ通わせてしまったのを気に病み悔恨に浸る千紗の前に、ある日突然玲奈が訪ねて来て智也を引き取りたいと切り出すと、同席していた彼を誘惑しストッキング越しに素股で射精させます。
挑発に乗った千紗は本心を打ち明けると、智也は自分の進路より彼女の側に居る事が大事だったから気にしないで欲しいと返され、玲奈の真意にも気付き孕ませてもらう事を決意します。2人の姿にいつしか涙を見せた玲奈に気付いた智也は、彼女へも同じように愛してると告げて続けて抱く事になります。

5年後社会人になり新たな生活を始めた智也は、休日の朝から千紗と玲奈の2人の妻とダイニングで交互に交わり、2人とも満足させるのだと意気込みます。

【レビュー】

本作は「2014年ブレイク候補No.1」とオビに銘打たれており、期待の大きさが窺えます小日向諒さんの5作品目となります。
前作は初めてのヒロイン3人の作品でしたが本作は2人に戻し、シンプルに言い換えると「姉妹丼」に纏めています。

作中では完璧超人とも言える主人公の兄に対する主人公、兄嫁の千紗、義姉の玲奈の3人の思いが実は大きなウエイトを占めており、その辺りのドラマ性が良く描かれているのは小日向作品の特長でも有ると言えます。
勿論夫を失い悲嘆に暮れる千紗を慰めようとして進路を選んだ主人公、それを勘違いして思い悩み主人公の想いを歪な形で受け入れる千紗、2人のお節介をする内に自分も主人公に恋心を抱いてしまう玲奈の3人のドラマ性も骨太です。

全4章+終章の5章立てで先2章が千紗、3章が玲奈、後2章が3Pとなりますが、回数より濃度重視の官能描写で、個人的には主人公にイカされて義姉の矜持を見せようと可愛らしく怒る玲奈と、自信満々な主人公が彼女の極上の締まりに思わず自失してしまう2人の関係性が実に微笑ましく感じました。

全体的に硬質で文語体の平文が多いのは味が有って良いのですが、個人的にはもう少し柔らかい文体の方がエロに集中させるのには良いかなと思うのと、セックスになると「孕ませる」等取りようによっては凌辱と見紛うような口調を頻発するのは19歳の主人公にはフィットしないようにも感じますが…。
小日向さんと並んで期待している作家さんは高杉圭さんですが、高杉さんの作品でもこうした口調は出て来ますし、今流行りの表現なんでしょうね。現代的なファンタジーの言葉のようですが、あまり好きにはなれません。
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
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