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冴木透「誘惑マンション―午後2時―」

冴木透「誘惑マンション―午後2時―」(フランス書院文庫、2006年12月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

再開発事業に伴い立ち退きを拒否する4件の住人と交渉に臨む事になった良太。真っ直ぐな彼の性格に住人の女性たちは惹かれ、未亡人、女優の卵、美人秘書と女子高生、女教師と次々に関係を持つ事に。

【登場人物】

増井良太
23歳。大手デベロッパーに勤める若手社員で、再開発に伴う立ち退き交渉で拗れた4件の住人と交渉して欲しいと前任者から頼まれる事に。生真面目で女心にはかなり疎い面がある。女性経験は有る模様。

三枝麻美(まみ)
30歳。マンションの203号室に住む住人。2年前に上場IT企業の創始者の1人だった夫を交通事故で亡くしている。最初は良太に夫の面影を重ね求めるが、育ちの良さや優しい性格の夫から大事にされていた為かエッチに対してはかなり奥手。

早川奈々美
24歳。302号室の住人でテレビ女優を目指している。現在はまだドラマの端役程度だが、いつか自分が納得する役を掴むまでと良太を演技の練習に付き合わさせるが、次第に台本を書き換えてエッチな要求をするように。

石井香子
25歳。401号室の住人で綾の姉。両親を交通事故で亡くし大手企業で役員秘書に就く傍ら、翻訳の副業で生計を立てる才媛。綾と花屋を開くのが夢だが、前任者にプライドを傷付ける物言いをされ意地になり、機会が有れば良太を好きに扱いたいと考える。

石井綾
17歳。401号室の住人で香子と一緒に住んでいる。女子校に通い一見清楚に見えるが、姉に似てしたたかで小悪魔な面も。実直な良太に一目惚れし、姉を説得させる方法を教えてあげると言い積極的にアプローチする。処女。

川原美鈴
28歳。507号室に住む美術教師で、ぎらぎらした高校生たちの視線で快感を得る隠れMの属性が有る。今居る部屋と同じように夕陽が見える部屋でないと立ち退かないと無茶な要求に応えようと懸命な良太に惹かれ、オナニーを見られたのを口実に迫られる事になる。

【展開】

前任者の金で捩じ伏せるような態度に腹を立てていた麻美は新都市の構想を熱く語る良太に亡き夫を重ねエッチな雰囲気となりますが、良太は理性を振り絞って誘いを断ります。数日後立ち退きに応じた麻美は契約書にサインする条件として自分を抱くように求め、関係を結びます。

女優志望の奈々美の演技練習に付き合わされた良太は、ある日役作りで朝の満員列車の中で自分に痴漢して欲しいと頼まれ、夢中で指を遣う内に絶頂に導いてしまいます。
2ヵ月後なかなか芽が出ずに郷里に帰ると口にした奈々美に熱く説教した良太は、実はあの痴漢される役がきっかけにドラマの準主役を得たと聞かされ、ラブシーンの練習をしたいという彼女の願いを聞き入れ抱く事となります。

良太は香子へ金銭交渉の話を切り出した途端に激怒され叩き出されますが、綾の提案で慣れない英文の文学書を読み感想を告げると香子はあまりの的外れぶりに爆笑しながらも許してあげます。
アドバイスをしたお礼に処女を奪って欲しいと綾に告げられ関係を持った良太は香子の言いなりになりオナニーをさせられますが、姉の意地悪ぶりに怒った綾に遮られて形勢が逆転し、謝罪した香子の提案で姉妹から奉仕されます。

残る1人となった美鈴は無茶な要求に応えようと2ヵ月も交渉し続ける良太に惚れ、彼の来訪に合わせてオナニーしてわざと見付かるように仕掛けて弱味を握られたから苛めて欲しいと告げ、良太は指だけで絶頂に導きます。
美鈴の引っ越し当日、前回はお預けだった良太に自分の恥ずかしい姿をビデオで撮影して欲しいと懇願した美鈴は一人で高ぶった後、最後の想い出にとベランダで夕陽を眺めながら背後から良太に貫かれ絶頂します。

互いに良太と関係を持ったのを知った住人女性たちは全員で良太をシェアする事で納得し、彼の住むアパートへ引っ越して日替わりに彼と愛し合う新たな生活を始める事になりますが、良太は毎日朝まで搾り取られ疲れを見せつつやれる所まで頑張るのだと堅く決意するのでした。

【レビュー】

当時のフランス書院文庫のラインナップは凌辱作品の方が多く、そうでない作品は近親相姦中心だったりとやや偏りが見られました。その中で冴木透名義での唯一の作品となった本作は、非相姦の誘惑作品で非常にテンポ良く読めたので本当に新人さんなのかなと感じました。

物語の構成は上品な未亡人、主人公に恋心を抱く女優の卵、クールな重役秘書と健気な女子高生の姉妹、被虐的な傾向の女教師の攻略にそれぞれ2章ずつ順序よく使い、前半は主人公がお預けで焦らされ、後半は本番に至っています。

個人的には香子と綾の美人姉妹の設定が良かったですが、2人で2章の為他よりボリュームが少なくあっさりし過ぎていたのがやや残念でも有り、女教師の美鈴は設定に若干無理が有ったように感じてしまい蛇足に見えます。

デビュー作品でこれだけよく纏まっていて感心しますがあまりに整然とし過ぎていて各ヒロインの短編集を読んでいる気もしますし、他のヒロインに関係が発覚した際のドタバタやハーレムの醍醐味で有る多人数プレイを盛り込めればより良かったのかなと思います。
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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
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