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沢里裕二「うれごろ 僕は熟女に溺れてる」

沢里裕二「うれごろ 僕は熟女に溺れてる」
(フランス書院文庫、2013年2月、表紙イラスト:ゴトウヒロシ)

ネタバレ有り。御注意下さい。2015年8月9日レビュー再編集。

作品紹介(公式ホームページ)

【あらすじ】

オナニークラブで出会った純子に一目惚れし遂には結ばれた雄三だが、同好会の顧問に就いた小百合が倒錯的な趣味の持ち主でしかも彼女の妹とは知らずに情交を求める。ある事件をきっかけに雄三は純子との仲がギクシャクしてしまい、小百合からある提案を受ける。

【登場人物】

香川雄三
高校3年生の18歳。「映画研究会」とは名ばかりのAV観賞をしている。半年前に信夫と共に風俗で童貞を卒業している。

若林純子
36歳。会社人間の夫が居る。セミロングのブラウンの髪にムッチリとした大人の身体付き。オナニーを見せ付けたり、痴漢されたりと大の露出癖の持ち主。雄三とはオナニークラブで出逢ったのをきっかけに思慕を寄せる一方で、自身の変態的な趣味を受け入れてくれるか不安に感じている。

富岡小百合
34歳。純子の妹で独身。国語を担当する教師で、映画研究会の裏の顔を知り顧問に立候補する。姉が所属していた大学時代のサークルをきっかけに、オナニーに嵌まる事に。性に寛容でいわゆる両刀使い。男性経験もある。

東野美奈
高校2年生の17歳。ショートカットで小柄だが、胸と脚は不釣り合いなほどにムッチリとしている。研究会に入って間も無いが、実は大のオナニーマニア。初めは雄三と関係を持つが、小百合が顧問に就いてからは男嫌いが加速化し、次第に露出狂という形で開眼?させられていく。男性経験有り。

佐田信夫
高校3年生の18歳で雄三と共に、研究会とは名ばかりのAV観賞をしている。一時期は美奈と付き合っていたが、あまりの変わりように付いていけずに別れてしまう。

【展開】

雄三は研究会でAV観賞中に美奈とのオナニーを披露し更には口唇奉仕され意気投合すると、連れ立って行ったオナニークラブで純子と出会う。彼女に素人童貞の筆下ろしをしてもらえると喜ぶも傍に居た女子大生に対面座位で跨がられ、不本意ながらも美奈と純子に乳首を舐められながら果てるのだった。

ある日雄三は電車の中で多数の男に取り囲まれ見知らぬ男の指で痴漢される純子を見掛けるが、嫉妬に駆られながらも前後の穴に男たちの指を受け入れるのを間近で見せてもらい飛沫を浴びてしまう。その流れでカラオケボックスに連れ込まれ、エレベーターや部屋で立て続けに射精に導かれた後でバックで繋がる事に。

三ヵ月後小百合が顧問に就き隠し持っていたAVが見付かりピンチに陥る雄三たちだが、彼女はオナニーが好きだととんでもない告白を聞かされ、机の角を用いて見せ合いになる。更に信夫と美奈が繋がっているのを見て雄三も小百合に本番を求めるが口戯だけだと留められ、何故か信夫のぺニスを受け入れるのを複雑な気分で見つめる。

年が明けて神社の境内で純子夫妻と出会った雄三一家は意気投合して宴会を開き、両親や彼女の夫の目の前で互いの秘所を弄り合う。そして上司に挨拶に向かうという夫と別れ純子の家に招かれるが、夫の兄の来訪でクローゼットに隠れていると、ハプニングで股の間を見せてしまった純子がレイプ同然に義兄に抱かれるのを見て落胆する。

新学期を迎え雄三は授業中に小百合から誘惑され放課後に部室に向かうと、美奈と貝合わせしているのを目撃して興奮するも本番だけは女同士の仁義だからと拒否される。それでも美奈の男嫌いを改善させる為に覗きスポットで青姦する事を交換条件に出され遂行するが、小百合が純子を連れて来たのを見て二人が姉妹だと知るのだった。

姉が一時の感情で激怒しただけだと小百合から慰められ情交を結んだ雄三は、数日後再び痴漢されようとホームに立つ純子を見付け仲直りする。ホテルに場所を移すと乳首を弄られただけで射精してしまった雄三はお返しにアナルに挿入するが、強い締まりに呆気なく果ててしまう。

受験勉強に専念し見事合格した雄三は純子と共に郊外の温泉旅館に出掛けるが、風呂に入っていると女将に体を洗われながら手で射精させられる。その後宴会場で小百合がストリップ紛いのバイトをしていると知って雄三は唖然とするが、純子が加わりオナニーを披露し、女将が大学の先輩だと聞かされてももう驚く事は無かった。
部屋に戻った雄三は純子を貫きながら小百合の膣内に挿入する指の本数を増やしていくが、遂には拳まで受け入れるのを見て圧倒されながらも満足に浸るのだった。

【レビュー】

再読して一度目とは違う印象を抱く作品は少なからず有るのだが、本作は作者の他の作品を読了してからだとかなり異なる感想となったので、レビューを再編集、展開を大幅に修正しての公開としたいと思う。

『淫府再興』(講談社)にて「第2回団鬼六賞」優秀作を受賞し執筆を再開した作者が次に目指したのは、官能小説の大手であるフランス書院文庫でのデビューであろうか。その後「淫道作家」などの呼び名で人気を博す事になるが、出版したという実績が作者のキャリアにプラスになったのではと思われる。

主人公の名前からして有名人をもじったと分かるようなユーモアのセンス、斜め上をいきジェットコースターのような早い展開、それでいて官能要素は満開だという作者の特徴がハッキリと窺える。

・【雄三】主人公。高校3年生だけに性欲の固まりだとは言え、純子を初めとする個性的なヒロインたちに振り回される。

・【純子】メインヒロイン。36歳の人妻で大学生の時に倒錯的な趣味に目覚め、被虐的な扱いを受けても悦びを感じてしまう淫乱体質。雄三に惹かれるが、目の前で義兄に犯されたのをきっかけに負い目を感じてしまう。

・【小百合】純子の妹に当たる34歳の国語教師で、雄三たちの同好会の顧問。姉と同じく倒錯的な趣味の持ち主。雄三には思わせ振りな言動を繰り返すが、姉との約束で本番だけはなかなか受け入れない。独身。

・【美奈】雄三の一つ下の後輩。オナニーに興味を持ち初めは雄三に関心を持っていたが、小百合が赴任してからは男性嫌いになり、彼女によりショック療法を与えられる羽目になる。

主人公の情交の相手はヒロイン3人で情交場面は濃厚であり一応は純子や美奈に対しては荒ぶる描写も見られるが、何故か乳首を弄られて喘ぎ射精させられる場面も多い事からどちらかと言えばMタイプであろう。

純子は自ら痴漢されるのを受け入れたり、エレベーターの中で局部露出をしたり、主人公に見られていると知りながら義兄に犯されたりと淫乱要素満載であり、清楚(かつ可愛らしい)のが売りのフランス書院文庫でのメインヒロイン像とは異なる点がポイントである。一方サブに当たる小百合や美奈も要素は異なるが淫乱なのに違いはなく、主人公の性格とのバランスからするとどちらかは清楚な方が良かったのかもしれない。

本作を足掛かりにハイペースな出版を続ける作者であるが、フランス書院文庫での基本路線である「高校生主人公の誘惑三昧」のフォーマットに合わせようとすると、高校生の割りには非現実な側面が伺えて些か不完全燃焼だった印象である。他社では青年主人公による作品を出しており、作を重ねてより完成度の増した今だからこそのフランス書院文庫での作品も拝見したいと思うのだが、いかがであろう。

DSKさんのブログにて、沢里裕二氏の特集記事を取り上げています。
2015年に入ってから急速に勢いを増している作家先生がおられます。沢里裕二先生独自の「笑える」作風で今や飛ぶ鳥を落とす勢いかと。まぁ、それなりに紆余曲折はあったものと推察致しますが、今では「金脈を見つけた」と申し上げてもよろしいでしょう。官能小説の世界に抱腹絶倒という新機軸を生み出しつつある作品を幾つかご紹介したいと思います。●満願シリーズ双葉文庫から出ている沢里作品には今のところタイトルに「満願」の...
特集:沢里裕二 ~官能小説のラノベ化という新潮流?~

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tag : 高校生主人公 デビュー作品

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プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

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