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秋月耕太「三人のママ 甘やかされて、惑わされて、しぼられて」

秋月耕太「三人のママ 甘やかされて、惑わされて、しぼられて」(フランス書院文庫、2014年5月、表紙イラスト:川島健太郎)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

失恋の傷を癒そうと潤子や亜衣から性的に奉仕される事になった想也だが、互いの関係が露呈したのをきっかけに3人で毎日のように情交を交わすようになる。そこへ実母の面影を持つ実登里も想也への想いを告げ、3人のママと恋人関係になってしまう。

【登場人物】

津村想也
高校に上がったばかりの少年で、6年前に事故で両親を失い、母の友人である潤子に引き取られた。潤子や同居している亜衣に密かに想いを寄せつつも、同級生の恋人を見付けたが破綻している。童貞。

白木潤子
35歳。国営放送の人気テレビキャスターで、生前の想也の母親と親しくしていた。艶やかな長い髪に、華やかで成熟した大人を感じさせるグラマラスな肢体。仕事柄男性との付き合いが無くなって久しい。

白木亜衣
27歳。潤子の従妹で彼女や想也と同居しており、看護婦の職に就いている。肩辺りで切り揃えた髪に猫を思わせる吊り目で勝ち気な印象のお姉さんタイプの女性。

松島実登里
30歳。想也のビアノの先生で潤子と同じく彼の母親と生前親しくしていた。想也を引き取ろうとしたが、亡くなった夫との間に子を為していない事の引け目から口に出せずにいた。母性を感じさせる優しい女性だが、想也を想ってオナニーする一面も。

【展開】

恋人に浮気され傷心の想也を慰める内に、いつの間にか手や口で性欲を発散させるようになった潤子は、亜衣にも同じようにして貰っていた事を知り彼女と話し合う。
その結果元通りの関係に戻そうと潤子は想也に告げ本番以外のエッチな事なら何でもする事になるが、彼に跨がり素股をしてあげる内に交合に至ってしまう。やはり3人で恋人関係になるしかないと開き直った彼女は、亜衣と交互に想也に抱かれる事に。

想也は朝遅刻寸前まで玄関先で2人と交わり、帰宅してからは夜勤前でナース服姿の亜衣に搾られ、夜遅く帰宅した潤子とは風俗さながらに浴室で泡奉仕を受ける生活を送るが、ある日実登里の家でビアノレッスンの成果を潤子や亜衣に披露する事に。

実登里の家を訪れうっとりとした表情を見せる想也に嫉妬した潤子と亜衣は、実登里が外出した隙を見て精を搾り取ってしまい、当然ながら帰宅した実登里は覗いてしまうが口に出せず、想也を想いオナニーに浸ってしまう。

5日後結論が出せずにレッスンの日を迎えた実登里は副業の翻訳の仕事の疲れからうたた寝すると、訪れた想也に対して寝惚けたまま挑発するような寝言を呟いてしまい、弾みで一晩だけと約束し性欲の塊の想也に抱かれ何度も中出しされる。

翌朝も想也に抱かれる実登里は途中で潤子と電話越しに会話する内に情交に気付かれるが、3人で想也を愛し合おうと約束され、実母のようだと甘える想也に迫られると甘美な気持ちになった実登里は関係を受け入れる事に。
2週間後潤子たちに別荘へ誘われた実登里は、到着するなり大胆な水着姿で潤子や亜衣に体をまさぐられながら想也に貫かれて絶頂へ導かれ、更にその晩には寝室で2人と並んでお尻を突き出し、後ろの穴の処女を捧げ幸せを感じるのだった。

【レビュー】

「甘やかされて、惑わされて、しぼられて」のサブタイトルの通り、主人公に対してヒロインたちが三者三様に愛情を見せる様子を的確に表していて面白いなと感じさせる。

主人公の保護者の立場である潤子や亜衣に関しては説明不要とばかりに始めから主人公と性的な関係にあるのだとした上で、童貞喪失に至る流れをコンパクトかつ変化球的に纏め、潤子は癒しを与え、亜衣は主人公のMっ気を引き出している。
その一方で実登里に付いてはたった一晩でという拙速感やきっかけの弱さは感じられるものの、実母の面影を持つ彼女に対して時に甘えたり或いは自分のものだと言わんばかりに責め立てたりと情交場面の濃厚さは相変わらずである。

高いレベルを維持してはいるが本命ヒロインに対する責めのパターンはここ数作品で似たりよったりな印象が否めず展開が読めてしまうのと、
全員での情交場面が駆け足で終盤の各節はここで百合含みの4P、ここではアナルセックスとダイジェストになってしまうのは勿体無い気がする。
個人的な好みなのは先にお断りした上で、例えば主人公を責め立てる序盤の亜衣や潤子との描写、終盤で実登里が2人にやり返す場面はもう少し欲しかった気がする。

本作は全320頁なのでもう16頁或いは32頁追加して掘り下げた描写をしてもらいたいと感じるが、ここは作者ではなく編集側の都合によるもので価格が上がると売れないのではという懸念も有るだろうが、個人的には頁数の増量を希望したい。

【参考記事】

愛好家Sさんのブログでも本作を紹介なさっています。

4003『三人のママ 甘やかされて、惑わされて、しぼられて』

鷹羽真「ホームステイ【青い目の留学生】」

鷹羽真「ホームステイ【青い目の留学生】」(フランス書院文庫、2014年5月、表紙イラスト:村山潤一)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

日本に憧れる留学生マリをホストファミリーとして迎える事になった健人。3週間の短い同居生活を送る内に彼女を大事にしたい気持ちが高まり恋人関係が始まるが、次第に帰国の予定が近付いて来る。

【登場人物】

葛城健人
高校2年生。両親がマリをホストファミリーとして迎えた為、3週間彼女と同じ屋根の下で暮らす事に。童貞。

マリ・ブラント
高校2年生。オーストリアのウィーン出身だが、日本人の祖母がいるクォーター。清楚な佇まいと可憐な笑顔が好印象を与え、金髪蒼眼でスタイルの良い美少女。
祖母や親友のキャシーから日本の話を聞かされて興味を持ち、3週間のショートステイで来日。色恋沙汰に縁が無く、密かにロマンスを期待していた。

葉山洋子
25歳。健人の通う高校の英語担当教師。英国人の父親を持つハーフだが、切り揃えた黒髪に怜悧で知的な顔立ちでメガネを掛けたクール系美女。Sっ気が強くこれまでにも男子生徒に手を出し、従順に手なづける事に快感を覚えていた。

キャシー・ロジャース
日本の大学に留学中の大学生でチアリーディング部に所属しており、爆乳でグラマラスな女性。マリの姉貴分でマリを日本に招いたが、彼女の初めての彼氏になった健人に並々ならぬ興味を抱き、初対面の夜に誘惑を仕掛けて来る。ステレオタイプの留学生で、片言の日本語と英語を話すのが特徴。

【展開】

健人は両親と共にマリの歓迎パーティを開くが、疲れて眠ってしまった彼女をおぶってベッドに寝かせると、寝惚けていたせいで祖母と勘違いしキスを求められ、衝動的にディープキスに及んでしまう。

2日後マリが同じクラスになり英語の授業中の態度を見て健人が彼女に熱を上げていると察知した洋子は、放課後に英語準備室へ誘うとマリを襲わないように自分が処理してあげると誘惑し手コキで射精に導く。

週末を迎え両親が不在の為マリと2人きりで過ごす事になった健人は、彼女を性の対象と見ないように意識する余りにそっけない態度を取ってしまい、それを見たマリは健人に嫌われたのだと消沈し雷雨となったその晩寂しさから部屋で泣き崩れる。
マリの様子が気になり健人は部屋を訪ねると彼女からキスを求められ、それを本番までOKのサインだと早とちりし初心な彼女の乳房に愛撫を仕掛けて絶頂に導くと、正常位で繋がり朝まで何度も精を放つのだった。

週明けの授業でマリとの仲が進展したと気付いた洋子から校内放送で準備室へ呼び出された健人は、マリにしてもらっていないだろうと洋子からフェラチオで射精に導かれると、骨抜きにしようと目論む彼女からセックスを求められる。
しかしマリの方が好きだと決意した健人は執拗に洋子の膣内に射精を繰返すと、その精力の強さに屈服させられた洋子は淫語を口にしながら激しく乱れ健人を追及するのを諦める事に。

こうして2週間目の週末を迎えキャシーが葛城家にお泊まりにやって来るが、人目も憚らずスキンシップを求める彼女に健人はたじたじになりつつ、その晩に早速キャシーに夜這いを掛けられ交わる内に彼女の被虐性を開花させるのであった。

残る1週間を公認の恋人関係で暮らす内に3週間目の土曜の朝を迎えた健人は、キャシーに唆されメイド服に着替えたマリに目覚めのフェラチオ奉仕を受ける事に。
健人の両親から交際を始めてはと勧められ嬉しさの余りマリは健人に紅茶を溢してしまい、同じ気持ちの健人は粗相をした彼女に挽回のチャンスを与えると告げて浴室に連れ込み泡奉仕させた後、扉越しに母親と会話しながらマリに中出しする。

翌日曜日健人とマリはしばしの別れを惜しむかのように空港の男子トイレの個室に忍び込み、愛を確かめ合うのだった。

【レビュー】

ほぼ年1作品ずつフランス書院文庫で出版している作者は、普段は同レーベルの弟分に当たる美少女文庫を主戦場としている。
典型的なボーイミーツガールの作風は美少女文庫ではわかつきひかるさんがお馴染みだが、それを黒本に移植したようなものと言っても過言では無い。

単にジュベナイルポルノにしないように淫語全開の女教師や、ステレオタイプのお姉さん留学生を加えているのがらしい所だが、あくまでもベースは清楚で可憐なマリとの恋愛物語に終始しており好印象を与える。

マリの性格付けを重視した為か、今までの鷹羽作品のメインヒロインに見られた淫語全開のキャラクターという違和感は見られず、あくまでも清楚な少女がちょっと背伸びしてエッチな事をしてみました的な可愛らしさが正攻法で描かれている。

その分鷹羽作品らしい弾けたヒロイン(手袋描写付き)は女教師の洋子とアメリカンなキャシーで十分補われており、マリとのイチャイチャぶりとの場面転換と共に官能成分としては申し分ない作りではないだろうかと思う。

個人的には洋子を廃してキャシーを高校の先輩にして主人公やマリの手解きや3Pで彩りを持たせてもとは思うけど、恋する2人が童貞処女を同時に失う方がやはり物語としてはすんなりいくのかもしれず、その点では本作の試みは成功と言えるだろう。

鷹羽真「お姉さんはCA [キャビン・アテンダント] 」

鷹羽真「お姉さんはCA[キャビン・アテンダント]」(フランス書院文庫、2013年4月、表紙イラスト:川島健太郎)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

高校進学を控えた優人は機内で優しく奉仕してくれたCAに想いを寄せる。数日後彼女が兄嫁の夏奈と知り驚くが、再会するなりやけに積極的に誘惑する彼女に翻弄されてしまう。

【登場人物】

水元優人
高校進学を迎えた少年で、結婚を機に父親と疎遠になり関係回復を狙う兄の思慮により、高校生活を兄夫婦の元で暮らす事に。童貞。

水元夏奈
27歳。優人の兄嫁で国内航空線でキャビン・アテンダントの仕事に就いている。3年前に結婚したがここ1年はセックスレスが続いており、義弟の優人の存在を知りショタコン気味に想いを募らせていた。

【展開】

受験で上京しようと搭乗中の機内で固い表情で最前列の席に座っていた優人は、対面の席でパンチラや足コキを仕掛ける美人CAから緊張を解してあげると告げられ手袋越しに優しく手コキされてしまい、彼女に淡い想いを抱く事に。

翌月優人は兄から呼び出され実家近くの県庁所在地のホテルで久々に対面を果たすと兄嫁だと紹介された夏奈が件のCAだと知るが、兄がトイレで中座した隙を見てテーブル下に潜り込んだ彼女の口戯により射精させられてしまう。

酔い潰れた兄を部屋へ運んだ優人は夏奈に誘われホテルの隣室で散々精を搾り取られた揚げ句挿入しようとするが上手く行かず、結局夏奈が馬乗りになって童貞を喪失すると朝方まで互いの身体を貪り合うのだった。

優人は上京するなり新生活初日から兄が多忙で不在がちと知り夏奈の淫乱な身体を毎日のように求めると、始めは夫の弟で淋しさの代償にしていた彼女も優人を一人の男と見るようになり、勤務の合間を縫って裸エプロンで歓待し彼を歓ばそうとする。

梅雨を前にリゾートホテルのプールで夏奈から水着姿を披露され人目を気にしながらも彼女と水際で激しい1日を過ごした優人だが、6月に入ると兄の長期出張と夏奈の多忙によりすれ違いの毎日が続く。
そんな中夏奈から空港近くのホテルへ来るように呼び出された優人は、CAの制服姿の彼女に手袋越しに手コキされたり、キスを交わしながら足コキされたりと奉仕されるが、御返しにと彼女を激しく攻め立てて貫き専属奴隷宣言をさせてしまう。

夏休みを機に沖縄旅行を兼ねて九州へ出張した兄に顔を見せようと夏奈の搭乗する便に乗った優人は、他の乗客の目を盗んで彼女を機内のトイレに連れ込み、濃厚なキスを交わし合うのだった。

【レビュー】

前作はヒロイン3人の作品だったがいずれもクロスする場面は無く、単体ヒロインのオムニバス形式の趣が強かった。本作では原点回帰を狙ったのか単体ヒロインの作品であり、基本的な軸はぶれてはいないと言えるだろう。

本作では「お姉さん」がCAであり兄嫁でも有るが、仕事が多忙とは言え一応は夫の居る身でも有る。兄嫁の出る作品なだけに多少は背徳感を持たせるかと思ったものの、文中で夫への当て付けを思わせる描写が有った位だった。
この辺りはいかにも現代の誘惑作品らしいしライトな作風を得意とする作者らしいのだが、折角の兄嫁設定なら素面の兄が側にいる中での密かな交わり等何かしらのドキドキ感を加えてみても良かった気がする。

CAとしての設定はこちらも手袋での手コキ描写が好みである作者のフェチィシズムが上手く盛り込まれていて興味深い所だが、これだけあられもない描写ならヒロインの夏奈が兄嫁で無くても実姉や義姉でも良かったように思えてならず、些か残念である。

【参考記事】

DSKさんのレビュー紹介記事はこちらからどうぞ。

お姉さんはCA(著:鷹羽真、フランス書院文庫)

朝比奈海「禁断家族 邪淫の宿」

朝比奈海「禁断家族 邪淫の宿」(フランス書院文庫、2010年3月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

父親の死去で実家へ帰郷した大輔は密かに身内である継母の良枝、実姉の冴子、良枝の連れ子の春菜の3人を囲い、旅館を改装しようと目論んでいた。手始めに良枝の口唇奉仕を受けた後、大輔は冴子や春菜とも相次いで関係に至るが…。

【登場人物】

大輔
27歳。3年前に父親の死去をきっかけに帰郷し、現在は旅館の跡取りとして働いているが、周囲からは不真面目だと評判は芳しくない。密かに周りの親族3人を囲おうと野心を抱いている。

良枝
39歳。大輔と冴子の継母に当たり、現在は旅館の女将として采配を振るっている。和服の似合う肉感的な魅力に溢れた美女。

冴子
36歳。大輔の実姉で県南の中学校の教諭を務めている。良枝と折り合いは良くなく、現在は一回り年上の夫と離れて暮らしている。大輔が昔から憧れを抱いており、高校3年生の時に1度だけお触り程度の関係を持った事が有る。

春菜
18歳。良枝と前夫との間に産まれた娘だが、再婚した大輔の父親の意向で将来は彼と結婚させようと考え籍に入れていなかった。母親に似てスタイルが良く瑞々しさに溢れた美少女で、大輔に対し兄以上の処感情を抱き処女を捧げたいと願っている。

【展開】

父親の3回忌の晩に春菜が友人宅に泊まると知った大輔は別の法事から帰宅した良枝に酒を勧めた後に風呂場で鉢合わせになり体を求めるが、彼女からいずれは春菜と結ばれると聞かされフェラチオ奉仕に留める事に。

翌朝修学旅行の引率で旅館にやって来た冴子から一緒に酒を飲もうと誘われた大輔は彼女を自室に招くと、どちらからともなく未遂に終わった高校3年の夜の続きを求め騎乗位から対面座位で立て続けに膣奥に精を放ち次の逢瀬を約束する。

ある日再び春菜が外泊したのを機に大輔は良枝と結ばれるが、2人の態度の変化を察し結婚の約束を知った春菜は母親が女将会で旅館を不在にしたのを利用して大胆に迫り、大輔に処女を捧げる事になる。

娘と結ばれたのを察しつつも次第に禁断の関係にのめり込む良枝は仙台での仕事の打ち合わせに大輔が付いて来ると知るが、一方の大輔は母と姉の不和を解決しようと市内のホテルの一室で冴子と情交を済ませた後に良枝を呼び付け、3人で乱れた一夜を明かす事になる。

秋を迎え冴子を交えた一夜を思い出し春菜への罪悪感を抱く良枝は、ある日仏間で夫の遺影の前で大輔に抱かれ乱れる所を帰宅した春菜に見付かってしまう。しかしそれが大輔の企みと知った良枝は自分が正妻だと納得した娘と和解し、同時に大輔が呼び寄せた冴子と3人で彼に奉仕する。

【レビュー】

熟女ヒロインに興味を抱く主人公というのは前作の「狂夜」とほぼ同じだが、春菜という妹キャラも盛り込んだ事で幅広い属性を取り込もうとしているのが特徴と言える。
とは言えメインは継母の良枝と実姉の冴子の2人であり、無くなった夫に操を立てつつも近くに居る男の存在に惹かれてしまう良枝と、夫とはセックスレスに有り弟の帰郷をきっかけにして相姦を犯してしまう冴子との情交描写の対比は良かったと思う。

しかし良枝とは勿体付けるように先伸ばしにし前戯が長めな一方で、冴子とは相姦の意識はしつつも意外に情交に至るまではあっさりし過ぎていてそのアンバランスさはやや気に掛かったし、
春菜に関しては確かに1章分使っている割にはこちらも処女を失なう緊張感はあまり感じられず、最後に突如4P要員に駆り出された感は否めないかもしれない。

主人公がハーレムを形成しようと意識し偶然が重なった結果とは言え目標を達成しようとする展開は、高校生の主人公がヒロインから好かれ非自覚的にハーレムになりがちなフランス書院文庫の誘惑系作品とは一線を画していて面白いと思う。
個人的に気になるのは前作と同じく、やや硬式過ぎる文体や漢字の使い方がどうしても読んでいてスムーズさを欠いているように思えてならず、基本的にルビを振らないフランス書院文庫からすると少し改善した方が良いかもしれない。

朝比奈海「狂夜 二人の母と叔母」

朝比奈海「狂夜 二人の母と叔母」(フランス書院文庫、2009年6月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

実母の面影を求め年上の女性に興味を持つ崇は、ある日自分が悪戯したパンティの痕跡を繁々と眺める
加奈子の弱味に付け込み、セックスの約束を取り付けると、叔母の頼子や実母の由利恵と武者修行を終えて加奈子を抱く事に。

【登場人物】


19歳。スポーツ万能で爽やかな印象を与える大学生。加奈子を意識してか、普段はぶっきらぼうな態度に終始している。マザコン気味で年上の女性に並々ならぬ関心を抱いている。

加奈子
32歳。崇の継母に当たり、5年前に結婚した夫は仕事人間の為性的に充たされない想いを抱いている。崇と上手くいかないのを悩むと共に、奔放な妹と関係を持っているのではと心を砕いている。

頼子
36歳。崇の父親の妹で看護婦の仕事に就いており、兄が再婚するまでは崇の母親代わりを務めていた。由利恵が離婚してからも頻繁に会い、崇の成長度合いを報告していた。

佐伯由利恵
39歳。崇の産みの母親で彼が小学生の時に離婚した後に出逢った男性と再婚したが、3年前に死別している。現在は夫の遺したブティックのチェーンを経営している。

【展開】

崇と上手くいかず悩む加奈子はある日洗濯物を洗って欲しいと頼まれ喜ぶも、自分のパンティが無くなっているのを知り愕然とする。数日後加奈子は白濁で汚されたパンティが洗濯機に有るのを見付け、開き直った彼のペニスを手で扱き迸りを顔に受ける。

その晩崇はベランダ越しに加奈子とオナニーの見せ合いになった数日後に本番を求めるが、操だけはと訴える彼女の懇願を逆手に取りシックスナインに留めると、戻ったら加奈子とセックスさせてくれると約束を取り付け頼子の元へ旅立つ。

崇を駅で待ち受けていた頼子は自宅に連れて来るなり女を教えてあげると告げ、リビングや浴室、果てには祭りの晩には野姦に及ぶが、崇を呼び寄せた真の目的はマザコンの延長にある彼の熟女趣味を矯正する事だった。

ある日頼子から由利恵を呼び寄せたからと思わぬ母子再会を果たした崇は、彼女の筋書き通りに由利恵に甘えながらも自分を棄てただろうと巧みに関係を迫り交わると、我慢出来ず乱入して来た頼子も加わり3人で乱れた一夜を明かす。

頼子の元を辞した崇は自宅に戻ると約束通り加奈子と結ばれるが、一方で頼子や由利恵にも想いを馳せるのだった。

【レビュー】

2014年4月に「あじわい美母娘」で久々にフランス書院文庫で出版となった小鳥遊葵さんが以前使っていた「朝比奈海」名義のデビュー作品。

名義は違っても基本的には生母の面影を求め、30代以上の女性にしか興味が無い主人公の性の遍歴を描いているというのは共通しており、他の誘惑系作品とは一線を画した作風と言える。

主人公は女性の扱いには手慣れており作中にも既に経験済みと窺わせる節は有るけれど、前半に継母の加奈子とズルズルと前戯に留めた一方で叔母の頼子とは爛れた情交を繰り広げたり、実母の由利恵が出て来たりとバランスの悪さは気になった。

情交描写は濃厚だしそれぞれのヒロインの立場からの背徳感など情感たっぷりなのだが、漢字の使い方がやや文語的で固く個人的にはもう少し砕けた言葉使いの方が読みやすく理解しやすいのではと思う。

如月蓮「艶と華 和服三姉妹」

如月蓮「艶と華 和服三姉妹」(フランス書院文庫、2012年5月、表紙イラスト:野中昇)

ネタバレ有り。御注意下さい。今回より少々言い回しを変えてみましたので、何卒ご了承願います。

【あらすじ】

夏休みを利用して老舗料亭に住み込みのアルバイトをする事になった亮は三姉妹の次女・優奈に誘われ関係を結ぶと、自分に想いを寄せる三女の小夏や女将で長女の彩華とも関係を築く事になる。

【登場人物】

水島亮
22歳。大学4年生。夏休みを利用して彩華が女将を務める老舗料亭でアルバイトをしているが、ある日終電に間に合わずに一泊させてもらったのを機に住み込みで働く事に。

鶴田彩華
35歳。老舗料亭を切り盛りする未亡人。父親を早くに亡くし母親は1年前に亡くした為、料亭を受け継いでいる。和服の似合うグラマラスな美女でEカップ。亮の事を頼もしく思う一方、優奈や小夏が関心を抱いている事に不安を感じている。

鶴田優奈
25歳。彩華の妹で小夏の姉。158cmの体に豊かなバストの持ち主。彩華と対照的に奔放的な性格だが、経理など基本的には裏方に回っているものの繁忙期には接客も務める。亮の事は弟のように可愛がっている。

鶴田小夏
高校3年生。155cmに満たない小柄な体だがスタイルが良く、ポニーテールの似合う美少女。Dカップ。男らしい亮に一目惚れし、積極的に勉強の面倒を見て貰ったりデートに誘う。処女。

【展開】

鶴田家に来た亮はある朝廊下拭きの手伝いをしていた小夏にうっかりバケツの水を掛けてしまい、水に濡れた彼女の姿態に勃起しその場はやり過ごすも優奈に見付かり、彼女が着替えを用意するのを口実に控えの部屋でフェラチオ奉仕される。

その晩に接客をして酔った優奈に誘われ小夏が傍で眠る中で寝室で交わった亮は翌日に彼女から勉強の面倒を見て欲しいとせがまれるが、小夏の無防備な服装に反応したのを知られぺニスを手でしごいて貰いながら彼女の秘所を愛撫し絶頂へ導く。

中庭で植え込みの陰に隠れて和服姿の優奈を抱いたりと関係を深めた亮は、その一方で小夏ともペッティングを重ねる内に彼女から処女を捧げられるも、彩華に小夏との関係を知られ自分が楽にしてあげると手解きを受けながら結ばれる。

1度で飽き足りず夕方にも自分を求めたのに、仕事中に優奈に誘われ離れの空き部屋でセックスしていたのを知った彩華は、翌日自分だけにして欲しいと釘を刺すもまぐわう姿を携帯の動画に撮られ、深夜に再び彼の部屋で密会する所を小夏に知られる。

花火大会の晩に配達に付いて来た小夏に誘われ屋外で交わった亮は翌日熱を出してしまい再び彩華から釘を刺されるも、懲りずに調子に乗って動画を消す代わりに最終日の夜に黒い着物でセックスするように約束させてしまう。

アルバイトの最終日の夜に小夏と夏祭りデートの後に人気の感じられる茂みに隠れて屋外でセックスした亮は帰宅すると彩華の訪問を受けるが、同じように勝負着物姿で着替え部屋にやって来た優奈や小夏に見付かり、4人で最後の夜を明かす事に。

【レビュー】

「僕、こんなになっちゃったよ」

誘惑官能小説ではお馴染みと言える主人公の甘えた口調だが、殊に如月蓮作品の主人公ではよく見られる。本作でもこれに似た甘えたセリフで3人に迫り、特に立場のある彩華は何だかんだ言いつつも許容してしまう。

本作で最年長である彼女に関してはまだしも、年下でもある小夏に対してもきっかけは甘え口調で、主人公はすぐ調子に乗って挿入したがる。今回はまたそれかと言いたくなるような展開が延々と続いてしまったのが気になった。

老舗料亭で三者三様の和服情交場面をふんだんに用いられていて誘惑官能小説の王道をしっかり満たしているし、夏休み中という季節柄から男女の汗の匂いやしっとりとした場面描写は女流作家らしい細やかさを感じさせる。

その一方で肝心の情交場面はあっさり気味だし、嫉妬の応酬はどちらかというと受け身がちな彩華と小夏が中心であり、奔放キャラである優奈をもっと弾けさせたり、情交場面を少なくする分もっと濃厚にしても良かったかもしれない。
プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が200冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
因みに一部で広報担当だとか、出版関係だとか思われているようですが、ただの会社員ですのであしからず(苦笑)

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

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