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菊池唯「【Fの誘惑】女教師母・女教師姉妹」

菊池唯「【Fの誘惑】女教師母・女教師姉妹」
(フランス書院文庫、2009年9月、表紙イラスト:小玉英章)

ネタバレ有り。御注意下さい。
2014年9月21日レビュー再編集。

作品紹介(公式ホームページ)





【あらすじ】

両親の離婚で傷付いた修一を慰めようと初体験の相手をしてくれた玲奈。それを知った妹の七海や2人の母親の響子も教師にあるまじき淫らさで誘惑してくる。

【登場人物】

上城修一
17歳の高校2年生。修一が高校に入学した年に母親が駆け落ちし、父親は家庭を顧みない為、伯父に引き取られた。一時は不登校になっていたが、玲奈の導きで学業優秀で生徒会長になるまでに回復。基本的に優柔不断で場の雰囲気に流されやすい。響子の初恋の男と瓜二つらしい。

香坂響子
40代前半?玲奈や七海の母で修一のクラスの担任。高校生の時に初恋の男との間に玲奈を、見合い結婚した相手とは七海を授かるも、夫が玲奈に手を付けようとした為離婚。親戚が運営する学園で娘2人と共に教師を務め、学年主任を兼務している。初恋の男と瓜二つの修一の事を気に掛けている。Fカップ。

雨宮玲奈
26歳。修一が1年生の時の担任で生活指導を行うテニス部の顧問教師。夫がマザコンで男性不振に陥り離婚協議中だが、何故か他人とは思えない雰囲気の修一と出逢い変貌した。スーツ姿の似合うシャープな雰囲気の女性。Fカップ。

香坂七海
23歳。響子の娘で玲奈の異父妹。新米教師で英語を担当し、修一のクラスの副担任。女性らしい丸みを帯びた容姿の女性。清楚な雰囲気を漂わせているが、義姉の玲奈とは常に張り合っている為か修一の事になると性格が一変し場に流されやすい面も。Fカップ。

【展開】

修一は玲奈に女子更衣室へ連れ込まれると、朝練で汗にまみれた秘唇を舐め清めてと要求された上、自分が穿いていたパンティを穿くように命じられる。一方七海は授業中落ち着かない様子の修一を昼食へ誘い、進路相談室で姉の下着を身に付けているのを見咎めると、立て続けに口や乳房を使い射精させてしまう。

そこへ抜け駆けは許さぬとばかりに玲奈が現われ七海と共に保健室へ連れ込まれた修一は、包帯で目隠しをされたまま玲奈が上になった重ね餅の状態で味見をするように要求される。先に七海、次に玲奈へと代わる代わる挿入し都合6回も射精した修一は保健室のベッドの汚れたシーツを交換していたが、先に出ていった姉妹に不審を懐いた響子に性的な関係があったのだと気付かれてしまう。

それを知らず教室に戻った修一は自分のリコーダーを男性器の如く扱いオナニーする響子の姿を目にするが、いち早く立ち直った彼女から娘たちとの関係を追及され2人とは姉のような存在で響子にはママのように甘えたいと返答する。その流れで香坂家で夕飯をご馳走になるが、帰宅した七海とは入浴前に前立腺を刺激されながらフェラチオされ、更にその晩に独占欲の強い玲奈から部屋へ連れ込まれ顔面騎乗でマーキングされ飲尿させられてしまう。翌日も玲奈の朝フェラで精を抜かれた修一は授業前の教室で必死な様子の響子に応えて勃起させると、一晩中自分のリコーダーの先端を膣内に入れていたのに退きつつも後背位で彼女を貫くのだった。

昼休みに玲奈に呼び出された修一は、フェラチオをする際に自分たちとは長さの違う恥毛を見付け響子との浮気の動かぬ証拠だと突き付けられ、罰として顔面騎乗で愛蜜だらけにされた上に唾液を塗りたくられた挙げ句に彼女の自宅に連れて行かれる。修一の居場所を突き止め携帯電話に連絡した七海がやって来る前に玲奈は腸内に仕込んだゼリー飲料を修一に食べさせた後でアナルで交わり、後から来た七海にも同じようにゼリーを腸内に仕込みアナルを貫かせるのだった。

修一は七海に自宅へ送って貰うが、先の玲奈を交えた変態プレイで彼女が口走った事から響子との関係がバレてしまう。そこへ修一が体調を悪くして早退したと聞き付けた響子がやって来たが、七海の企みで響子を誘惑する羽目に。芝居だった筈の修一は響子と浴室で熱い情交を重ねる内に告白するが陰に潜んでいた七海と彼女に呼び付けられた玲奈に聞かれてしまい、母親が帰宅するなり嫉妬に駆られた姉妹に精力剤を飲まされ前立腺を刺激されながら更に3回ずつ情交を強要されるのだった。

翌朝疲労困憊で遅刻しそうな修一を車に乗せて登校し図書室に連れて来た響子だが、自分に初恋の男とダブらせ勝手に盛り上がる彼女の態度に苛立った修一は激しく責め立て、その男の名前を聞いて自分の父親で有り玲奈が腹違いの姉だと知る。その会話を盗み聞きしていた玲奈は夕方に修一を香坂家へ連れて来ると、七海と共謀してゼリーを使ったプレイを響子に覗かせ、修一が変態的な趣味の持ち主で手に負えないと失望させ諦めさせようと目論む。しかしその後部屋を訪ねて来た響子は何処か取り憑かれた様子で、全身を震わせながら修一の顔面に騎乗し全てを受け入れてと迫られるが…。

【レビュー】

改めて読み直すと、「近年で最強の問題作」というのが感想である。デビュー前にWeb上で先行公開されたのとは大分改編されていたように記憶するが、【Fの誘惑】と聞いて自分は「F(カップ)の誘惑だから巨乳フェチ作品」と思い込んていた節もある。

「F」=「フェティシュ」であり、主人公の修一は性に積極的な玲奈や七海から放たれる愛蜜、唾液、黄金聖水、挙げ句には飲用ゼリーを使った擬似スカトロプレイまで何でも甘受してしまう非常にアグレッシブな設定である。文中に父母から家庭の温もりを与えられなかったので、玲奈や七海は姉のようで響子は母親のようだ(だから甘えたい)という節が見られるのだが、残念ながら自分には愛情の一環としての言動だったのかイマイチ読み取れなかった。それでも殆どのプレイにおいて主人公が嫌がる様子も無く、寧ろ嬉々として受け入れているようなのがせめてもの救いだが、それでも彼女たちに捨てられたくない一心からとも見えるので実に重いものを感じさせる。

逆にヒロイン3人の側から見ると果たして本当に母娘、或いは姉妹なのか、互いに血の濃い者同士にしてはあまりにも生々しい程に利己的で、自ら教え子に授業をサボらせる位だから何も彼女たち全員が教師で無くても良かったと思う。
教職者にあるまじき弾けっぷりだと楽しんでも良かったのだが、玲奈に取っては従わせる喜び、七海に取っては実弟のような溺愛、響子に取っては忘れ得ぬ初恋の男への依存、それぞれが非常に重過ぎてならなかった。

終盤玲奈との関係を知った主人公は父親と関係している他の2人を捨てて七海を選択しようと試みるし母娘の中ではまだ常識的な彼女も受け入れるが、玲奈に都合良くペットに使われ、響子は最早初恋の男と混同しているかに見える。今の時代なら彼女たちは「ヤンデレ」としてジャンル付けされそうだが、それにしても過度のセックス依存振りには途中から読みながらも流石に退いてしまった感が否めない。

作者は本作1作のみの刊行となっているが、非常に濃密過ぎる官能描写の組み立てからすると正直新人とは言いづらいし、逆に「濃密過ぎる」描写の反面でメリハリを付けずにダラダラと詰め込むからこそ新人らしいと言えるかもしれないので判断はしにくい。

作中では僅か3日間でこれだけ「射精させられる」訳で幾らフィクションと言えども流石にこんなには…と感じるし、主人公とヒロインたちで誰一人ハーレムを選択しなかった故、この先にハッピーエンドが待っているとは考えにくくスッキリした読後感とは言えないかもしれない。


DSKさんのブログでも本作をご紹介なさっています。
2009/9/24 発売Fの誘惑-女教師母・女教師姉妹著:菊池唯、フランス書院文庫→ Amazonはコチラから。→ Kindle版はコチラから。→ ハイブリッド書店【honto】はコチラ。〈電子書籍〉→ ひかりTVブックはコチラ。〈電子書籍〉→ 総合電子書籍ストア【BookLive!】はコチラ。「君は私のいやらしいオッパイでどう責められたい?」女教師の胸元からこぼれ落ちそうなFカップの乳房。二人きりの生徒指導室で密かにつづく特別レッスン。姉の...
Fの誘惑-女教師母・女教師姉妹(著:菊池唯、フランス書院文庫)



DSKさんはFカップ多用だから巽飛呂彦さんとご推察なさっていますが、私は三人とも女教師で異常なハイテンション(褒め言葉です)とくれば本藤悠さんかなと思います。でも三冊目の刊行と近いので、果たしてどうなのか。謎の新人さんではありますね(苦笑)

tag : 高校生主人公 童貞 姉妹丼 母娘丼 デビュー作品

宇治薫「はんなりと… 年上の京おんな」

宇治薫「はんなりと… 年上の京おんな」(フランス書院文庫、2009年2月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

母親の親戚に当たる中岡家に引き取られた幸太は従姉の由里子に見初められて筆下ろしされると、2人の情交を覗き見ていた伯母の瑶子に関心を抱き、由里子に教わった情愛を施すが…。

【登場人物】

斉藤幸太
両親を事故で亡くし身寄りが無い為伯母に当たる中岡家に引き取られた。当時は中学2年の少年。後に由里子の娘である亜耶と入籍する。

中岡由里子
瑶子の長女。幸太が引き取られた当時は短大を卒業したばかりの20歳で花嫁修行を経て翌年には和菓子屋を営む山崎家へ嫁いたが、娘の亜耶を設けたものの幸太が忘れられずに4年後には離婚。亜耶は幸太との子だと確信している。

中岡瑶子
由里子の母親で幸太の母親の姉。8年前に酒造会社の当主だった夫を亡くしているが、現在も会社への影響力は大きくかなりの資産家である。幸太が引き取られた時は30代後半~40代前半と思われる。

【展開】

婚約者とのデートを終えて帰宅した由里子はその日中岡家に引き取られた幸太を見てすっかり気に入ると、数日後映画館へ一緒に出掛けて誘惑した後でその晩に部屋へ押し掛け、立て続けにフェラチオで射精させ童貞を奪ってしまう。
瑶子の目を盗み頻繁に夜這いを掛ける由里子は好奇心から自らを縛って交わるように幸太に要求するとあまりの快感に病み付きになり、次第に変態じみた蜜戯を繰り返し遂に婚家に嫁ぐ前に後ろの処女も捧げる事に。

翌年由里子の祝儀を終えたその晩、2人の逢瀬を知っていた瑶子は自分が娘の代わりに慰めてあげると幸太に申し出るが、少年が由里子と同じように荒々しく扱いたいと知ると恥じらいつつも激しい肉交を受け入れてしまう。
高校へ進学した幸太は娘を連れて帰省した由里子との交わりを縄で拘束した瑶子に盗聴させて焦らすと、今度は由里子にも母親との交わりを聞かせて仲間に加えて母娘3Pに溺れていく。

3年後附属の大学に進学した幸太は離婚し出戻って来た由里子と共に学業の合間を縫って週末にある時は瑶子、次の週末には由里子と2人がかりで他方を虐める変態じみた情交を繰り返すが…。
幸太が3回生になったある晩中岡家に侵入した2人組の男たちに母娘が犯され、そこへ帰宅した幸太が現場に遭遇し衝動的に凌辱魔を殴った揚げ句、1人を撲殺、もう1人に重傷を負わせたとして正当防衛が認められず殺人罪で服役する。

7年後出所して来た幸太を待ち受けた母娘は刑務所から程近い金沢の温泉旅館に歓待すると、痩せた幸太を見て憐れみ涙を流しながら相次いで腸肛に精を注がれ絶頂する。
母娘から大学への復学と由里子の娘・亜耶との婚約を提案された幸太は翌日中岡家に戻ると、美少女に成長した「娘」に目を見張りつつも浴室で彼女と接吻を交わしながら体を洗ってもらい感慨を深めるのだった。


【レビュー】

2009年第6回「フランス書院文庫官能大賞」受賞作品。本作以前に刊行が見当たらないので恐らくは新人作家と思われるが、大分ライトな方向にシフトされていたフランス書院文庫の誘惑路線の中では毛色の異なる調教要素を前面に打ち出した作品である。
出だしでほぼ結論を明示しつつも主人公の少年時代からの成長に章を重ねており、平素な場面では時代を感じさせる描写も多数用いられる一方で、情交描写では意外に現代的な面も有ったりと良い具合に応用を効かせていて興味深い。

始めは従姉の由里子に見初められ、逆夜這いを掛けられ主人公が童貞を喪失するまではいつもの誘惑路線と見せつつも、由里子から被虐願望を満たす為に少年を教育し幼き暴君に仕立てるまでの前半部、
由里子が嫁いだ後主人公が母親の瑶子をマゾ奴隷にしていき、実家に戻って来た由里子も交えて爛れた3Pを繰り広げる後半部と、ややダークな雰囲気も醸し出しながら作者の拘りである京女たちのしっとりとした情愛が描かれており、完成度は高いと思う。

惜しむらくは「転」と「結」に当たる終盤2章の展開が幾分唐突過ぎるせいもあり、「実の娘」の亜耶とよりは主人公の年齢に近い由里子との方が釣り合いが取れるのでは?という疑念が残ってしまい、ここはもう少し丁寧な記述が必要だったと感じる。

桃山庵「狂愛寝室 美乳叔母と美臀継母」

桃山庵「狂愛寝室 美乳叔母と美臀継母」(フランス書院文庫、2009年1月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

半年前に継母となった沙也加に興味を抱き悩む甥の祐希に素直になって貰おうと奈保子は彼を誘惑するが、彼の父親との不倫が発覚したのをきっかけに祐希は沙也加とも関係したのを知って、彼女の本心を聞こうと企みを思い付く。

【登場人物】

友枝祐希
17歳。高校2年生。5年前に産みの母親を病気で亡くし沙也加を継母として迎えたばかりだが、彼女に興味を抱く事に何処か罪悪感を抱いている。童貞。

友枝沙也加
30歳。祐希の父親の後妻で半年前に結婚。祐希の良き母親になって欲しいという夫の認識とは擦れ違っている。モデルのようにウエストが括れ、張り出したヒップとのコントラストに祐希が夢中になってしまうが…。

桑島奈保子
36歳。祐希の母親の妹(叔母)。女性向け下着を扱う会社の経営者兼デザイナー。妖艶さを漂わせており、特に豊満なバストに注目を集めやすい魅力的な女性。姉が病死する前から祐希の父親と肉体関係に有った。

【展開】

奈保子の家を訪ねた祐希は沙也加に興味を抱く事に罪悪感を抱き独り暮らしをすべきだと心情を吐露するが、彼女は沙也加が来て以来すっかり自分に関心を持たなくなったと甥を誘惑し、素直になるべきだと口唇奉仕される。

一方結婚して間も無いのに夫から祐希の母親の役目を求められ不満を持つ沙也加は、ある日祐希の部屋を掃除していると、ベッドの下から自慰の痕跡を残したビニール袋を見付け、満たされない思いから秘所をベッドの角に押し付けオナニーをする。
そこへ祐希が帰宅し慌てた沙也加はビニール袋をパンティの中へ押し込めてその場を凌ごうと体調が悪いのだと嘘を吐き寝室に連れて行ってもらうが、上気した様子に当てられた祐希にのし掛かられパンティ越しに性器を密着させて射精されてしまう。

思い詰めた祐希は奈保子に匿って貰おうと桑島家を訪ねると再び寝室で口唇奉仕を受けるが、予め連絡を受けていた沙也加が乗り込み自宅へ連れ戻される。
10日後隠しカメラに写る沙也加の姿をオカズに自慰をしていた祐希はそこに叔母の姿を見付ける。父親と密会していたのを問い詰めた祐希に対し、奈保子は悪びれる様子も無く逆に沙也加との一件を掘り返しての彼女の態度の不自然さを指摘する。
彼女も好きな筈だから改めてアタックしてみなさいと叔母から勇気付けられ騎乗位で繋がり童貞を卒業した祐希。帰宅するなり奈保子に言われたように沙也加に積極的に迫りキスをする所まで辿り着くが、そこへ父親が倒れて入院したとの知らせが入る。

入院手続きを済ませた沙也加は病室へ戻る途中で女医とインターンの青年が空き室で情交に及ぶのを見てしまい、2人の会話から夫の不義を知る。
病室へ戻り祐希を問い質し自分だけが知らずにいた事や奈保子に童貞を奪われた事への憤りから、沙也加は眠る夫の目の前で祐希を誘惑してバックで受け入れ見せ付けるように激しく乱れるのだった。

数日後父親の書斎に忍び込んでいた奈保子と対面した祐希は再び誘惑されるが、そこへ帰宅した沙也加と鉢合わせになり泥棒猫だと詰る沙也加に対し、奈保子は夫に復讐しようと祐希とセックスに及んだのだと言い返す。
更に祐希が襲い掛かった一件は精液の匂いを嗅ぎながらオナニーしていたのを隠そうとしたからだと言い当てられた沙也加は抵抗出来ず、奈保子に身体を愛撫されながら正常位で祐希に抱かれるのだった。

夫が逝去してから半月後、奈保子の訪問を受けた沙也加は約束を破り自慰をした祐希に罰を与えようと先ずは自らが跨がって射精に導くと続けて奈保子を貫くように命じ、絶頂のあまりに失神した彼女の顔に秘所を押し付けて激しい3Pに興じるのだった。

【レビュー】

「叔母と継母(義母)」、「美乳と美臀(びじり)」というように対比する要素を持つヒロインを競演させるのは誘惑作品としては常套手段の1つだが、本作においては主人公への愛情表現にやや倒錯めいた要素を持たせているのが特徴である。
2009年という時期は丁度新旧の作家の世代交代を象徴する年であり、倒錯や近親相姦といった重苦しさから主人公への溢れる愛情とハーレムエンドに導かれる作風へとレーベルが変化していく中での「ちょっと遅れて来た」感のある新人の登場となった。
こうした作風は何度か触れてはいるが2000年代前半の鏡龍樹氏が得意とする路線でも有り、多分に氏の影響を受けたのではと思われる節も読み取れる。

亡くなった母親の妹である奈保子、継母になったばかりの沙也加は共に主人公の父親を巡って奪い合うだけでなくその争いに主人公を巻き込み、時には溺愛したり又は利用したりと女性たちの一筋縄ではいかない心情を描いている。

特に奈保子の愛情表現は婉曲的でかつ倒錯的な側面が強く、主人公をじわじわと言葉で焦らしたり、口唇奉仕で射精に導いた上で口移しに迸りを飲ませたりと受けのシチュエーションが好きならばともかく、読者によっては判断が分かれるのかもしれない。

継母の沙也加に付いてはあくまでも夫との貞操を守りつつも主人公に迫られる前半と、夫の不倫が発覚し主人公にも愛情を見せる奈保子への嫉妬に駆られて主人公を誘い夫に復讐する後半との落差が有ってこれは良かったと思う。

我妻馨「熟妻料理教室」

我妻馨「熟妻料理教室」(フランス書院文庫、2009年5月)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

料理教室の理事長で有る母親から呼び出され所用を申し付けられた祐希は、料理教室の人気講師の志穂の家に呼ばれるが獣欲を見せた事で気まずくなってしまう。相次いで教室の熟妻生徒とエッチな事を経験した祐希は、久し振りに憧れの絵理と再会し結ばれる。

【登場人物】

藤田祐希
高校生。サッカー部のエースで、純朴で可愛らしい容貌から校内でアイドル扱いされている。母親が料理学校を経営しており、所用で頻繁に教室に呼び付けられてはマスコット同然に熟女たちから可愛がられている。童貞。

上月志穂
30歳。祐希の母の料理教室の人気講師。夫は2年前から海外赴任しているが、仕事を選び日本に残っている。祐希が密かに想いを寄せている女性。

宮前絵理
34歳。祐希が幼い時からの顔見知りの元講師。7年前に結婚し夫の赴任先に転居したのをきっかけに料理教室を辞めていたが、祐希の母親に請われ料理教室を継ぐべく引っ越しして来る事になり祐希と久し振りに再会した。

風早奈津美
32歳。祐希の隣人で料理教室の生徒。夫は外交官で海外生活が長いせいか祐希に抱き付いたりするが、スキンシップが過剰だと気付いていない。

早坂真衣
23歳。30代以上の生徒が多い料理教室の中で一際若く目立つ存在。いわゆるセレブ婚で普段は華やかな雰囲気だが夫が浮気をしていると知り、羽目を外そうと日焼けをして祐希にモーションを掛けて来る。ギャル語口調で間延びした話し方。

【展開】

所用で教室へやって来て用事を済ませた祐希は志穂に誘われ自宅でご馳走になり、蛍光灯を交換する際に目にした彼女のお尻に触らせてと懇願し許されると、調子に乗り服越しに勃起をお尻に擦り付けながら胸を触ろうとして彼女に平手を張られます。

数日後奈津美の買い物の荷物持ちをしたお礼にと自宅に招かれた祐希は洗面室で偶々彼女の下着を目にし匂いを嗅いでいた所を彼女に見付かりますが、リビングに移ると下着越しに胸を揉ませてもらい、終いには胸に顔を埋めながら手コキで放出してもらいます。

サッカーのレギュラーから外されしょんぼりする祐希を暗がりの教室で見掛けた奈津美は、彼を慰めようとハチミツを自分の胸や陰部に垂らして愛撫させると、彼女も祐希のぺニスにハチミツを掛けシックスナインで相互絶頂します。

奈津美と親しくなるも本番は駄目という彼女の意志を感じた祐希はある日、教室にやって来た麻衣に誘われ果物やクリームで思う存分女体盛りやパイズリで楽しんだ後セックスしようとしますが、志穂に見付かりお預けになります。

数日後母親に呼び出された祐希は同じく呼び出されるも多忙な母親にドタキャンされ眠った振りをする絵理と再会し、彼女の無防備な寝姿に匂いを嗅ぎながら興奮します。
目覚めた絵理から引っ越して来たばかりの部屋に招かれた祐希は身体を洗ってあげると手コキ射精に導かれ、3日後彼の誕生日プレゼントと自分を姉のように慕う祐希に倒錯した想いを抱きながら初体験へ導きます。

絵理と結ばれあとは志穂との関係改善を望む祐希は、ある日彼女の授業で痴漢めいた事をする初老の生徒を見咎めて羽交い締めにし、僕の志穂さんに手を出すなと言い放ちます。
その晩にお礼を言いに理事長室へやって来た志穂は生徒から男を喜ばせるならこれだとアドバイスを受けたらしく、羞じらいながらも裸エプロン姿に着替えます。志穂に誘惑され遂に想いを告げた祐希は告白し、夜から朝を迎えつつ何度も交わります。

秋を迎えて職場復帰した絵理と志穂は祐希の母親から料理教室を任され、さながら祐希の城と化した理事長室で今日も帰宅した彼を王子様扱いし、仲間に加えた奈津美や麻衣と4人で奉仕する日々を過ごすのでした。

【レビュー】

「誘惑第四世代」と称された東雲理人さんと同じ月にデビューした我妻馨さんの作品は、タイトルの通り4人の人妻が高校生の主人公を可愛がりつつ関係を結ぶ流れとなっています。
リアルドリーム文庫などでは割とよく見られる料理教室ものですが、フランス書院文庫では本作が初めての試みだそうです。

一昔前の誘惑作品に見られた、本命の志穂との初体験を迎えるまでに他のヒロインとは本番はお預けで焦らされる展開かと思いましたが、途中で対抗ヒロインの絵理が出て来て筆下ろしされる展開は少々意外でした。

奈津美や麻衣に関してはそれぞれハチミツやスイーツを使う甘々展開で濃厚な前戯描写は非常に良かったのですが本番は無く、最後に慌てて回収したかのように参戦したのはやや違和感を感じました。

絵理は主人公が幼い頃から姉のように慕っていて甘える時は「お姉ちゃん」を連呼しており疑似姉弟ものの背徳感を味わえて良かったのですが、彼女は34歳の人妻で無くもっと若いヒロインでも成立しそうです。

志穂は本命であるが故に最後の美味しい場面を取る代わりに中盤では殆ど出番は無く、主人公と麻衣との濃厚なペッティングを見ても怒って無視するだけではちょっと心理的には描写が足りないように感じますね。

ヒロインたちは皆人妻設定ですが夫の存在が感じられず、やや無邪気でもある少年の主人公では人の妻を寝盗っている背徳感も感じられませんので、何も全員人妻で無くても良かったし、1人位は近親者を入れればなという気がします。

あと個人的な印象ですが、主人公の母親は一見すると多忙で彼をこき使っているようにも思えますが、実は主人公の想いを理解して影で舞台を整える甘々なお母さんなのではと勝手に推測しましたが、どうでしょうか。
それだけに甘々な義母を志穂、絵理を兄嫁、奈津美を主人公の叔母で料理講師、麻衣を生徒に設定すると案外スムーズに纏まったようにも感じます。

東雲理人「60日間同居人 未亡人母と隣のお姉さん」

東雲理人「60日間同居人 未亡人母と隣のお姉さん」(フランス書院文庫、2009年5月、表紙イラスト:川島健太郎)

ネタバレ有り。御注意下さい。

【あらすじ】

実母の佳乃と2人で暮らす真琴は、ある日従姉の舞夏から告白され初体験を迎える。それに気付いた佳乃もその晩に関係を結んでしまい、舞夏との関係を大事にしたい真琴は悩みつつも母親との関係も続けてしまう。

【登場人物】

宮内真琴
14歳。童貞。母の佳乃と2人暮らし。小柄で未発達な体つきと精神的な幼さから小学生に見られる事も有り、本人もそれを気にしている。

宮内佳乃
33歳。真琴の実母で夫を10年前に亡くした。現在は絵本作家で生計を立てている。天然でマイペースな性格の持ち主。

桐条舞夏
24歳。佳乃の兄の娘(姪)で真琴の従姉に当たり、真琴の通う中学校でクラス担任を勤める教師。佳乃・真琴母子の自宅のそばのマンションに独り暮らし。元々過保護に育てられた為世間の事情に疎く、母子が足しげく通い面倒を見ている。処女。

【展開】

舞夏の家を訪れた真琴は、帰りのコンビニで彼女に似たグラビアアイドルが写った青年雑誌を見掛け立ち読みしていた所を佳乃に見付かります。その晩に入浴していた真琴は後から入って来た佳乃の裸体に思わず勃起しますが、佳乃は優しく奉仕し何度も精を放たせます。

ある日舞夏と共に買い物へ出掛けた真琴はその晩に彼女に預けられる事となり、舞夏は添え寝する真琴の様子に気付くと告白し結ばれます。翌日息子が姪と結ばれたのを知り満足した佳乃は、自宅に真琴を連れ帰ると積極的に誘惑し関係を持ちます。

互いに知られないように苦労しながらも母や従姉と関係を続ける真琴は夏休みに彼女たちと旅行へ出掛けたその晩に、舞夏の振りをして夜這いを掛ける佳乃やその情交を見てしまった舞夏と相次いでアナル性交に至ります。

翌日露骨な程の取り合いになる2人にヒヤヒヤする真琴ですが、佳乃に隠れて舞夏とセックスしていたつもりが途中で佳乃が現れて動揺します。しかし舞夏の取りなしで佳乃も仲間に加える事を提案され、その晩に寝室で3Pに至ります。

【レビュー】

「誘惑第四世代」と銘打たれ、神瀬知巳さんの推奨文を付けられた東雲理人さんのデビュー作品です。始めて読んだ時にはその甘過ぎる作風に、時代の変化を感じたものでした。

私はあまりラノベを読んだ事が無いので確証は有りませんが、この作品は何かしらのラノベ作品の影響を受けたのかなと推測します。全体的に受けるテンポの良さの割りに、何処か引っ掛かりを感じる文体に正直読みづらさを感じました。

天然で奔放という言葉が似合う実母の佳乃に、終始文語体で丁寧語の口調の従姉の舞夏の2人の癖の強さに読んでいてどうしても引き摺られてしまうし、
主人公の真琴に付いても甘えん坊の反面、暴走しがちの2人に強烈な突っ込みを入れたりとどうしたいのかよく分からず、中途半端な立ち位置に終わった感じがしました。

それぞれのキャラクター設定は既に巽飛呂彦さんを始めとする作家さんで描かれていて別に目新しさは無いけれど、何でも取り込んでおこうというデビュー作品ならではのごった煮感が却って悪い方向に出たように思います。

肝心の情交場面に付いては一通りこなしておりヒロイン2人の個性を活かしたやりとりに始めは多少の目新しさが有った筈なのに、次第に気障りに感じてしまいました。随所に盛り込まれたギャグがよく理解出来ず、そこは私の勉強不足の一言ですが、度を超した多用も考え物ではと思います。
プロフィール

にゃら

Author:にゃら
千葉県在住の会社員。40代を迎えましたが、まだまだフラフラと迷う日々を送っています。
フランス書院文庫を中心に官能小説だけで蔵書が300冊近くになりました。整理したいと思いつつも手離し難く、最近電子書籍に目覚めて古い本から順に移行させつつも、まだまだ購入量の方が多いといったところです。
一部で関係者(作家さんや編集者さんなど)と思われているようですが、全くの見当違いです。
官能作品に関わる全ての方に感謝しつつ、読み続けていきたいと考えています。

〈誘惑官能小説〉
主にヒロイン側からのアプローチで結ばれる官能小説。「私がオトナにしてあげる」などの舞台設定が好きな方にオススメします。
自分の年齢の半分以上(!?)官能小説に触れて来ていますが、最近は趣向の多様化もあって、一口に誘惑と言っても色々と華やかになっています。
なお個人的な好みが色濃く反映されていますので、作品によっては辛めな感想になりますが、その辺はご容赦下さい。

〈コメント〉
どなたでも書き込み自由ですが、管理人が許可するまではコメント欄に反映されないので、その辺りはご理解下さい。

〈リンク・トラックバック〉
基本的にフリーですし、特にお知らせ頂かなくて構いません。

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